ファンタジスト
ファンタジスト(英:Fantasist[1])は、日本の競走馬。主な勝ち鞍は2018年の京王杯2歳ステークス(GII)、小倉2歳ステークス(GIII)。馬名の意味は「夢想家」[3]。
ファンタジスト | |||||||||
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第70回朝日杯フューチュリティステークス出走時 (2018年12月16日) | |||||||||
欧字表記 | Fantasist[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||
性別 | 牡 | ||||||||
毛色 | 黒鹿毛 | ||||||||
生誕 | 2016年4月22日 | ||||||||
死没 | 2019年11月24日(3歳没) | ||||||||
抹消日 | 2019年11月24日[2] | ||||||||
父 | ロードカナロア | ||||||||
母 | ディープインアスク | ||||||||
母の父 | ディープインパクト | ||||||||
生国 | 日本(北海道日高町) | ||||||||
生産者 | ShallFarm | ||||||||
馬主 | 廣崎利洋 | ||||||||
調教師 | 梅田智之(栗東) | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 |
12戦3勝 (中央)11戦3勝 (地方)1戦0勝 | ||||||||
獲得賞金 | 1億3438万7000円 | ||||||||
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戦績
編集デビュー前~2歳(2018年)
編集2016年4月22日、北海道日高町のShallFarmで誕生[1]。
栗東・梅田智之厩舎に入厩し、2018年7月15日の新馬戦(中京芝1200m)で武豊を背にデビュー勝ちを収める。2戦目の小倉2歳ステークスでは好位抜け出しの競馬で2着アズマヘリテージに1馬身3/4差をつけて快勝し、デビュー2連勝での重賞制覇を果たした[4]。現役時代にスプリント戦線で圧倒的成績を残した父ロードカナロアの産駒としては2世代目で初のスプリント重賞制覇となった[5]。3戦目の京王杯2歳ステークスでは直線で内から伸びてきたアウィルアウェイとの首の上げ下げの接戦を僅かに制して世代初の重賞2勝馬となった[6]。朝日杯フューチュリティステークスではグランアレグリア、アドマイヤマーズに次ぐ3番人気に支持されたが、外枠が響いて4着に終わり、初黒星を喫した[7]。
3歳(2019年)
編集3歳初戦のスプリングステークスで2着に入ったことで距離に目処を立て、クラシック路線へと進む。しかし、皐月賞では中団のインを追走したが伸びずに13着に終わり、騎乗した武豊は「終わってみれば距離かもしれませんね」と2000mの距離を敗因に挙げた[8]。次戦にはNHKマイルカップが選ばれ、距離短縮による挽回を目指したが、2戦続けての13着と大敗。武は「皐月賞がピークの調整だったぶんかも…」と状態面に敗因を求めた[9]。
休養明けは北九州記念から始動するも、パドックで寝転ぶ素振りを見せる、返し馬で気合が乗らないなど梅田が「バカンスに来たぐらいに思っていたんとちゃうかな」と語るほど好調時の片鱗も見えない14着大敗に終わる[10]。セントウルステークスは武に先約(マテラスカイ)があるため和田竜二がテン乗りで騎乗し、レコード勝ちのタワーオブロンドンには離されたが2着は確保した。スプリンターズステークスでは武豊が鞍上に復帰し、大外16番枠から武いわく「一か八かのレース」で積極的に先行するも、直線で失速して最下位の16着に沈んだ[11]。
初ダートのJBCスプリント(8着)を経て、11月24日の京阪杯に出走したが、レース中に急性心不全を発症し死亡した[12]。
競走成績
編集以下の内容はnetkeiba.comの情報[13]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2018. 7.15 | 中京 | 2歳新馬 | 芝1200m(良) | 12 | 6 | 7 | 3.2 (2人) | 1着 | 1:09.6(34.5) | -0.0 | 武豊 | 54 | (ディアンドル) | 448 | |
9. 2 | 小倉 | 小倉2歳S | GIII | 芝1200m(良) | 14 | 4 | 6 | 5.2 (3人) | 1着 | 1:08.9(35.4) | -0.3 | 武豊 | 54 | (アズマヘリテージ) | 464 |
11. 3 | 東京 | 京王杯2歳S | GII | 芝1400m(良) | 8 | 1 | 1 | 3.7 (2人) | 1着 | 1:24.7(33.2) | -0.0 | 武豊 | 55 | (アウィルアウェイ) | 474 |
12.26 | 阪神 | 朝日杯FS | GI | 芝1600m(良) | 15 | 8 | 14 | 8.5 (3人) | 4着 | 1:34.5(33.0) | 0.6 | 武豊 | 55 | アドマイヤマーズ | 474 |
2019. 3.17 | 中山 | スプリングS | GII | 芝1800m(良) | 16 | 1 | 1 | 4.8 (1人) | 2着 | 1:47.8(34.6) | 0.0 | 武豊 | 56 | エメラルファイト | 484 |
4.14 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 2 | 3 | 25.9 (5人) | 13着 | 1:59.7(35.8) | 1.6 | 武豊 | 57 | サートゥルナーリア | 480 |
5. 5 | 東京 | NHKマイルC | GI | 芝1600m(良) | 18 | 7 | 13 | 29.7 (6人) | 13着 | 1:33.3(34.6) | 0.9 | 武豊 | 57 | アドマイヤマーズ | 482 |
8.18 | 小倉 | 北九州記念 | GIII | 芝1200m(良) | 18 | 4 | 8 | 7.0 (4人) | 14着 | 1:09.1(34.8) | 0.9 | 武豊 | 54 | ダイメイプリンセス | 482 |
9. 8 | 阪神 | セントウルS | GII | 芝1200m(良) | 13 | 5 | 6 | 17.8 (7人) | 2着 | 1:07.2(34.0) | 0.5 | 和田竜二 | 54 | タワーオブロンドン | 482 |
