バディ・デフランコBuddy DeFranco1923年2月17日 - 2014年12月24日)は、アメリカニュージャージー州カムデン出身のジャズクラリネットバスクラリネット奏者。

バディ・デフランコ
Buddy DeFranco
バディ・デフランコ(1947年)
基本情報
出生名 Boniface Ferdinand Leonard DeFranco
生誕 (1923-02-17) 1923年2月17日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニュージャージー州カムデン
死没 (2014-12-24) 2014年12月24日(91歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 フロリダ州パナマシティ
ジャンル ジャズビバップ
職業 ミュージシャン
担当楽器 クラリネットバスクラリネット
活動期間 1940年代 - 2014年
レーベル Norgran、ヴァーヴマーキュリー
共同作業者 グレン・ミラー・オーケストラ
公式サイト www.buddydefranco.com
バディ・デフランコ

略歴

編集

ニュージャージー州カムデンで生まれたデフランコは、サウス・フィラデルフィアで育った。9歳までにクラリネットを演奏し、それから5年のうちに全国規模のトミー・ドーシー[1]・スウィング・コンテストで優勝した[2]

アーティ・ショウベニー・グッドマンなどのクラリネット奏者が率いるスウィング・ミュージックやビッグバンドが衰退したのと同じ頃に、彼はプロとしてのキャリアをスタートさせた。ほとんどのジャズ・クラリネット奏者はこの変化に適応しなかったが、デフランコはクラリネットを独占的に演奏し続け、数少ないビバップ・クラリネット奏者の一人となった[3]

1950年、デフランコはカウント・ベイシーのセプテットで1年間を過ごした。その後、1950年代初頭に、ピアニストのソニー・クラークやギタリストのタル・ファーロウを含む、小さなコンボを指揮した。この期間、デフランコはMGM、Norgran、ヴァーヴでレコーディングを行った。後者の2つのレーベルは、ノーマン・グランツが所有していた。

1960年から1964年の間に、デフランコはアコーディオン奏者のトミー・グミナと共同リーダーとして4枚の革新的なカルテット・アルバムをリリースしている[4]

1966年から1974年までグレン・ミラー・オーケストラのバンドリーダーを務め、「世界的に有名なグレン・ミラー・オーケストラ・バディ・デフランコ監督」という名称で活動するようになった。彼はまた、ジーン・クルーパアート・ブレイキートミー・ドーシー、カウント・ベイシー、チャーリー・バーネットアート・テイタムオスカー・ピーターソンレニー・トリスターノ、ドド・マーマローザ、テリー・ギブス、チャーリー・パーカーディジー・ガレスピーマイルス・デイヴィスエディ・ダニエルズ、プッテ・ウィックマン、ビリー・ホリデイなど多数と共演し、リーダーとして数十枚のアルバムをリリースした。

2014年12月24日、フロリダ州パナマシティの病院で死去[5][6]。91歳没。

受賞歴

編集

デフランコは、『ダウン・ビート』誌から20個の賞、『メトロノーム』誌から9つの賞、そして16個のプレイボーイ・オール・スターズ賞を受賞した[1]

