ブロンド (映画)
『ブロンド』 (原題: Blonde)は、2022年に公開されたアメリカの伝記映画[5]。
ブロンド | |
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Blonde | |
監督 | アンドリュー・ドミニク |
脚本 | アンドリュー・ドミニク |
原作 | ジョイス・キャロル・オーツ |
製作 |
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出演者 |
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音楽 | |
撮影 | チェイズ・アーヴィン |
編集 | アダム・ロビンソン[2] |
製作会社 | プランBエンターテインメント |
配給 | Netflix |
公開 | |
上映時間 | 167分[3] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $22,000,000[4] |
監督・脚本はアンドリュー・ドミニク。ジョイス・キャロル・オーツの同名小説の二度目の映像化[b]。アメリカの女優マリリン・モンローの生涯を、アナ・デ・アルマス主演で描く。
本作の映像は、4つのアスペクト比率、カラーと白黒が混在している[7]。デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、トレイシー・ランドン、ブラッド・ピット、スコット・ロバートソンがプロデューサーとして名を連ね、2010年から始まった企画は、2019年8月ロサンゼルスで製作に入った。
2020年から続く新型コロナの流行のさなか、2021年7月に製作を終了。キャスティングや露骨な性的描写、動画配信サービスにおける初のNC-17指定映画である点など、様々な論争を引き起こした[8]。
また、本作でマリリン・モンローを演じたアナ・デ・アルマスは本作が最も厳しいレイティングに指定されたことに納得していないと主張している[9]。
2022年9月8日、第79回ヴェネツィア国際映画祭にてプレミア上映。同年9月16日より米国で限定公開され、9月28日からはNetflixで配信が開始された。
あらすじ
編集子供時代のノーマ・ジーンは、精神的に不安定な母親のグレディスに育てられていた。ある日、ノーマから父親について尋ねられたグレディスは激昂し、ノーマをバスタブで溺れさせようとする。ノーマは逃げ出し隣人に保護されるが、数日後グレディスは精神病院に、ノーマも孤児院へと送られてしまう。
1940年代、マリリン・モンローの名でピンナップモデルになっていたノーマは芝居の世界を志すが、映画スタジオのMr. Zにレイプされる。1951年には、『ノックは無用』で役を獲得し、着々とキャリアを積み上げていく。キャス・チャップリンとエドワード・G・ロビンソン・ジュニアの2人と、彼女はポリアモリーな関係となる。しかし、エージェントからはパプリックな場で2人と会うなと指示される。彼女の中で、マリリンはノーマが演じるただの役、という感覚が深まっていく。
ノーマはキャスの子どもを妊娠するが、グレディスの精神病が遺伝する恐怖から中絶を決意する。手術後、キャスとエドワードと別れたノーマはジョー・ディマジオと出会い、ハリウッドからニューヨークへと活動の場を移し、真面目な演技に取り組みたい胸中を語る。『紳士は金髪がお好き』の撮影中から、彼女の父親を名乗る手紙が届きはじめる。映画のプレミアの後、ノーマはジョーからのプロポーズを、気乗りしない様子ではあったが受け入れる。だが、キャスとエドワードに見せられたノーマのヌード写真、『七年目の浮気』の白いドレスの宣伝行為などに嫌悪感を示したジョーとの結婚生活は悪化。ノーマはジョーから暴力を振るわれるようになり離婚する。
1955年、ブロードウェイのオーディションに参加したノーマは、劇作家のアーサー・ミラーと出会い結婚、メイン州へ移り住む。幸せな日々を過ごし、再度妊娠をするが、ビーチで転び今度は流産をしてしまう。悲嘆に暮れながらも映画の世界へと戻り、『お熱いのがお好き』を撮影中のノーマは精神的に不安定になっていた。現場では監督のビリー・ワイルダーに当たり、私生活では夫のアーサーと距離が生まれていく。
1962年には、彼女はドラッグとアルコールに依存するようになっていた。ふらつくノーマはシークレット・サービスに、ホテルに滞在中のケネディ大統領の元まで連れて行かれ、ケネディから手荒にフェラチオとセックスを強いられる。ドラッグに溺れて憔悴した彼女は、もう一度中絶手術をされる幻覚を経験した後、ロサンゼルスの自宅に戻った。ノーマはエドワードからの電話でキャスの死を伝えられ、後日形見として思い出深い虎のぬいぐるみが送られてくる。同封されていた手紙により、定期的に届いていたノーマの父親からの手紙はキャスが書いていた物だと明かされる。ショックを受け心砕かれたノーマは、睡眠薬を過剰摂取しベッドに横たわる。薄れゆく意識のなか、ノーマは死後の世界で彼女を迎える父親の姿を見た。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹き替え
- アナ・デ・アルマス - ノーマ・ジーン / マリリン・モンロー (水樹奈々)
- リリー・フィッシャー - 幼いノーマ・ジーン
- ヴァネッサ・レモニデス - ノーマ・ジーンの歌声
- エイドリアン・ブロディ - アーサー・ミラー (宮本充)
- ボビー・カナヴェイル - ジョー・ディマジオ (谷昌樹)
