フギンとムニン

北欧神話に登場するカラス

フギン古ノルド語: Huginn英語: Hugin)とムニン古ノルド語: Muninn英語: Munin)は、北欧神話に登場する神オーディンに付き添う一対のワタリガラス。フギンは「思考」を、ムニンは「記憶」を意味する。

18世紀アイスランド語の写本『SÁM 66』より(部分)。オーディンの肩に留まって報告するフギンとムニン。

フギンとムニンはオーディンへ様々な情報を伝えるため、世界中を飛び回っている。

スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第38章での記述によると、二羽は夜明けに外に出され、情報を集めてから夜に帰ってくる。そしてオーディンの肩に留まり、その耳にニュースをささやくという。オーディンを指すケニングの一つに「鴉神」があるのは、このワタリガラスの存在による[1]

古エッダ』の『グリームニルの言葉』第20(古ノルド語)では、オーディンの口から「フギンとムニンが毎日世界中を飛んでいるが、戻ってこないことを心配している」といった趣旨のことが語られている[2]

ヨハネス・ゲールツの作品『Odhin』 (1901年)
アーサー・ラッカムが楽劇『ニーベルングの指環』の挿絵に描いた、神ヴォータンが放った二羽の大鴉。
同。ジークフリートの視線の先にヴォータンの大鴉が見える。

脚注

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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』255頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』54頁。

参考文献

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