ベルリン-ドレスデン線 (ベルリン-ドレスデンせん、ドイツ語: Bahnstrecke Berlin–Dresden)とは、ドイツ連邦共和国の首都ベルリンベルリン・ヨークシュトラーセ駅からブランデンブルク州を経てザクセン州ドレスデンドレスデン中央駅に至る全長174.2kmのドイツ鉄道の路線である。

ベルリン-ドレスデン線
基本情報
ドイツの旗 ドイツ
起点 ベルリン
終点 ドレスデン
路線記号 6135(ジュートクロイツ - エルスターヴェルダ)
6248(エルスターヴェルダ - フリードリヒシュタット)
路線番号 200.2、203、225、240
開業 1875年
運営者 ドイツ鉄道
路線諸元
路線距離 174.2 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線(リヒテンラーデ駅 - ブランケンフェルデ駅間のみ単線)
電化方式 交流15,000V 16.7Hz
最高速度 160 km/h
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停車場・施設・接続路線
 ベルリン - エルスターヴェルダ線 
exKBHFa
旧ベルリン・アンハルト駅 1882-1959
exSTR exKBHFa
旧ベルリン・ドレスデン駅 1875-1882
exSTRl exABZg+r
exDST
旧ベルリン・アンハルト貨物駅
LSTR LSTR
ベルリン - ハレ線参考
SBHF STR
5.1 ベルリン・プリースターヴェーク
ABZgr ABZgr
ベルリン - ハレ線
ABZg+l xABZgr
複々線工事区間
SBHF exSTR
6.7 ベルリン・アトラス街駅 旧マリエンドルフ
hKRZWae exhKRZWae
テルトウ運河
SBHF exSTR
9.4 ベルリン・マリエンフェルデ
eABZgl exABZg+r
SHST exSTR
11.0 ベルリン・ブッコーアー・ショーセー
eKRZ exABZgr
zum Industrieansch. Motzener Str.
eKRZ exKRZ
旧貨物外部環状線
eABZg+lr exSTR
旧貨物線連絡
SHST exSTR
12.3 ベルリン・シショーヴェーク
SBHF exSTR
13.8 ベルリン・リヒテンラーデ
STR+GRZq xSTR+GRZq
ベルリン / ブランデンブルク州
SBHF exSTR
16.8 マーロウ
ABZgl xABZg+r
KRZo KRZo
ベルリン外部環状線
KRZo ABZg+r
STR kABZg+1
外部環状線連絡
KSHSTe HST
19.6 ブランケンフェルデ(テルネット=フレミング郡)
BS2c2 BS2r
HST
20.8 ダーレヴィッツ
SKRZ-Au
自動車道A10
BHF
24.2 ランスドルフ
HST
30.7 ダーベンドルフ
ABZg+l
ノイコェルン=ミッテンヴァルト鉄道
BUE
国道B246
BHF
32.7 ゾッセン 37 m
ABZgr
旧プロイセン軍事鉄道
WBRÜCKE1
ノッテ運河
eHST
36.0 旧ツォセン・ラーガー
BHF
39.1 ヴュンスドルフ・ヴァルトシュタット 50 m
HST
42.1 ノイホーフ(ツォセン近郊)
SBRÜCKE
国道B96
BHF
51.5 バールート(マルク) 55 m
HST
56.1 クラースドルフ・グラースヒュッテ
SBRÜCKE
国道B96, B115
BHF
61.8 ゴルセン(ニーダーラウジッツ) 62 m
HST
68.6 ドラーンスドルフ 65 m
eABZg+r
ダーメ - ウックロ線
BHF
76.0 ルッカウ・ウックロ 84 m
KRZo
ファルケンベルク - ベースコウ線
eHST
81.1 旧ゲーリー(ルッカウ郡)
BHF
85.5 ヴァルトドレーナ 115 m
DST
93.7 ブレーニッツ=ゾンネンヴァルデ 99 m
TBHFo
102.9 ドーバールーク=キルヒハイン上駅 ハレ - コットブス線
BHF
108.9 リュッカースドルフ(ニーダーラウジッツ)
BHF
116.5 ホーエンツォレルン
eHST
121.7 旧ビーラ
BHF
122.8 エルスターヴェルダ 93 m
LSTR
ドレスデン - エルスターヴェルダ線参考
KMW
124.563 路線記号交代: 6135↔6248
HST
126.8 プロェーゼン東駅
STR
ドレスデン - エルスターヴェルダ線
 ドレスデン - エルスターヴェルダ線 
STR
ジェチーン - ドレスデン線 (S1, S2)
BHF
ドレスデン中央駅 S3終着駅
ABZgl
ドレスデン - ヴェルダウ線 (S3)
ABZg+l
旧市街三角線
ABZgr
ジェチーン - ドレスデン線 (S1, S2)
ABZg+r
ノイシュタット方面
BHF
0.3 ドレスデン・フリードリヒシュタット
ABZgr
ドレスデン港線
BHF
2.2 ドレスデン・コッタ 110 m
HST
3.9 ドレスデン・ケムニッツ 108 m
HST
5.3 でレスデン・ステッチュ 110 m
BHF
6.8 コッセバウデ 110 m
ABZg+r
ニーダーヴァルタ揚水発電所方面
HST
9.0 ニーダーヴァルタ 112 m
hKRZWae
エルベ川、ニーダーヴァルタ鉄道橋(354 m)
HST
10.7 ラーデーボイル・ナウンドルフ 111 m
ABZgl
ナウンドルフ連絡線
KRZo
ライプツィヒ - ドレスデン線
ABZg+r
ラーデーボイル北連絡線
eHST
13.1 旧ノイコースヴィヒ ~2002 123 m
DST
17.5 ヴァインボェーラ 旅客駅: ~2002 143 m
eBHF
26.0 旧ボェーラ 144 m
ABZgl
コッテーヴィッツ連絡線
WBRÜCKE1
Röderneugraben
KRZo
グロースハイン - プリーステーヴィツ線
WBRÜCKE1
大ロェーダー川
DST
33.5 グロースハイン・ベルリン駅 旅客駅: ~2002 118 m
ABZg+r
グロースハイン・コットブス駅方面
HST
39.4 ツァーベルティツ 113 m
eBHF
39.5 旧ツァーベルティツ 113 m
BHF
43.4 フラウエンハイン 110 m
STR+GRZq
ブランデンブルク州 / ザクセン州
HST
48.1 プロェーゼン東駅 93 m
KMW
50.360 路線記号交代: 6248↔6135
ABZg+l
ツァイトハイン - エルスターヴェルダ線
WBRÜCKE1
プルスニッツ川
WBRÜCKE1
黒エルスター川
BHF
52.2 エルスターヴェルダ 93 m
STR
ベルリン - エルスターヴェルダ線
  • 出典: ドイツ鉄道地図[1]