- ゼイビア・サミュエル - キャス・チャップリン (諏訪部順一)
- ジュリアン・ニコルソン - グラディス・パール・ベイカー (野沢由香里)
- エバン・ウィリアムズ - エドワード・G・ロビンソン・ジュニア (福山潤)
- トビー・ハス - ホワイティ
- デビッド・ウォーショフスキー - ダリル・F・ザナック
- キャスパー・フィリップソン - ジョン・F・ケネディ
- ダン・バトラー - I・E・シン
- サラ・パクストン - ミス・フリン
- レベッカ・ウィソッキー - イヴェット
- タイ・ルニャン - ノーマの父親
賞
編集賞 | 日付 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
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ヴェネツィア国際映画祭 | 2022年9月10日 | 金獅子賞 | アンドリュー・ドミニク | ノミネート | [10] |
シカゴ映画批評家協会 | 2022年12月14日 | 主演女優賞 | アナ・デ・アルマス | ノミネート | [11] |
ゴールデングローブ賞 | 2023年1月10日 | 主演女優賞 (ドラマ部門) | ノミネート | [12] | |
ロンドン映画批評家協会賞 | 2023年2月5日 | 主演女優賞 | ノミネート | [13] [14] | |
技術功績賞 | レスリー・シャッツ | ノミネート | |||
Make-Up Artists and Hair Stylists Guild | 2023年2月11日 | Best Period and/or Character Make-Up in a Feature-Length Motion Picture | ティナ・レスラー・カーウィン エレナ・アロイ キャシー・ライオンズ |
ノミネート | [15] [16] |
Best Period Hair Styling and/or Character Hair Styling in a Feature-Length Motion Picture | ハイメ・リー・マッキントッシュ リンネ・デュリー アホウ・モフィド ロバート・ピケンズ |
ノミネート | |||
英国アカデミー賞 | 2023年2月19日 | 主演女優賞 | アナ・デ・アルマス | ノミネート | [17] |
オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞 | 2023年2月24日 | 主演女優賞 | ノミネート | [18] | |
全米映画俳優組合賞 | 2023年2月26日 | 主演女優賞 | ノミネート | [19] | |
ゴールデンラズベリー賞 | 2023年3月11日 | 最低作品賞 | デデ・ガードナー ジェレミー・クライナー ブラッド・ピット |
受賞 | [20] |
最低監督賞 | アンドリュー・ドミニク | ノミネート | |||
最低助演男優賞 | ゼイヴィア・サミュエル | ノミネート | |||
エバン・ウィリアムズ | ノミネート | ||||
最低脚本賞 | アンドリュー・ドミニク (原作: ジョイス・キャロル・オーツ) |
受賞 | |||
最低スクリーンコンボ賞 | アンドリュー・ドミニク&彼の女性に対する意識の問題 | ノミネート | |||
虚偽のホワイトハウスのベッドシーンに登場する実在のキャラクター2人 | ノミネート | ||||
最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞 | ブロンド | ノミネート | |||
アカデミー賞 | 2023年3月12日 | 主演女優賞 | アナ・デ・アルマス | ノミネート | [22] |
注釈
編集出典
編集- ^ O'Hagan, Sean (August 15, 2021). “'I love the perversity of it': Bad Seed Warren Ellis on how Nina Simone's gum inspired a book”. The Guardian. オリジナルの2022年9月29日時点におけるアーカイブ。 2021年8月21日閲覧。
- ^ Bergeson, Samantha (February 11, 2022). “Andrew Dominik Shuts Down 'Horsesh*t' 'Blonde' NC-17 Rumors for Ana de Armas' Marilyn Monroe Film”. IndieWire. 2022年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月11日閲覧。
- ^ “ブロンド : 作品情報 - 映画.com”. 2022年1月28日閲覧。
- ^ Sharf, Zack (May 11, 2022). “Ana de Armas' 'Blonde' Director 'Surprised' by NC-17 Rating: Film Will Likely 'Offend Everyone'”. Variety. 2022年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月31日閲覧。
