フェヌグリーク
フェヌグリーク(学名: Trigonella foenum-graecum、英語名: fenugreek)は、ハーブ・香辛料の一種でもある、マメ亜科の一年草植物。フェヌグリーク属[1]中の代表的な1種。地中海地方原産で、古くから中近東、アフリカ、インドで栽培された。日本には享保年間に持ち込まれたが、農作物として栽培されることはなかった[2]。
フェヌグリーク | ||||||||||||||||||||||||
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フェヌグリーク
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Trigonella foenum-graecum L. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
コロハ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Sicklefruit fenugreek Fenugreek |
呼称
編集英名 fenugreek は大雑把に言って古いラテン語: faenum graecum 「ギリシアの馬草(まぐさ)」に由来。この古語がやや変化して現在の種小名ともなっている。
日本語では「フェネグリーク」の名もよく見かける。またスパイス名としては「メッチ(シード)」「メティー(シード)」などとも呼ばれ、これはヒンディー語 methi / मेथी メーティー に由来するとされる。中国名は「胡廬巴」(húlúbā; フールーパー)。 こちらは生薬名として日本にも入り、使われた。日本語で「胡廬巴」を「ころは」と読む。
特徴
編集枝分かれしながら60cmほどにまで成長し、黄色か白い花を咲かせた後に細長い豆果を付ける。種子は、メープルシロップ様の香りと若干の苦味をもつ。挽いて炒めるとカラメル様の香りが出る。クマリン由来の癖のある香りがする事もある。
利用
編集全草を牧草とするほか、種子をスパイスとしてカレー粉などに用いたり、また、もやし(スプラウト)としても利用されている。アフガニスタンでは種子を入れたショラエ・ホルバ( شله حلبه)という甘い粥を作り、イエメンとイスラエルでは、種子を水に浸してスフーグという調味料を作る。種子を水に浸してから挽いたものを南インドの軽食ドーサの生地に入れることもある。
インドとイランでは、苦味のある葉を葉菜として利用する。葉はインドではカスーリー・メーティー(क़सूरी मेथी)、イランではシャンバリーレ(شنبلیله)と呼び、イラン料理のクークーイェ・サブジーやゴルメ・サブジーに用いる。
種子から抽出したエキスはタバコのフレーバーや、模造メープルシロップの添加香料などに使われている。
薬用
編集ヨーロッパでは古くから口腔病、胃腸障害の薬草として広く利用されていた。漢方では補腎や、強壮、健胃に良いとされている。2011年、動物実験によってフェヌグリークが脂肪蓄積抑制や血中コレステロール低下に関与することが報告されている[3][4]。
脚注
編集- ^ 学名: genus Trigonella、異名:レイリョウコウ属(霊陵香属)、トリゴネラ属。
- ^ 武政三男 『スパイス&ハーブ辞典』、文園社、1997年、pp163-164
- ^ 村木悦子、松岡知里・ほか「フェヌグリークは正常ラットの脂肪蓄積抑制に関与する」『日本栄養・食糧学会誌』第64巻第2号、日本栄養・食糧学会、2011年、99-106頁、ISSN 0287-3516、NAID 130000861122。
- ^ 村木悦子、加園恵三「フェヌグリークシードの脂質代謝改善作用と抗肥満作用 (特集 スパイスでヘルスケア その生理作用と効用)」『Aromatopia』第20巻第5号、フレグランスジャーナル社、2011年、24-27頁、ISSN 09184295、NAID 40019007919。
関連項目
編集- イエメン料理・インド料理・エジプト料理・ローマの料理
- 2011年の欧州における腸管出血性大腸菌感染事件 - 本種のスプラウトの汚染が発生源と発表された
- 2-メトキシ-3-メチルピラジン(芳香化合物)
- レイリョウコウ - 同属の植物。
外部リンク
編集- フェヌグリーク - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- コロハ - 田辺三菱製薬