9.29 | 中山 | スプリンターズS | GI | 芝1200m(良) | 16 | 8 | 16 | 26.5 (7人) | 16着 | 1:09.3(36.3) | 2.2 | 武豊 | 55 | タワーオブロンドン | 482 |
11. 4 | 浦和 | JBCスプリント | JpnI | ダ1400m(重) | 12 | 6 | 8 | 17.1 (5人) | 8着 | 1:27.8(41.2) | 2.9 | 武豊 | 56 | ブルドッグボス | 480 |
11.24 | 京都 | 京阪杯 | GIII | 芝1200m(良) | 18 | 8 | 17 | 30.4 (9人) | 競走中止 | 浜中俊 | 56 | ライトオンキュー | 492 |
血統表
編集ファンタジストの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系 |
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父 ロードカナロア 2008 鹿毛 |
父の父 キングカメハメハ2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
父の母 レディブラッサム1996 鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird | ||
Terlingua | ||||
*サラトガデュー | Cormorant | |||
Super Luna | ||||
母 ディープインアスク 2008 鹿毛 |
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
*ウインドインハーヘア | Alzao | |||
Burghclere | ||||
母の母 マーズプリンセス1997 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | ||
Razyana | ||||
*ディアーミミ | Roberto | |||
Carnival Princess | ||||
母系(F-No.) | (FN:16-g) | [§ 2] | ||
5代内の近親交配 | His Majesty5×5=6.25%、Northern Dancer5×5=6.25%、Hail to Reason5・5(母内)=6.25% | [§ 3] | ||
出典 |
- 母ディープインアスクも本馬と同じ廣崎利洋の所有馬で、現役時代に中央で10戦して未勝利[15]。1歳下の全妹に2022年の北九州記念を勝ったボンボヤージ[16]、5歳下の全弟に2023年の小倉2歳ステークスを勝ったアスクワンタイムがいる[17]。
- 祖母の半姉Fleet Ladyの仔にミッドシップマン(2008年デルマーフューチュリティS・BCジュヴェナイル)、孫にFrosted[18](14馬身差で勝利した2016年メトロポリタンHを始めGI3勝)。
- 3代母の半兄に、1988年のフォレ賞を制し種牡馬としてもClassic Cliche[19](1995年英セントレジャー・1996年ゴールドC)やティンボロア[20](2000年伊共和国大統領賞・2001年ターフクラシック招待S)等を輩出したSalse[21]がいる。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c ファンタジスト JBISサーチ
- ^ “ファンタジスト号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2019年11月27日). 2019年11月28日閲覧。
- ^ 競走馬登録馬名簿・馬名意味. JRA. 2018年9月9日閲覧
- ^ 【小倉2歳S】ファンタジストがデビュー2連勝で重賞V! 武豊騎手は連覇/JRAレース結果. netkeiba.com(2018年9月2日付). 2018年9月8日閲覧
- ^ 抽出[サイア 通算 重賞勝利レース.netkeiba.com. 2018年9月8日閲覧
- ^ 【京王杯2歳S】ファンタジスト&武豊が好位差し切りで3連勝!重賞2勝目. 競馬ラボ(2018年11月3日付). 2018年11月4日閲覧
- ^ 【朝日杯FS】ファンタジスト4着 武豊GI完全V王手かけれず「内枠欲しかった」. サンケイスポーツ(2018年12月16日付). 2018年12月19日閲覧
- ^ “【皐月賞】武豊ファンタジスト伸び欠き13着「終わってみれば距離かもしれません」”. サンケイスポーツ (2019年4月14日). 2019年6月27日閲覧。
- ^ “【NHKマイルC】ファンタジスト伸び欠き13着 武豊「皐月賞がピークだった…」”. サンケイスポーツ (2019年5月5日). 2019年6月27日閲覧。
- ^ 【セントウルS】ファンタジスト“休暇”終えて激変!? スポーツニッポン、2019年9月4日、2019年9月13日閲覧
- ^ “【スプリンターズS】武豊騎乗のファンタジストは16着「一か八かのレースをしたが…」”. サンケイスポーツ (2019年9月29日). 2019年9月29日閲覧。
- ^ “開催競馬場・今日の出来事(11月24日(日曜))”. 日本中央競馬界 (2019年11月24日). 2019年11月24日閲覧。
- ^ “ファンタジスト”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年9月8日閲覧。
- ^ a b c “5代血統表|血統情報|ファンタジスト”. JBISサーチ. 2024年1月30日閲覧。
- ^ ディープインアスク | 競走馬データ. netkeiba.com. 2018年9月8日閲覧
- ^ “【北九州記念】ボンボヤージが兄に向けた〝単勝万馬券〟の弔い星 7年ぶりJRA重賞制覇の地元・川須「最大限に枠を生かし切ろうと」”. 東スポ競馬 (2022年8月21日). 2022年8月21日閲覧。
- ^ “アスクワンタイム”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月3日閲覧。
- ^ “Frosted(USA)”. JBISサーチ. 2019年3月21日閲覧。
- ^ “Classic Cliche(IRE)”. JBISサーチ. 2019年3月21日閲覧。
- ^ “Timboroa(GB)”. JBISサーチ. 2019年3月21日閲覧。
- ^ “Salse(USA)”. JBISサーチ. 2019年3月21日閲覧。