バスカヴィル家の犬 (1959年の映画)
『バスカヴィル家の犬』(原題: The Hound of the Baskervilles)は 1959年にイギリス・アメリカ合作のミステリー映画。製作はハマー・フィルム・プロダクション。アーサー・コナン・ドイル原作の、シャーロック・ホームズが活躍する同名小説の映画化。ホームズ役は怪奇ホラーの名優ピーター・カッシング。監督はテレンス・フィッシャー。
バスカヴィル家の犬 | |
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The Hound of the Baskervilles | |
監督 | テレンス・フィッシャー |
脚本 | ピーター・ブライアン |
原作 | アーサー・コナン・ドイル |
製作 | アンソニー・ハインズ |
製作総指揮 | マイケル・カレラス |
音楽 | ジェームズ・バーナード |
撮影 | ジャック・アッシャー |
編集 | アルフレッド・コックス |
制作会社 | ハマー・フィルム・プロダクション |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 |
1959年5月4日 劇場未公開 |
上映時間 | 87分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
日本では劇場未公開でビデオソフトが発売されている。
ストーリー
編集私立探偵シャーロック・ホームズとジョン・ワトソン医師は、ダートムーアの名門バスカヴィル家の主治医であるモーティマー医師から、先代当主の変死に伴い新たに当主となるヘンリー・バスカヴィル卿の警護を依頼される。ホームズはロンドンのホテルでヘンリー卿と面会したが、その最中に毒グモが卿を襲った。卿が何者かに狙われている事は明らかになったが、ホームズは他の仕事がありロンドンを離れられず、代わってワトソン医師がダートムーアに同行する事となった。
キャスト
編集- シャーロック・ホームズ:ピーター・カッシング
- ジョン・ワトソン:アンドレ・モレル
- ヘンリー・バスカヴィル卿:クリストファー・リー
- セシル:マーラ・ランディ
- モーティマー医師:フランシス・デ・ウルフ
製作
編集『フランケンシュタインの逆襲』(1957年)と『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)を連続ヒットさせ、ホラー映画メーカーとして知られたハマー・フィルムが、ホームズシリーズの長編『バスカヴィル家の犬』を米国のユナイテッド・アーティスツと共同で映画化した作品。ホームズ映画初のカラー作品でもある。
主要スタッフ・キャストは上記2作同様の顔触れが揃えられた。監督はテレンス・フィッシャー。ホームズにはフランケンシュタイン男爵役とヴァン・ヘルシング役で主演してきたピーター・カッシング。フランケンシュタイン・モンスター、ドラキュラ伯爵と怪物役を演じてきたクリストファー・リーは、警護を受ける依頼人側のヘンリー・バスカヴィル卿役で出演した。リーにとってハマー作品で初めての普通の人間役であった。
評価と影響
編集興行成績は上記2作ほどには伸びず、シリーズ化はされなかった。しかし、元々ホームズファンでもあったカッシングが、研究を重ねて演じたホームズはアメリカの『ニューズウィーク』誌が「最高のホームズ」と評するなど賞賛を受けた。カッシングはこの後1968年にBBCのテレビシリーズ、1984年に単発のテレビスペシャルでホームズを演じた。
備考
編集本作でヘンリー・バスカヴィルを演じたクリストファー・リーはこの後、ドイツ映画やイギリスのテレビドラマでホームズを演じた。またビリー・ワイルダー監督の『シャーロック・ホームズの冒険』(1970年)ではシャーロックの兄マイクロフト・ホームズを演じ、映画でホームズ兄弟両方を演じた唯一の俳優とされている。その後、リーは1991年と1992年にイギリスのテレビドラマでもシャーロックを演じた。