概要

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全線が電化されており、リヒテンラーデ駅 - ブランケンフェルデ駅間は単線であるが、他の区間は複線化されている。また、ズュートクロイツ駅 - ブランケンフェルデ駅間はベルリンSバーンS2号線と線路を共用しているが、電化方式の関係で長距離旅客列車は乗り入れ不可である[2]南北長距離線ベルリン中央駅方面からの長距離列車は当区間においてベルリン-ハレ線およびベルリン外環状線を経由する迂回経路で運行される。

歴史

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第二次世界大戦まで

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ベルリン - ドレスデン間を鉄道は1837年から1848年にかけて開通したユーターボーク–レーデラウ線英語版ライプツィヒ–ドレスデン線が始まりである。 1872年にベルリン・ドレスデン鉄道株式会社が設立され、1875年6月17日にエルスターヴェルダ経由でベルリン - ドレスデン間を結ぶベルリン-ドレスデン線が開通した[3]。旧来の路線より総延長は12km短縮された。第二次世界大戦終了まではベルリン - ドレスデン間の鉄道は上記の2ルートが併存することになる。なお、1877年10月1日にはプロイセン邦有鉄道に移管された。

1887年1月24日にはザクセン王国プロイセン王国の間で条約が結ばれ、ザクセン領内の区間も1887年4月1日以降はプロイセンの所有に、エルスターヴェルダ - ドレスデン間は1888年4月1日にザクセン王国に再売却されることが決定し、王立ザクセン邦有鉄道の一部となった。

