ブルースの真実

オリヴァー・ネルソンのアルバム

ブルースの真実』(ブルースのしんじつ、The Blues and the Abstract Truth)は、1961年2月に録音された、アメリカ合衆国ジャズ・サックス奏者オリヴァー・ネルソンによるアルバムである。同年、インパルスより発売された。

『ブルースの真実』
オリヴァー・ネルソンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1961年2月23日 ニュージャージー州エングルウッド・クリフス ヴァン・ゲルダー・スタジオ
ジャンル ポスト・バップ
時間
レーベル インパルス!レコード
プロデュース クリード・テイラー
オリヴァー・ネルソン アルバム 年表
Soul Battle
(1960年)
ブルースの真実
(1961年)
Straight Ahead
(1961年)
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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
All Music5/5stars[1]

依然としてネルソンの最も評価の高いアルバムであり、フレディ・ハバードエリック・ドルフィービル・エヴァンス(ネルソンとの唯一の共演)、ポール・チェンバースロイ・ヘインズといった著名なミュージシャンらが参加している。

バリトン・サックスのジョージ・バローはソロを取らないが、ネルソンの巧みなヴォイシングにおいて重要な役割を担っている。

ジャケット写真ピート・ターナーが撮影した。

内容

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ブルースのムードや構造を探求しているが、従来の12小節ブルース形式で構成される曲は少ない。

この点で、マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』(1959年発表。ちなみにエヴァンスとチェンバースは、双方のアルバムに参加している)と同じく、ブルースにおけるシンプルで繊細なハーモニーを追求した作品と見なされる場合がある。

収録曲では「ストールン・モーメンツ」が最もよく知られる。

「ホー・ダウン」は44小節の構造を持つ。

「カスケイズ」は56小節にフォームを伸ばし、Aセクションに16小節のマイナー・ブルースを使用することで、従来の32小節のAABA形式を変更している。

「ヤーニン」「ブッチ・アンド・ブッチ」と「ティニーズ・ブルース」(冒頭でチェンバースによる12小節のベース・ソロが2コーラス分演奏される)など、アルバムのB面には12小節の形に近い3つのトラックが含まれている。

ネルソンの後のアルバム『続ブルースの真実』(1964年)は、メンバーの全く異なるグループでの演奏だが、このレコードによく似ている。

評価

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ジャズ・ジャーナル・インターナショナルは「ポスト・バップの録音では必須」作品とした。

カバー

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  • 2008年にピアニスト、ビル・カンリフはトリビュート・アルバム『The Blues and the Abstract Truth, Take 2』を、オリジナル作品に新しいアレンジを加えて発表。

収録曲

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アーロン・コープランドの「ホー・ダウン」を除く全曲がオリヴァー・ネルソンによる作曲である。

  1. 「ストールン・モーメンツ」 - "Stolen Moments" - 8:46
  2. 「ホー・ダウン」 - "Hoe-Down" - 4:43
  3. 「カスケイズ」 - "Cascades" - 5:32
  4. 「ヤーニン」 - "Yearnin'" - 6:24
  5. 「ブッチ・アンド・ブッチ」 - "Butch and Butch" - 4:35
  6. 「ティニーズ・ブルース」 - "Teenie's Blues" - 6:33

パーソネル

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演奏者

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制作

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参照

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  1. ^ Nastos, Michael G. "The Blues and the Abstract Truth: review" AllMusic. Retrieved May 20, 2013.
  2. ^ Rob Tannenbaum (August 4, 2009). “Tasty! Steely Dan Brings the Guitar Solos, Male Ponytails”. vulture.com. 5 January 2014閲覧。

参考資料

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