- ^ Benchetrit (September 29, 2022). “How fictional biopic Blonde turns Marilyn Monroe into a symbol of celebrity tragedy”. CBC News. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “TVM 偽りのブロンド ~ マリリン・モンロー (2001)について 映画データベース - allcinema”. 2023年1月28日閲覧。
- ^ “Blonde (2022) - Technical Specifications - IMDb”. 2023年1月28日閲覧。
- ^ Maitland (August 16, 2022). “What to Expect From Netflix's Blonde”. Vogue. August 20, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。August 21, 2022閲覧。
- ^ アナ・デ・アルマス、マリリン・モンロー演じる映画『ブロンド』の18禁指定に納得できず VOGUE JAPAN. 2022年9月1日掲載 2024年12月11日閲覧
- ^ “Biennale Cinema 2022 | Blonde”. La Biennale di Venezia (July 25, 2022). August 23, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。September 28, 2022閲覧。
- ^ Tallerico (December 12, 2022). “Everything Everywhere All at Once Leads Chicago Film Critics Nominations”. Rogerebert.com. December 12, 2022閲覧。
- ^ “Golden Globes 2023: Nominations for the 80th Golden Globes Have Been Announced”. Hollywood Foreign Press Association. December 12, 2022閲覧。
- ^ Pulver (December 21, 2022). “The Banshees of Inisherin leads pack as London film critics announce nominations”. The Guardian. December 22, 2022閲覧。
- ^ Cline, Rich (5 February 2023). “Tár and The Banshees of Inisherin Top the CC Film Awards”. London Film Critics' Circle. 6 February 2023閲覧。
- ^ Pedersen (January 11, 2023). “Make-Up Artists & Hair Stylists Guild Awards Nominations: ‘The Batman’, ‘Elvis’, ‘The Whale’ & More”. Deadline Hollywood. January 11, 2023閲覧。
- ^ “Make-Up Artists And Hair Stylists Guild 2023 Awards Winners List” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年2月14日閲覧。
- ^ Ntim (January 19, 2023). “BAFTA Film Awards Nominations: ‘All Quiet On The Western Front,’ ‘Banshees Of Inisherin’ & ‘Everything Everywhere All At Once’ Lead — The Complete List”. Deadline Hollywood. January 19, 2023閲覧。
- ^ Shackleton (December 15, 2022). “'The Banshees Of Inisherin', 'Everything Everywhere All At Once' Head Nominations For Australia's AACTA International Awards”. Deadline Hollywood. December 15, 2022閲覧。
- ^ “The 29th Annual Screen Actors Guild Awards”. SAG-AFTRA. January 11, 2023閲覧。
- ^ Nordyke (January 23, 2023). “Razzie Awards: ‘Blonde’ Leads Noms With Eight; Tom Hanks Lands Two Mentions for ‘Pinocchio,’ ‘Elvis’”. The Hollywood Reporter. January 23, 2023閲覧。
- ^ ““最低映画賞”ラジー賞ノミネート発表 『ブロンド』が最多8ノミネート /2023年1月24日 - 映画 - ニュース |クランクイン!”. 2023年1月29日閲覧。
- ^ “The 95th Academy Awards”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. January 24, 2023閲覧。