パ (バレエ)
バレエにおけるステップ、または踊りの種類
パ(仏:Pas)は、「ステップ」や「歩み」などを意味する単語である[1][2]。ここから派生して、バレエにおいてはバレエのステップやバレエにおける動きの総称、もしくは踊りの種類という意味でも使われる[1][2][3]。この単語に続けて記される言葉及びフレーズによって、前者の意味(バレエ技法におけるステップや動き)、または後者の意味(踊りの種類を表す言葉)のより多様な意味合いを表現する[1][2]。
前者の例としては、パ・ド・ブーレ(pas de bourrée、足を床から離さず素早く細かなステップで移動する一連の動き)[4]、パ・ド・バスク(pas de basque、バスク地方のステップという意味で伸ばした片脚を前から横に動かし、伸ばした脚の前にもう一方の脚を引き寄せて体の向いた方向を変える動き)、パ・ド・シャ(pas de chat、猫のステップを意味し、片方の足で踏みきって前後左右いずれかに跳躍しもう片方の足で着地する)などがある[5][6][7]。
後者の例では、パ・ダクシオン(Pas d'action、情景や筋の運びを表す一連の踊りでアントレ(入場の踊り)、アダージョ、ヴァリアシオン、コーダなどの要素を含み、ソリストやコール・ド・バレエの踊りもある)、パ・ド・ドゥ(Pas De Deux、2人のための踊り)などがある[2][5][8][9]。
脚注
編集- ^ a b c 『オックスフォード バレエダンス辞典』368頁。
- ^ a b c d バレエ用語辞典 公益社団法人日本バレエ協会ウェブサイト、2013年7月13日閲覧。
- ^ 『バレエ用語集』10頁。
- ^ bourréeは「詰め物をする」という意味の単語で、日本ではパ・ド・ブレとも表記される。
- ^ a b 『オックスフォード バレエダンス辞典』387頁。
- ^ 『バレエ用語集』46-48頁。
- ^ 『バレエ用語集』74-75頁。
- ^ 『オックスフォード バレエダンス辞典』383頁。
- ^ 3人で踊る場合は「パ・ド・トロワ」Pas De trios、4人ならば「パ・ド・カトル」Pas De Quatreとなる。
参考文献
編集- Croisé編、小山久美監修 『バレエ用語集』 新書館、2009年。ISBN 978-4-403-33026-1
- デブラ・クレイン、ジュディス・マックレル 『オックスフォード バレエダンス事典』 鈴木晶監訳、赤尾雄人・海野敏・長野由紀訳、平凡社、2010年。ISBN 978-4-582-12522-1