フランク三浦

日本の腕時計ブランド

フランク三浦(フランクみうら)は、日本大阪府大阪市にある株式会社ディンクスが製造販売する腕時計オリジナルブランド登録商標第5517482号[1])。フランク・ミュラーとの間で商標権をめぐって訴訟となったが、最終的に勝訴した。

株式会社ディンクス
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
543-0024
大阪府大阪市天王寺区舟橋町5-19
舟橋ビル1F
設立 2001年3月
業種 卸売業
法人番号 1120001028465
事業内容 時計、バッグ、アクセサリー、貴金属の販売及び輸出入
資本金 1000万円
外部リンク http://www.dinks-watch.com/
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歴史

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製造元であるディンクスは元々時計製造や輸入販売を行うメーカー[2]で、オリジナルの時計などを製造していた[3]。ディンクスの下部良貴社長はPL学園でキャッチャーを務めた元球児。同期に元東京ヤクルトスワローズ宮本慎也などがいる[4]

同ブランドの始まりは、下部が仕事後に社員と格闘技をテーマに雑談中、時計業者から新商品を作らないかという話があり、冗談でレスラーのような筋骨隆々の時計技師を提案したところ、4、5人のうち1人に大受けしたことがきっかけ[2][5]。最初の半年間の売上は芳しくなかったが、アダルトビデオ店などに並んだことで、AV女優の間では話題になっていた[5]

その後、とあるネットニュース[要出典]で「クリスマスに絶対プレゼントしてはいけない時計No1」に選ばれたことをきっかけに耳目を集め、サイトのアクセスが万単位を記録。ドン・キホーテ博品館などからも商談が持ちかけられるようになった[5]。銀座博品館では販売初月で150本の売り上げを記録している[6]

2012年5月、宮本慎也が2000本安打を達成した際、特注の「フランク三浦ヤクルト宮本2000安打記念時計モデル」をチームメイトにプレゼントしたことが報じられ[7]、認知度の向上により、芸能界でも水沢アリーミラクルひかるなど、多くの愛好者を生んだ[4]

フランク・ミュラーとの訴訟

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2012年8月、ディンクスは取引先の憂いをなくすため「フランク三浦」の商標を登録[2][5]。しかし、それをきっかけに知的財産権をめぐってフランク・ミュラーが特許庁に商標の無効を請求、2015年9月には商標登録を無効とする審決が下された[8]

ディンクスは審決を不服として、商標無効の審決の取消しを求める訴訟を知的財産高等裁判所に提起した(事件番号:平成27(行ケ)10219[9])。2016年4月12日、知財高裁の鶴岡稔彦裁判長は、「三浦は漢字を含む手書き風の文字が使われており、明確に区別が出来る」[10]「多くが100万円以上の腕時計と、4~6千円程度の時計とが混同されるとは到底考えられない」[2][11]旨判示し、特許庁が無効2015-890035号事件について、平成27年9月8日にした審決を取り消した。フランク・ミュラーは最高裁に上告したが棄却され、ディンクスの勝訴が確定した[10][12][注釈 1]

ディンクスによると、高裁での裁判後は知名度が上がり、一時は在庫が無くなるほどの人気になったという[5][8]

概要

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スイスの高級腕時計メーカーであるフランク・ミュラーのパロディブランド。西成出身で自称天才時計師のフランク三浦が作るという設定[14]。完全非防水を謳い、2010年から販売が開始された。文字盤にある「フランク三浦」の「浦」の右上に「、」を欠き[注釈 2][5]、裏蓋には「完全非防水」または「非防水」と刻印されているのが特徴。

コラボレーションモデルを積極的にリリースしており、前述の「ヤクルト宮本2000安打記念時計モデル」[注釈 3]を皮切りにデイリースポーツ東京スポーツとのコラボモデル[15]テレンス・リーとの「傭兵モデル」[16]池内ひろ美が主催するNPO法人「Girl Power」とのコラボモデル[17]などが存在する。下部のPL学園時代の先輩である野村弘樹とのコラボバージョンも発売されている[18]

ご当地モデル

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47都道府県ごとにその土地のシンボルとなる人や物を文字盤に配した「ご当地三浦」を販売している[19][20]。兵庫県モデルでは姫路城宮本武蔵[21]、鹿児島県モデルでは西郷隆盛桜島[19]が描かれ、埼玉県モデルでは県民に馴染み深い「池袋」の文字が1時の位置に描かれている[20]

