フルアニメ
フルアニメ(フルアニメーション)は、アニメーションの表現形式の一つであり、全身の滑らかな演技を自然主義的に描写したものを指す[1][2]。止め絵や部分的な演技を多用したリミテッド・アニメと対立的に扱われることが多いが、その定義やリミテッド・アニメとの境界線は明確ではない[3]。
アニメーション映像は秒間24コマの記録形式が一般的であり[注釈 1]、伝統的なフルアニメーションでは1コマ毎に絵が変化する「1コマ打ち」(秒間24枚)または2コマ毎に絵が変化する「2コマ打ち」(秒間12枚)が多用され、日本のリミテッド・アニメでは3コマ毎に絵が変化する「3コマ打ち」(秒間8枚)が多用される[6][7]。ただし3コマ打ちであれば必ずしもリミテッド・アニメである訳ではなく、相応な演技が実現されていればフルアニメーションに位置付けられる場合もある[8][9]。
代表的なフルアニメーションの作品としてはウォルト・ディズニー製作の『白雪姫』(1937年)がある[2]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 土居伸彰. “リミテッド・アニメーション”. Artwords. 大日本印刷. 2021年1月25日閲覧。
- ^ a b 有吉末充「アニメ・リテラシーの必要性」『人間文化研究 京都学園大学人間文化学会紀要』第30巻、京都学園大学人間文化学会、2013年、29-49頁、NAID 110009560350。
- ^ 片渕須直 (2010年4月5日). “β運動の岸辺で: 第27回 死語である“フルアニメーション””. WEBアニメスタイル. スタジオ雄. 2021年1月25日閲覧。
- ^ 吉村浩一「実写映画とアニメーションの動きの違い:「不気味の谷」を枠組みに」『法政大学文学部紀要』第77巻、法政大学文学部、2018年、63-75頁、doi:10.15002/00021358。
- ^ “【映画タイムマシンvol.2】アニメーションのむかし、むかし”. 川崎市アートセンター (2014年). 2021年1月25日閲覧。
- ^ “『アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門』のための補足資料: 第2回 アニメの「コマ打ち」とは何か 井上俊之が語る「コマ打ち」の特性”. かみのたね. フィルムアート (2019年3月5日). 2021年1月25日閲覧。
- ^ “練馬にいた! アニメの巨人たち: 第21回 手塚治虫さん(マンガ家・アニメーション制作者)その1”. 練馬アニメーションサイト. 練馬区. 2021年1月25日閲覧。
- ^ “アニメの作画を語ろう: animator interview 井上俊之(4)”. WEBアニメスタイル. スタジオ雄 (2001年2月5日). 2021年1月25日閲覧。
- ^ 細馬宏通 (2020年2月27日). “オープニングで考えるアニメーション 「映像研には手を出すな!」の巻(2)”. NEWREEL. ボストーク. 2021年1月25日閲覧。