ディスコグラフィ

編集

リーダー・アルバム

編集
  • 『オダリスク』 - The Progressive Mr. DeFranco (1954年、Norgran)
  • 『プリティ・ムーズ』 - Pretty Moods (1954年、Norgran)
  • 『枯葉』 - The Artistry of Buddy DeFranco (1954年、Norgran)
  • 『プレイ・ガーシュウィン』 - Buddy DeFranco and Oscar Peterson Play George Gershwin (1954年、Norgran) ※with オスカー・ピーターソン
  • The Buddy DeFranco Wailers (1956年、Norgran)
  • 『風と共に去りぬ』 - Buddy DeFranco (1956年、MGM)
  • 『スウィート・アンド・ラヴリー』 - Sweet and Lovely (1956年、Verve)
  • 『イン・ア・メロウ・ムード』 - In a Mellow Mood (1956年、Norgran)
  • 『ミスター・クラリネット』 - Mr. Clarinet (1956年、Norgran)
  • 『ジャズ・トーンズ』 - Jazz Tones (1956年、Norgran)
  • 『ホーリー・キャッツ』 - Wholly Cats (1957年、Verve)
  • 『プレイズ・ベニー・グッドマン』 - Buddy DeFranco Plays Benny Goodman (1957年、Verve)
  • 『マリガン=ベイカー=デフランコ』 - Chet Baker Gerry Mulligan Buddy DeFranco (1957年、GNP) ※with チェット・ベイカージェリー・マリガン
  • 『アート・テイタム〜バディ・デフランコ・クヮルテット』 - The Art Tatum Buddy DeFranco Quartet (1958年、Verve)
  • Cross Country Suite (1958年、Dot)
  • Generalissimo (1958年、Verve)
  • 『バディ・デフランコ&オスカー・ピーターソン・カルテット』 - Buddy DeFranco and the Oscar Peterson Quartet (1958年、Verve)
  • 『ライヴ・デイト』 - Live Date! (1958年、Verve)
  • 『プレイズ・アーティ・ショウ』 - Buddy DeFranco Plays Artie Shaw (1958年、Verve)
  • 『クッキング・ザ・ブルース』 - Cooking the Blues (1958年、Verve)
  • Bravura (1959年、Verve)
  • Pacific Standard Swingin'! Time (1960年、Decca) ※with トミー・グミナ
  • Presenting (1961年、Mercury) ※with トミー・グミナ
  • Kaleidoscope (1962年、Mercury) ※with トミー・グミナ
  • Pol.Y.Tones (1963年、Mercury) ※with トミー・グミナ
  • The Girl from Ipanema (1964年、Mercury) ※with トミー・グミナ
  • 『ブルース・バッグ』 - Blues Bag (1965年、Vee Jay)
  • Crosscurrents (1972年、Capitol) ※with レニー・トリスターノ
  • 『フリー・セイル』 - Free Sail (1974年、Choice)
  • Black Magic (1975年、Shamrock) ※with ヘレン・フォレスト
  • Love Affair with a Clarinet Vol. 2 (1976年、Famous Solos)
  • Sessions, Live (1976年、Callipe)
  • 『ボリンキン』 - Borinquin (1976年、Sonet)
  • 『ザ・グレイト・エンカウンター』 - The Great Encounter (1977年、Progressive) ※with タル・ファーロウ
  • 『ウォーターベッド』 - Waterbed (1978年、Choice)
  • Buddy DeFranco with Jim Gillis (1978年、Classic Jazz)
  • 『クローズド・セッション』 - Closed Session (1979年、Verve)
  • Buddy DeFranco (1980年、Famous Solos)
  • 『ライク・サムワン・イン・ラヴ』 - Like Someone in Love (1980年、Progressive)
  • Jazz Party: First Time Together (1981年、Palo Alto) ※with テリー・ギブス
  • 『クール&クワイアット』 - Cool & Quiet (1982年、Capitol) ※with レニー・トリスターノ
  • Eastern Exposure (1982年、Silver Crest)
  • Buddy DeFranco Presents John Denman (1983年、Lud)
  • Now's the Time (1984年、Tall Tree) ※with テリー・ギブス
  • 『ミスター・ラッキー』 - Mr. Lucky (1984年、Pablo)
  • 『ハーク』 - Hark (1985年、Pablo) ※with オスカー・ピーターソン
  • Groovin (1985年、Hep)
  • 『ライヴ・イン・シカゴ』 - Chicago Fire (1987年、Contemporary) ※with テリー・ギブス
  • Garden of Dreams (1988年、ProJazz) ※with マーティン・テイラー
  • Kings of Swing (1992年、Contemporary) ※with テリー・ギブス、ハーブ・エリス
  • Five Notes of Blues (1992年、Musidisc)
  • 『チップ・オフ・ザ・オールド・バップ』 - Chip Off The Old Bop (1992年、Concord Jazz)
  • 『モダン・クラリネッツ』 - Modern Clarinets: Museum of Modern Jazz (1993年、Verve) ※with ハンク・ダミコ
  • The Buenos Aires Concerts (1995年、Hep)
  • Free Fall (1996年、Candid)
  • You Must Believe in Swing (1997年、Concord Jazz) ※with デイヴ・マッケンナ
  • Do Nothing Till You Hear from Us! (1999年、Concord Jazz) ※with デイヴ・マッケンナ
  • The Champs (1999年、Gazell) ※with プッテ・ウィックマン
  • Terry Gibbs and Buddy DeFranco Play Steve Allen (1999年、Contemporary)
  • 『風と共に去りぬ』 - Gone with the Wind (1999年、Storyville)
  • A Tribute to Benny Goodman (2001年、Contemporary)
  • The Three Sopranos (2001年、hr-musik.de)
  • Cookin' the Books (2003年、Arbos)

参加アルバム

編集

トミー・ドーシー

  • Yes Indeed! (1956年、RCA Victor)
  • Tribute to Dorsey, Vol. 2 (1957年、RCA Victor)
  • Tommy Dorsey's Greatest Band (1959年、20th Fox)

ライオネル・ハンプトン

  • 『ライオネル・ハンプトン・クインテット・フィーチュアリング・バディ・デフランコ』 - The Lionel Hampton Quintet (1954年、Clef)
  • Album #2 (1955年、Clef)
  • Lionel Hampton and His All Stars (1957年、Columbia)

その他

脚注

編集
  1. ^ a b “Buddy DeFranco To Play At LVC”. Lebanon Daily News. (July 14, 1977). p. 22. https://www.newspapers.com/clip/2286663/defranco_at_lvc/ April 25, 2015閲覧。   
  2. ^ Heckman, Don (26 December 2014). “Buddy DeFranco dies at 91; first clarinetist to master bebop”. Los Angeles Times. http://www.latimes.com/local/obituaries/la-me-buddy-defranco-20141227-story.html 
  3. ^ Pankin, Ted (1999). “On Buddy DeFranco’s 89th Birthday, a 1999 Downbeat article, plus Interview”. Down Beat. ISSN 0012-5768. https://tedpanken.wordpress.com/2012/02/17/on-buddy-defrancos-89th-birthday-a-1999-downbeat-article-plus-interview/. 
  4. ^ Myers, Marc (24 May 2011). “Buddy DeFranco and Tommy Gumina”. JazzWax. 2021年5月23日閲覧。
  5. ^ Strum, Charles (26 December 2014). “Buddy DeFranco, 91, Versatile Jazz Clarinetist, Dies”. The New York Times: p. B7. https://www.nytimes.com/2014/12/27/arts/music/buddy-defranco-versatile-jazz-clarinetist-dies-at-91.html?_r=0 
  6. ^ B・デフランコ氏死去 米クラリネット奏者 産経ニュース 2014年12月27日

参考文献

編集
  • ジャズ批評編集部編 編『ジャズ管楽器 : バリトン・サックス/ソプラノ・サックス/クラリネット/フルート/トロンボーン他』松坂〈ジャズ批評ブックス〉、2002年、74-75頁。ISBN 4-915557-12-X 

外部リンク

編集