これは2015年にクラウドファンディングサービスMakuakeで企画したもので、3カ月で1100万円が集まったという[22]。一番人気は広島県モデルであった[22]

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし本判決は、本件商標が登録要件を満たすと判断したものであって、侵害に該当しないと判断したものではない[13]
  2. ^ フランク三浦はどこの国の人か分からず、漢字も読めないという設定のため。
  3. ^ 非売品。

出典

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  1. ^ フランク三浦 商標出願・登録情報(簡易表示) - 特許情報プラットフォーム、2017年10月16日閲覧。
  2. ^ a b c d 「(ニュースQ3)「フランク三浦」勝訴、パロディーの線引きは?」.『朝日新聞』.2016年4月26日付朝刊、29面。
  3. ^ 講談社 2014, p. 32.
  4. ^ a b 講談社 2014, p. 32-33.
  5. ^ a b c d e f 「「フランク・ミュラー」と商標バトル、「オモロイ」でええやん、「フランク三浦」下部社長に聞く、いつやめてもいい。」.『日経MJ(流通新聞)』.2016年6月10日付、3面。
  6. ^ “各界の著名人も愛用するパロディ腕時計“フランク三浦”ってなんだ?”. 週プレNEWS (集英社). (2014年6月7日). https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2014/06/07/31015/ 2017年11月10日閲覧。 
  7. ^ ヤクルト宮本も愛用「謎の天才時計師、フランク三浦」
  8. ^ a b 「商標登録無効の審決「取り消し」で「フランク三浦」腕時計 思わぬ特需 注文殺到、在庫切れ」.『夕刊フジ』.2016年5月20日付夕刊、5面。
  9. ^ 審決取消請求事件  商標権  行政訴訟 平成28年4月12日  知的財産高等裁判所”. https://www.courts.go.jp/index.html.+2023年2月10日閲覧。
  10. ^ a b 「どう見ても「フランク三浦」 最高裁、上告を棄却 フランク・ミュラー敗訴」.『読売新聞』.2017年3月7日付朝刊、35面。
  11. ^ 「「フランク三浦」にお墨付き 4000円 知財高裁、商標認める」.『産経新聞(大阪)』.2016年4月13日付夕刊、社会面。
  12. ^ フランク三浦の勝訴確定 「フランク・ミュラー」と訴訟 - 『日本経済新聞』2017年3月6日配信、2017年10月16日閲覧。
  13. ^ 弁理士クラブ知的財産実務研究所【編】『実務家のための知的財産権判例70選〈2017年度版〉』、発明推進協会、2017年、128頁。
  14. ^ 朝日新聞出版 2013, p. 183.
  15. ^ 光文社 2014, p. 46.
  16. ^ 講談社 2014, p. 33.
  17. ^ 経済界 2017, p. 149.
  18. ^ 光文社 2014, p. 45.
  19. ^ a b 光文社 2016, p. 236.
  20. ^ a b 「落語・ガチャ・ビール…都道府県モノが熱い!!、47の「個性」が魅力、地元愛・収集欲くすぐる。」.『日経MJ(流通新聞)』.2016年11月25日付、16面。
  21. ^ 「文字盤に姫路城、宮本武蔵、明石焼き・・・ 地元愛くすぐるご当地ウオッチ」.『神戸新聞』.2015年10月29日付夕刊、8面。
  22. ^ a b 「『アモーレ三浦』オモロくない?、「フランク三浦」、7月にも新デザイン。」.『日経MJ(流通新聞)』.2016年6月10日付、7面。

参考文献

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  • 「バッタもんか? パロディか? どうでもいいか!? ギャグ腕時計「フランク三浦」にハマる有名人たち」『FRIDAY』2014年8月15日号、講談社、2014年8月15日、32-33頁。 
  • 「超高級時計フランク・ミュラーも 脱力する「フランク三浦」の人気」『週刊朝日』2013年7月5日増大号、朝日新聞出版、2013年7月5日、183頁。 
  • 「「フランク三浦」の三浦一族初の女性メンバー・アマゾネス三浦がおススメ ご当地フランク三浦大集合」『女性自身』2016年5月10・17日合併号、光文社、2016年4月26日、236頁。 
  • 「君は「フランク三浦」を知ってるか?」『FLASH』2014年9月9日号、光文社、2014年8月26日、44-47頁。 
  • 「燦々トーク 後編 輝く女性のONとOFF 女性の健康と尊厳を守る 池内ひろ美(家族問題コンサルタント)」『経済界』2017年4月4日-4月18日号、経済界、2017年3月21日、148-149頁。 

外部リンク

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