ブラッド・バードBrad Bird1957年9月24日 - )は、アメリカ合衆国モンタナ州カリスペル生まれの映画監督脚本家、アニメーション作家。

ブラッド・バード
Brad Bird
Brad Bird
本名 フィリップ・ブラッドリー・バード
Phillip Bradley Bird
生年月日 (1957-09-24) 1957年9月24日(67歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
モンタナ州 カリスペル
職業 映画監督脚本家アニメーター
主な作品
アイアン・ジャイアント
Mr.インクレディブル』シリーズ
レミーのおいしいレストラン
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
トゥモローランド
受賞
アカデミー賞
長編アニメ映画賞
2004年Mr.インクレディブル
2007年レミーのおいしいレストラン
ヴェネツィア国際映画祭
栄誉金獅子賞
2009年
ロサンゼルス映画批評家協会賞
アニメ映画賞
1999年アイアン・ジャイアント
2004年Mr.インクレディブル
2007年レミーのおいしいレストラン
その他の賞
テンプレートを表示

アニメーション映画アイアン・ジャイアント』で映画の初監督を担当し、長編アニメーション部門で『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』の2作品がアカデミー賞を獲得。

来歴

編集

11歳から13歳にかけて初めてのアニメーション作品を制作する。14歳の時、その作品がウォルト・ディズニー・スタジオに注目され、同スタジオにてアニメーション制作の指導を受ける[1]。このときバードを指導したのがナイン・オールドメンの1人であるミルト・カールであり[1]、バードは彼を師匠と仰いでいる。その後、カリフォルニア芸術大学に入学、アニメーションを学ぶ。またここで、後にピクサーの監督となるジョン・ラセターと出会っている。

卒業後、ディズニーに就職するが短い期間しか在籍せず、1981年に公開された『きつねと猟犬』の制作に関わったのち退職する[1][2]。その後、テレビドラマの監督や映画脚本などを手がけている。また一時期、アンブリン・エンターテインメントに所属しており、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』『ニューヨーク東8番街の奇跡』の制作にも関わっている。

1989年、『ザ・シンプソンズ』の制作プロダクションであるクラスキー・シスポに席を置き、『ザ・シンプソンズ』の第1シーズンに演出家として携わる[2]。数年間『ザ・シンプソンズ』や、その他のテレビアニメ制作においてエグゼクティブ・コンサルタントとして従事する[1]

初監督映画作品『アイアン・ジャイアント』を制作するため、ワーナー・ブラザースに移籍[1][2]。この作品は評論家から絶賛されたが興行的には成功せず、その後『Mr.インクレディブル』の制作に移る。当初この作品はワーナー・ブラザース製作の2Dアニメーション作品として進められていたが、ワーナー・ブラザースのアニメーション部門凍結により、制作が頓挫する。そこへ旧友ジョン・ラセターから誘いがあり、ピクサーに迎えられたブラッド・バードは3DCGアニメーション作品として『Mr.インクレディブル』の制作を再開、2004年に公開される。この作品は第77回アカデミー長編アニメ賞を受賞[3]し、アニー賞では全10部門制覇を成し遂げた[4]

2007年に公開されたピクサー作品『レミーのおいしいレストラン』では降板したヤン・ピンカバに代わって急遽監督を引き継いだ。すでに出来上がっていたキャラクターデザインや脚本を大幅に改訂して制作した本作は第80回アカデミー長編アニメ賞[5]、2007年度のアニー賞[6]を受賞した。その後、1906年に発生したサンフランシスコ地震を題材にした実写長編作品『1906』(ワーナー・ブラザースとディズニー/ピクサーによる共同製作)の制作に取り掛かるも、予算面で制作が中断。トム・クルーズ製作・主演の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の監督オファーを受け、自身初の実写映画監督作品となった[7][8]

2009年の第66回ヴェネツィア国際映画祭で、ジョン・ラセターピート・ドクターアンドリュー・スタントンリー・アンクリッチと共に、アニメ映画への多大な貢献を評価され栄誉金獅子賞を受賞した[9]

フィルモグラフィ

編集

実写映画

編集
題名 備考
1987 ニューヨーク東8番街の奇跡
*batteries not included
共同脚本
2011 ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
Mission: Impossible - Ghost Protocol
監督
2015 トゥモローランド
Tomorrowland
監督・製作

アニメ映画

編集
題名 備考
1999 アイアン・ジャイアント
The Iron Giant
監督・脚本
2004 Mr.インクレディブル
The Incredibles
2007 レミーのおいしいレストラン
Ratatouille
2018 インクレディブル・ファミリー
Incredibles 2
TBA Ray Gunn

アニメシリーズ

編集
題名 備考
1986 世にも不思議なアメージング・ストーリー
Amazing Stories
『ワンワン騒動記 The Family Dog
脚本・演出・共同プロデューサー
1990-1991 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
演出

その他

編集
題名 備考
1991 Do the Bartman MV 『ザ・シンプソンズ』の派生シングル。
監督
2005 ジャック・ジャック・アタック!
Jack-Jack Attack
OVA 監督・脚本

出演

編集

実写映画

編集
題名 役名
1985 世にも不思議なアメージング・ストーリー
Amazing Stories
科学者

アニメ映画

編集
題名 役名
2004 Mr.インクレディブル
The Incredibles
エドナ・モード
2007 レミーのおいしいレストラン
Ratatouille
アンブリスター・ミニオン
2018 インクレディブル・ファミリー
Incredibles 2
エドナ・モード
ジャック・ジャックとエドナおばたん
Auntie Edna

関連項目

編集

脚注

編集
  1. ^ a b c d e John Petrakis (September 03, 1999). “`IRON GIANT' DIRECTOR BIRD GOT ANIMATED START WITH DISNEY – Chicago Tribune” (英語). Chicago Tribune. 2022年1月23日閲覧。
  2. ^ a b c Tom Huddleston Jr. (Jun 15 2018). “How ‘Incredibles 2’ director Brad Bird got his start at Disney” (英語). CNBC. 2022年1月23日閲覧。
  3. ^ ピクサー、「Mr.インクレディブル」でアカデミー賞受賞 - CNET Japan”. CNET Japan. 朝日インタラクティブ (2005年3月1日). 2022年1月23日閲覧。
  4. ^ アニー賞は「Mr.インクレディブル」が10部門を独占! : 映画ニュース - 映画.com”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2005年2月1日). 2022年1月23日閲覧。
  5. ^ 第80回アカデミー賞長編アニメ映画賞は『レミーのおいしいレストラン』 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News”. AFPBB News. クリエイティヴ・リンク (2008年2月25日). 2022年1月23日閲覧。
  6. ^ アニー賞長編アニメーション賞に「レミー」劇場映画10部門で受賞 | アニメ!アニメ!”. アニメ!アニメ!. イード (2008年2月10日). 2022年1月23日閲覧。
  7. ^ 「ミッション・インポッシブル」第4弾の製作発表会見にトム・クルーズら 写真11枚 国際ニュース:AFPBB News”. AFPBB News. クリエイティヴ・リンク (2010年10月29日). 2022年1月23日閲覧。
  8. ^ SCOTT THILL (2011年12月21日). “Brad Bird Talks Ghost Protocol and Making Great Movies | WIRED” (英語). WIRED. 2022年1月23日閲覧。
  9. ^ 中山治美 (2009年9月7日). “ジョージ・ルーカス監督登場!金獅子像をジョン・ラセターに授与:第66回ヴェネチア国際映画祭|シネマトゥデイ”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ. 2022年1月23日閲覧。

外部リンク

編集