パーターラ (pātāla) とは、インド神話プラーナ世界における7つの下界(地底の世界[1])の総称またはその一部の名称のことである[2]

パーターラ

7つの下界は文献によって異なる。『ヴィシュヌ・プラーナ英語版』では第1層アタラ、第2層ヴィタラ、第3層ニタラ、第4層ガバスティマット、第5層マハータラ、第6層スタラ、第7層パーターラとされる。『パドマ・プラーナ英語版』では第1層アタラ、第2層ヴィタラ、第3層スタラ、第4層ガバスティマット、第5層マハータラ、第6層ラターサラ、第7層パーターラとされる[2]

『パドマ・プラーナ』では、第1層はマハーマーヤが支配し、第2層はハータケーシュヴァラ(シヴァ神の化身)が支配し、第3層はアスラマハーバリが支配し、第4層はマーヤが支配し、第5層は蛇が支配し、第6層はダイティヤダーナヴァが支配し、第7層はナーガの王ヴァースキが支配しているという[2]。第7層はこのために別名「ナーガローカ」(ナーガが住む場所)とも言う[要出典]

パーターラは三界に属さない冥界ではあるが「地獄」ではない。第3層スタラはマハーバリがヴィシュヌにより与えられた領地であるが、『バーガヴァタ・プラーナ英語版』においては苦しみや病気、困難などが決して訪れることのない楽園として紹介されている。また、インドラの従者であるマータリは自分の娘に嫁ぐ最高の婿を探す為にパーターラを訪れており、神々でも満足できなかったマータリはそこでナーガのスムカを見いだした[要出典]

脚注

編集
  1. ^ 世界大百科事典内のパーターラの言及”. コトバンク. 2014年5月3日閲覧。
  2. ^ a b c インド神話伝説辞典』, p. 255.(パーターラ)

参考文献

編集
  • 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1  ※特に注記がなければページ番号は本文以降

関連項目

編集