 
ドレスデンに存在した開業当初のベルリン駅
 
ベルリン駅(ドレスデン)の跡地はヤードになった
 
エルスターヴェルダ駅
 
エルベ川に架かる鉄橋
 
ドレスデン付近を走行するレギオナルバーン

両端のベルリンとドレスデンにはターミナル駅が建設されたが、いずれも短期間で使われなくなった。ベルリン側のドレスデン駅(現在のベルリンUバーン1号線グライスドライエック駅付近)は1882年に旅客営業を停止し、少し北側のアンハルター駅がターミナルとなった。その後、ドレスデン側のベルリン駅も廃止され、代わりにドレスデン=フリードリヒシュタット駅が1894年に建設され、貨物および地域輸送に用いられている。それ以来、長距離列車はライプツィヒ–ドレスデン線のラーデボイル=ツィツェヴィヒ駅およびドレスデン=ノイシュタット駅を経由するルートでドレスデン中央駅に向かうようになった。その一方、ライプツィヒ方面との間の貨物列車はラーデボイル=ナウンドルフ駅からフリードリヒシュタット駅へ向かう旧来のルートを用いる。

1875年から第一次世界大戦まではベルリンからツォッセンにかけて王立プロイセン軍事鉄道が並行して存在していたが、1919年に廃止された。この軍事鉄道では1901年から1904年にかけて電気機関車および電車による高速化の試験が行われ、最高210.8km/hでの走行を達成した。1905年のテルトー運河の建設により、Sバーンのマリーエンドルフ駅(現在のアッティラシュトラーセ駅)南方には新しい鉄橋が建設された。

1936年にはベルリン - ドレスデン間を100分で結ぶヘンシェル・ヴェーグマン・ツーク号の運行が開始された。

ベルリンの近郊区間は1939年から1940年にかけて電化された。1939年5月15日にはプリースターヴェーク - マーロー間でベルリンSバーンの運行が開始され、翌1940年10月6日にはラングスドルフ駅まで運行区間が延伸された。Sバーンの線路は長距離列車や貨物列車との共用であったため、1930年代末には両者を分離するために複々線化する工事が開始された。しかしながら、第二次世界大戦開戦の影響もあり完成することはなかった。 また、大戦最末期の1945年4月にはベルリン市街戦の影響によりSバーンの運行は不可能になった[4]

東ドイツ時代

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戦争末期に線路は連合国の攻撃により破壊された。さらに、テルトー運河に架かっていた橋梁はドイツ軍により爆破された。複線の線路はソビエト連邦への賠償のために橋梁部を除いて大部分が単線化された。1945年8月から10月にかけて運行が再開された。マリーエンドルフ - マリーエンフェルデ間はSバーンと長距離列車・貨物列車が複線を共有する形での運行、 ラングスドルフ - ヴュンスドルフ間はSバーンに接続する蒸気機関車による郊外列車でSバーンと接続する形になった。

ドイツとベルリンの分断はベルリン-ドレスデン線にも大きな影響を与えた。1951年にはベルリン外環状線が建設され、ドレスデン方面への長距離列車が西ベルリンを回避するルートとして用いられるようになった。西ベルリンの領内にあったターミナル駅はアンハルター駅を含めて1952年5月18日に閉鎖された。これに伴い地域輸送には東ベルリンに属するシェーネヴァイデ駅、リヒテンベルク駅、ベルリン東駅が使用されるようになった。西ベルリンと東ドイツの境界を跨ぐ列車はラングスドルフ方面からのSバーンのみとなった。西ベルリン内部での貨物輸送はマリーエンドルフのガス工場とマリーエンフェルデのダイムラーの工場が存在したことから継続された。マリーエンフェルデ駅南方に残存していた長距離列車線は部分的に廃止されるか、使用されないまま線路に雑草が生えた状態で数十年間放置された。

1961年8月13日ベルリンの壁の建設が開始されると、西ベルリンと東ドイツの境界を跨ぐリヒテンラーデ - マーロー間は廃止された。Sバーンはマーロー - ラングスドルフ間のみのシャトル運行になったが、結局長続きすることなく同年10月9日に運行が休止された。ヴュンスドルフ駅からの通勤列車はシェーネフェルト空港駅へ向かうようになった。1962年からは東ベルリン方面へのSバーンの運行が開始された。1963年5月26日には外環状線と接続するマーロー - ブランケンフェルデ間でVT2.09型レールバス("piglet taxi"の名で親しまれる)が運行を開始した。

単線ゆえの線路容量の不足と劣悪な保線状況が長期にわたり運行上の問題となった。貨物列車が高密度で運行されるのに対し、優等旅客列車は1日数往復に留まった。この状況が改善されるのは1972年の全線複線化(当時休止されていた壁前後の区間を除く)を待たなければならなかった。1960年代には既に最高速度を160km/hに引き上げる動きは存在した。バールート(マルク)駅 - ブレーニッツ=ゾンネヴァルデ駅間の各駅のプラットホームは高速運転に対応できるように外側に移設された。しかしながら、様々な事情により120km/hでの運行に留まった。

