ハル』は、2013年6月8日松竹系で公開されたWIT STUDIO制作の日本の中編アニメーション映画作品[1]

ハル
監督 牧原亮太郎
脚本 木皿泉
製作 和田丈嗣
出演者 細谷佳正
日笠陽子
音楽 大島ミチル
主題歌 日笠陽子 「終わらない詩
撮影 田中宏侍
編集 肥田文
制作会社 WIT STUDIO
製作会社 『ハル』製作委員会
配給 松竹
公開 2013年6月8日
上映時間 60分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

概要

編集

“近未来の京都で生まれた、人とロボットの奇跡のラブストーリー”を掲げるオリジナルアニメ[2]。漫画家・咲坂伊緒がキャラクター原案を担当し、Production I.Gから独立したWIT STUDIOが手がける初の劇場用アニメとなる[1]。監督は今作が初監督作品となる牧原亮太郎[3]、脚本はアニメ初参加の木皿泉[4]、主題歌はメインキャストを演じる日笠陽子がソロアーティストとして初めて劇場アニメ主題歌を担当する[2]

また、公開に先駆けて『別冊マーガレット』(集英社)2013年4月号別冊付録『別マTWO』Vol.9から、綾瀬羽美作画による漫画版が連載開始[5]。公開直前の2013年5月31日には、木皿泉による小説『ハル』がマッグガーデンから発売された[4]

ストーリー

編集

前掲のように、”近未来の京都で生まれた、人とロボットの奇跡のラブストーリー”である。公式サイトでは、恋人であるハルと死別したくるみのもとへ、「ロボハル」(ハルによく似たロボット)ことキューイチ(Q01)が赴き、心の支えとなる旨のストーリーとされている。しかし、実際には、帰らぬ人となったのはくるみであり、恋人を失ったハルは心を閉ざし、自分をロボットと思い込む。ハルは「ロボハル」としてくるみのもとへ赴き、キューイチはくるみとしてハルを出迎える。

開幕

編集

ハルが飛行機事故で帰らぬ人となる。キューイチは「ロボハル」として、心を閉ざしたくるみのもとへ赴く。「ロボハル」は、くるみがルービックキューブに記載した願い事を頼りに、くるみの心の支えとなるよう奮闘する。

キューイチの開発者でありケアセンターのドクターである荒波は、人の心を解さない「ロボハル」を導き、「ロボハル」も京都の人々と触れ合うことで、人の心を取り戻していく。当初は「ロボハル」を拒絶していたくるみも、献身的な「ロボハル」に心を開いていく。

物語の転機

編集

「ロボハル」は、かつてのハルの友人であるリュウと出会う。ハルは奴隷同然の境遇からこの友人と脱出し、放浪していたときにくるみと出会った。くるみはハルの支えになると宣言する。ハルは高額な治療費が原因で一家離散した経緯から、お金さえあれば皆優しくしてくれると信じており、くるみの思いがつまった品物を売り飛ばしてしまった。それがもとでくるみと喧嘩別れしてしまう。

リュウはくるみを売り飛ばそうと「ロボハル」に持ちかけるが拒否される。リュウは仲間とともにくるみを拉致しようとする。「ロボハル」とともに逃げていたくるみは増水した用水路に転落してしまう。

真相

編集

くるみ(開幕ではハルとされる)が飛行機事故で帰らぬ人となる。喧嘩別れのまま恋人を失ったハルは心を閉ざし、自分をロボットであると思い込む。ハルに必要なのはくるみであると、荒波はくるみの祖父である時夫に告げる。くるみの遺体に付き添っていたキューイチは、ロボットとして派遣されたハル(いわゆるロボハル)をくるみとして出迎えるよう命ぜられる。

閉幕

編集

水路に落ちたくるみ(キューイチ)を見てハルは感情を高ぶらせ、リュウの制止を振り切り水路に飛び込む。くるみはハルに別れを告げ、リュウの激励もあってハルは立ち直る。

登場人物

編集
ハル / ロボハル
声 - 細谷佳正[6]
亡くなったハルの姿をしたロボット。ハルの代わりとして、ケアセンターから派遣される。
くるみ
声 - 日笠陽子[6]
恋人のハルを事故で失い、生きる力をなくしてしまう。
リュウ
声 - 宮野真守[7]
ハルの旧友。
荒波
声 - 辻親八[7]
ケアセンターのドクター。
時夫
声 - 大木民夫[7]
くるみの祖父。

スタッフ

編集

主題歌

編集
終わらない詩
作詞 - yamazo稲葉エミ / 作曲・編曲 - yamazo / 歌 - 日笠陽子

関連商品

編集

Blu-ray / DVD

編集

2013年12月18日発売。発売元は松竹ホームビデオ、販売元はポニーキャニオン。通常版はDVDのみ。

  • 初回限定豪華版
    • Blu-ray:PCXE-50326、DVD:PCBE-54406
    • ディスク1
      • 本編
      • 特典映像
        • 細谷佳正 / 日笠陽子 特別インタビュー
        • 完成披露試写会などイベント映像集
        • 制作工程(メイキング)
        • 細谷佳正プレアフレコ(声の出演)
        • 絵コンテ
        • 原画
        • 予告編
    • ディスク2
      • オリジナルサウンドトラックCD
    • 封入特典
      • 特製ブックレット
      • ポストカードセット
    • 咲坂伊緒描き下ろし特製スリーブ
  • 通常版
    • DVD:PCBE-54407
    • 本編ディスク

書籍

編集
コミカライズ
  • 綾瀬羽美 『ハル』 集英社マーガレットコミックス〉、全1巻
    • 2013年6月25日発売[8]、『別冊マーガレット』2013年4月号別冊付録『別マTWO』Vol.9 - 7月号『別マTWO』Vol.12、ISBN 978-4-08-845063-6
      • 番外編 春の日(描きおろし)
ノベライズ
ファンブック

脚注

編集
  1. ^ a b ハル”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2013年6月8日). 2013年5月14日閲覧。
  2. ^ a b 6月8日公開 中編アニメ映画「ハル」 メインキャストは細谷佳正、日笠陽子”. アニメ!アニメ!. 株式会社イード (2013年2月8日). 2013年5月14日閲覧。
  3. ^ ハル”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ. 2013年5月14日閲覧。
  4. ^ a b 映画「ハル」をノベライズ 脚本の木皿泉さん執筆、映画直前の5月31日発売”. アニメ!アニメ!. 株式会社イード (2013年4月20日). 2013年5月14日閲覧。
  5. ^ 劇場アニメ「ハル」コミカライズ連載が別マTWOで始動”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2013年3月13日). 2013年5月14日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『オトナアニメ Vol.30』洋泉社、2013年7月15日発行、84-85頁、ISBN 978-4-8003-0175-8
  7. ^ a b c 咲坂伊緒キャラ原案の劇場アニメ「ハル」に宮野真守が出演”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2013年4月5日). 2013年5月14日閲覧。
  8. ^ 【6月25日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2013年6月25日). 2020年7月24日閲覧。

外部リンク

編集