パナール・ディナXPanhard Dyna X )はフランスの自動車メーカーであったパナールが1946年から1954年まで生産した小型大衆車である。

パナール・ディナX
パナール・ディナX
パナール・ディナX リア
パナール・ディナX ユーティリテール
概要
製造国 フランスの旗 フランス
販売期間 1946年 - 1954年
デザイン Jean Albert Grégoire
ボディ
ボディタイプ 4ドアベルライン
3ドアエステート
2ドアカブリオレ
ライトバン
エンジン位置 フロントエンジン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 600-850cc 空冷水平対向エンジン
最高出力 24PS (23hp; 17.5kW)
最大トルク 39.2Nm (29lb-ft)
変速機 4速MT
車両寸法
ホイールベース 2,130mm (83.9インチ)
全長 3,820mm (150.3インチ)
全幅 1,440mm (57.0インチ)
全高 1,530mm (60.2インチ)
車両重量 550kg - 615kg
系譜
後継 パナール・ディナZ
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かつてはフランスを代表する4大自動車メーカーとして保守的な大型車を生産していたパナールは、第二次世界大戦後の社会の変化に対応すべく、小型大衆車生産に転進した。その第一作がディナXである。

ルノーシトロエンのような大メーカーの大衆車よりはワンクラス上を狙った、極めて個性的な設計の乗用車で、前輪駆動(FWD)乗用車設計のパイオニアとして知られるジャン=アルベール・グレゴワールJean-Albert Grégoire )の設計になる、アルミ系軽合金ALPAX製のプラットフォーム型セミモノコックに、後に高級車ファセル・ヴェガを生産するファセル・メタロン製造のアルミボディを組み合わせ、600-850ccの空冷水平対向エンジンを搭載。

ディナXのエンジンやシャシーDBなどのスポーツカー・レーシングカーのベースとなった。

日本へは1950年代前半に輸入され、主な納入先は自動車メーカーの研究用であったが、一部はタクシーにも用いられ、当時の過酷な道路事情でたちまちトラブルが多発し、交換部品の入手難から使用不能に追い込まれたと言われる。