ドレスデン=フリードリヒシュタット - ラーデボイル=ナウンドルフ駅間は1969年9月28日に電化された。ベルリン外環状線に直通する残りの区間は1979年から1983年にかけて電化された。西ベルリン区間の(マリーエンフェルデ - リヒテンラーデ)のSバーンは1980年9月のストライキにより運行が休止されたが、1988年に単線ながらも修復された。

また、国内列車の他にチェコスロバキアハンガリールーマニアオーストリアへの国際優等列車も高密度で運行された。地域輸送についてはシェーネフェルト - ヴュンスドルフ間は毎時1本の運行が基本であり、一部列車はバールート/マルクまで運行された。しかしながら、バールート/マルク - エルスターヴェルダ間は長年にわたり普通列車は1日4往復のみであった。エルスターヴェルダ - ドレスデン間についてはもう少し多めの列車が運行されていた。

東西統一後

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ベルリンの壁崩壊後、Sバーンの単線区間(リヒテンラーデ - マーロー)が再建され、1992年8月31日には更に一駅先のブランケンフェルデ駅まで修復された。1992年1月から軌道の大幅な改修が行われ、同年5月には最高速度は160km/hに引き上げられた。これに伴い長距離列車の所要時間は35分短縮された。

高速化工事

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2020年までにベルリン-ドレスデン線のうち125kmの区間の最高速度が200km/hに引き上げられる予定である。工事内容は路盤改良、踏切撤去による連続立体交差化、ETCS(統一列車制御システム)の整備などである [5]

また、ベルリン市内ではズュートクロイツ駅 - ブランケンフェルデ駅間のSバーンの線路に並行して長距離列車用の新線が建設される予定である[6]

列車

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  • 2016年12月改正[7][8][9]
  • ズュートクロイツ - ブランケンフェルデ間においてEC/ICおよびREベルリン-ハレ線およびベルリン外環状線を経由する。
  • 地域輸送の場合、ベルリン - プロェーゼン東駅間はベルリン・ブランデンブルク運輸連合(Verkehrsverbund Berlin-Brandenburg, VBB)の運賃制管轄区間で[10]、フラウエンハイン - ドレスデン間の運賃制は上エルベ運輸連合(Verkehrsverbund Oberelbe, VVO)が運用する[11]
系統 ルート 運行間隔
EC/IC27 ヴェスターランド - ハンブルク - ベルリン - ドレスデン( - プラハ - ブラチスラヴァ - ブダペスト 120
RE5 ロストック / シュトラールズント - ノイシュトレーリッツ - ベルリン - エルスターヴェルダ 120 (60)
RE7 デッサウ - バート・ベルツィヒ - ベルリン - シェーネフェルト空港 - ヴュンスドルフ=ヴァルトシュタット 60
RB31 エルスターヴェルダ=ビーラ - エルスターヴェルダ - ドレスデン 120
S2 ベルナウ - フリードリヒシュトラーセ - ブランケンフェルデ 20 (10)

脚注

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  1. ^ (ドイツ語) Eisenbahnatlas Deutschland (11th ed.). Köln: Schweers + Wall. (2020). ISBN 978-3-89494-149-9 
  2. ^ ベルリンSバーン路線図
  3. ^ Berlin – Baruth (– Dresden)
  4. ^ Bley, Peter (1993) (German). Berlin S-Bahn. Düsseldorf: publication Alba. p. 26 
  5. ^ BauInfoPortal Berlin – Dresden
  6. ^ BauInfoPortal Berlin Südkreuz – Blankenfelde (Dresdner Bahn)
  7. ^ EC/IC運行路線図 2017年版
  8. ^ RE/RB運行路線図(ベルリンおよびブランデンブルク州) 2017年版
  9. ^ RE/RB運行路線図(ザクセン州) 2017年版
  10. ^ Liniennetze: Bahn-Resionalverkehr / PlusBus – Berlin und Brandenburg” (ドイツ語). Verkehrsverbund Berlin-Brandenburg GmbH. 2024年7月12日閲覧。
  11. ^ Verkehrsverbund Oberelbe (VVO)” (ドイツ語). Verkehrsverbund Oberelbe GmbH. 2024年7月12日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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