ピクラムニア科 (ピクラムニアか、Picramniaceae) は、被子植物に分類されるの1つ。主に新熱帯区に分布し、アルヴァラドア属ノトタリシア属[1]ピクラムニア属の3で構成される。

ピクラムニア科
アルヴァラドア・アモルフォイデス
(Alvaradoa amorphoides)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ類 malvids
: ピクラムニア目 Picramniales
: ピクラムニア科 Picramniaceae
学名
(目)Picramniales
Doweld
(科)Picramniaceae
Fernando & Quinn

本文参照

ピクラムニア科に含まれる植物は、形態学からニガキ科に含められていたが、1995年に独立した科として名前が付けられた。2009年に改訂された APG III では、ピクラムニア科のみを含む上位分類群として「ピクラムニア目 (Picramniales) 」が新設された[2]。なお、本記事は「ピクラムニア目」に関する情報も併せて解説する。

概要

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本科を構成するは全て雌雄異株で、多くは低木である。 樹皮は苦いものが多い。葉は羽状複葉互生につき、托葉は無い。

は放射相称の小さな単性花で、総状花序または円錐花序につく。萼片は基部が癒合し萼筒になり、裂片は3-5枚で萼筒より長い。花弁は3-5枚まれに0または6枚。雄花は通常は3-5本まれに6本のよく発達した雄蕊をつける。雌花には1つの子房があり、1-4心皮性。花柱は短く、時に仮雄蘂がある。

ピクラムニアとノトタリシアは液果、アルヴァラドアは翼果をつける.[3][4]。時に幹生果で直接幹や枝に実をつける。

ピクラムニア属は熱帯雨林中にまばらにしか存在せず、花も小さいが、雌雄異株であるため他家受粉に頼っている。P. magnifolia は幹に空洞を持ち、アリと共生している。アルヴァラドアはより乾燥した環境に多く、主に風媒によって受粉を行なっていると考えられている。

典型的なピクラムニア科の特性として、タリリン酸が主要な脂肪酸になっていることが挙げられる[5][6]

主な属

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本科の3つの属には約50種が存在する[7][8]。最大の属であるピクラムニア属は41種から成る。ノトタリシア属は2011年に新たに記載された[9]。ピクラムニア属とノトタリシア属は熱帯雨林に特徴的に見られる。アルヴァラドア属は乾燥した地域に見られる。

分類体系の変遷

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ピクラムニア目はバラ類のアオイ群に属し、下位分類群はピクラムニア科のみである[10]

ピクラムニア科に属する種はかつてムクロジ目ニガキ科に含まれるものであるとされていた。1995年に独立したピクラムニア科として記載され、2001年にはピクラムニア目が命名されたが、2003年のAPG IIではピクラムニア科は認められたもののピクラムニア目の採用は見送られた。2009年の APG III 以降は、ピクラムニア目が採用されている[2]

系統

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アオイ群

アオイ群

フウロソウ目 Geraniales

フトモモ目 Myrtales

クロッソソマ目 Crossosomatales

ピクラムニア目 Picramniales 

ムクロジ目 Sapindales

フエルテア目 Huerteales

アブラナ目 Brassicales

アオイ目 Malvales

利用

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ピクラムニア属には樹皮・根・葉などが大変苦いものがあり、消化器系の不調や性感染症、マラリアの治療に用いられる。Picramnia latifolia の果実は食用となる。Alvaradoa amorphoides は材木や薪炭材として用いられる。Alvaradoa の中には、煎じ薬が消化器系の不調、リウマチ、皮膚病や尿路結石の治療に用いられるものもある[4]

画像

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脚注

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  1. ^ Thomas WW (2011). Nothotalisia, a new genus of Picramniaceae from tropical America. Brittonia 63:51–61
  2. ^ a b Angiosperm Phylogeny Group (2009). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III” (PDF). Botanical Journal of the Linnean Society 161 (2): 105–121. doi:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x. http://www3.interscience.wiley.com/journal/122630309/abstract 2013年7月6日閲覧。. 
  3. ^ Watson L. Dallwitz M.J.. “The Families of Flowering Plants: Picramniaceae”. 2012年6月18日閲覧。
  4. ^ a b Smith Nantan et al (2003). Flowering Plants of the Neotropics. Princeton University Press. ISBN 0691116946 
  5. ^ R. Hansel, 22. Lipide in: R. Hansel, O. Sticher (Hrsg.) Pharmakognosie Phytopharmazie 9. Auflage (2010) 673–674 Springer, Heidelberg ISBN 978-3-642-00962-4 (Google Books)
  6. ^ T. Stuhlfauth, H. Fock, H. Huber, K. Klug: The distribution of fatty acids including petroselinic and tariric acids in the fruit and seed oils of the Pittosporaceae, Araliaceae, Umbelliferae, Simarubaceae and Rutaceae. In: Biochemical Systematics and Ecology. 13, 1985, S. 447–453, doi:10.1016/0305-1978(85)90091-2.
  7. ^ Stevens P.F.. “Angiosperm Phylogeny Website”. 2012年6月18日閲覧。
  8. ^ Christenhusz, M. J. M.; Byng, J. W. (2016). “The number of known plants species in the world and its annual increase”. Phytotaxa (Magnolia Press) 261 (3): 201–217. doi:10.11646/phytotaxa.261.3.1. http://biotaxa.org/Phytotaxa/article/download/phytotaxa.261.3.1/20598. 
  9. ^ The International Plant Names Index. http://www.ipni.org/m 2012年6月18日閲覧。 
  10. ^ Angiosperm Phylogeny Group: An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III. In: Botanical Journal of the Linnean Society. Bd. 161, Nr. 2, 2009, ISSN 0024-4074, S. 105–121, doi:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x.

参考文献

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  • Edwino S. Fernando, Christopher J. Quinn: Picramniaceae, a New Family, and a Recircumscription of Simaroubaceae. In: Taxon. Bd. 44, Nr. 2, May 1995, ISSN 0040-0262, S. 177–181, Abstract.

ソース

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外部リンク

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