プロカテロール
プロカテロール(Procaterol)は、第三世代のβ2アドレナリン受容体刺激剤薬である。第三世代の薬物は、β1受容体への作用が弱くなっているため、心臓に対する副作用が少ない(ないわけではない)。気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患の対症療法に使われる。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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データベースID | |
CAS番号 | 72332-33-3 |
ATCコード | R03AC16 (WHO) |
PubChem | CID: 4916 |
KEGG | D08424 |
化学的データ | |
化学式 | C16H22N2O3 |
分子量 | 290.36 g/mol |
概要
編集プロカテロールはβ2刺激薬の一種であり、定量噴霧式吸入器(MDI)等を用いる吸入剤又は経口剤(錠剤、シロップ、ドライシロップ)の形で投与される。吸入剤は気管支喘息の発作時にリリーバーとして使用されるのに対して、経口剤は発作予防の長期管理に使用される。プロカテロールはβ2アドレナリン受容体を活性化し、気管支平滑筋を弛緩させる(気管支拡張剤)。副作用として振戦、動悸、吐気、頭痛、頻脈、など起こることがある。
効能・効果
編集下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解[1]
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎、喘息様気管支炎
なお、吸入薬では急性気管支炎と喘息様気管支炎には適応が無い[2]。又、吸入薬は『喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限る事。』と添付文書に明記されている。
副作用
編集重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー、重篤な血清カリウム値低下が知られている。吸入剤を過量使用すると、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発生する恐れがある[2]。
商品名
編集塩酸プロカテロールは以下の商品名で販売されている。
メプチン Meptin (大塚製薬)
ほかに多数のジェネリック医薬品が各社から販売されている。
メプチンエアー(大塚製薬)はかつて添加剤としてCFC(特定フロン)が使用されていたが、HFA(代替フロン)に転換された。また、ドライパウダーのメプチンクリックヘラーもある。
脚注
編集- ^ “メプチンドライシロップ0.005% 添付文書” (2014年2月). 2016年7月19日閲覧。
- ^ a b “メプチンエアー10µg吸入100回” (2015年1月). 2016年7月19日閲覧。
外部リンク
編集- お薬を正しくご使用いただくために メプチン - 大塚製薬、2020年3月8日閲覧