ニール・ウォーカー (野球)

アメリカの野球選手 (1985-)

ニール・マーティン・アンドリュー・ウォーカーNeil Martin Andrew Walker, 1985年9月10日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の元プロ野球選手内野手)。右投両打。愛称はウォーキー[1]

ニール・ウォーカー
Neil Walker
フィラデルフィア・フィリーズでの現役時代
(2020年7月15日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ペンシルベニア州ピッツバーグ
生年月日 (1985-09-10) 1985年9月10日(39歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
214 lb =約97.1 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 二塁手三塁手一塁手外野手
プロ入り 2004年 MLBドラフト1巡目
初出場 2009年9月1日
最終出場 2020年9月8日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

父親のトム・ウォーカー英語版1972年から1977年までメジャーリーグでプレーした投手であり、トムと同時期に投手としてプレーしていたチップ・ラング英語版は叔父にあたる。また、ドン・ケリー内野手)とは義兄弟である[2]

経歴

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プロ入りとパイレーツ時代

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ピッツバーグ・パイレーツでの現役時代
(2010年6月8日)

2004年MLBドラフト1巡目(全体11位)でピッツバーグ・パイレーツから指名され、195万ドルの契約金でプロ入り。当時のポジションは捕手だった[3]

2007年はAA級アルトゥーナ・カーブで開幕を迎えるとともに、捕手から三塁手に転向した。

2009年はAAA級インディアナポリス・インディアンスで95試合に出場し、打率.264、14本塁打、69打点の成績を残し、9月1日にメジャーに昇格した[4]。同日のシンシナティ・レッズ戦で、代打でメジャーデビュー。この年は17試合に出場し、打率.194、出塁率.275に留まった。9試合に守備に就き、残りは代打出場だった。

2010年はAAA級インディアナポリスで43試合に出場し、打率.321、6本塁打、26打点を記録し、メジャー昇格した際に出場機会を得られるように、一塁手二塁手左翼手での経験を積んだ。5月25日に昇格すると、まず三塁手として起用されたが、二塁手の岩村明憲が不振に陥ると、代わって二塁を守るようになり、以後は二塁手にコンバートされた。110試合の出場で打率.296、12本塁打、66打点、出塁率.349記録した。新人選手としては堂々の成績を残したが、ナショナル・リーグ新人王投票では5位タイに終わった。

2011年5月20日のデトロイト・タイガース戦でPNCパークにて自己最高の1試合5打点を記録した。最終的にこのシーズンは自己最多の159試合に出場した。打率.273、12本塁打、83打点、出塁率.334を記録した。二塁手としての守備では、守備試合数(159)、刺殺数(333)、併殺打参加(108)でリーグ1位だったが、DRSは -3と平均を下回った。

2012年は129試合に出場し、打率.280、14本塁打、69打点、出塁率.342を記録した。

2013年は133試合に出場し、打率.251、16本塁打、53打点、出塁率.339を記録した。

2014年1月17日にパイレーツと575万ドルの単年契約に合意した[5]。9月14日、シカゴ・カブス戦の4回表にマット・シーザーの三塁ゴロの際に二塁手として三重殺に参加した。137試合に出場し、打率.271、キャリアハイとなる23本塁打、76打点、出塁率.342を受賞した、自身初となるシルバースラッガー賞二塁手部門で受賞した。

2015年5月9日、セントルイス・カージナルス戦の2回表、ヤディアー・モリーナの二塁ライナーの際に自身2度目の三重殺に参加した。なお、二塁手→三塁手→二塁手と渡った三重殺としては史上初の出来事であった[6]。151試合に出場し、打率.269、16本塁打、71打点、出塁率.328を記録した。

メッツ時代

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ニューヨーク・メッツでの現役時代
(2016年4月12日)

2015年12月9日にジョン・ニースとのトレードで、ニューヨーク・メッツへ移籍した[7]

2016年は113試合に出場して打率.282、23本塁打、55打点、出塁率.347を記録した。球団は1年1720万ドルのQOを提示し、11月14日にこれを受け入れた[8]

2017年はメッツで73試合に出場し、打率.264、10本塁打、36打点、出塁率.339を記録した。

ブルワーズ時代

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2017年8月12日に後日発表選手[注 1]とのトレードで、金銭と共にミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[10]。ブルワーズでは38試合に出場し、打率.267、4本塁打、13打点、出塁率.409を記録し、シーズン全体では111試合に出場で打率.265、14本塁打、49打点、出塁率.362を記録した。オフの11月2日にFAとなった[11]

ヤンキース時代

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2018年3月12日にニューヨーク・ヤンキースと400万ドルの単年契約を結んだ[12]。ヤンキースではマイナー以来となる外野手として出場し、ユーティリティ・インフィールダーではなくユーティリティープレイヤーとしての片鱗を見せた。113試合に出場して打率.219、11本塁打、46打点、出塁率309を記録した。オフの10月29日にFAとなった。

マーリンズ時代

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マイアミ・マーリンズでの現役時代
(2019年5月24日)

2019年1月29日にマイアミ・マーリンズと1年200万ドルの契約を結んだ[13]。115試合に出場し、打率.261、8本塁打、38打点、出塁率.344を記録し、10年続いていた二桁本塁打がこのシーズンで途切れたオフの10月31日にFAとなった[14]

フィリーズ時代

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2020年1月22日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び[15]、同日に傘下のAAA級リーハイバレー・アイアンピッグスへ配属された。7月23日にメジャー契約を結んで40人枠入りした。9月11日にDFAとなり[16]、13日にマイナー契約となったが、翌14日に自由契約となった[17]。このシーズンは僅か18試合の出場に留まり、打率.231、3打点、出塁率.244を記録した。

2021年4月20日に自身のTwitterにて現役引退を発表した[18]。ウォーカーは「正式に引退したよ。メジャーリーガーになるという子どもの頃からの夢を実現する為に私を助けてくれたみんなに感謝している。私は毎日愛し、大切にしたよ。ピッツバーグニューヨークのメッツ&ヤンキース、ミルウォーキーマイアミフィラデルフィアの全てのチーム、その街、そしてファンへの愛以外の何物でもない」とコメントした[18]

プレースタイル・人物

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打撃はパワーよりもコンタクト技術に長けており、二塁打の多い中距離ヒッターである。打率は例年2割7~8分を残すなどシーズンによって大きな波はない。一方で、フルシーズン出場すると100三振を超える場合もある。また四球は40個台がほとんどで打率に対して出塁率はあまり高くない[19]

守備面では、もともと捕手三塁手だったため、二塁手としては強肩である。レギュラー定着後7年で一度も二桁失策を記録しておらず、守備範囲も申し分なく堅守ではあるが、例年DRSはマイナス値を示している[19]

パイレーツの地元、ピッツバーグ出身ということもあって、パイレーツ時代はファンからの人気が高かった[20]

生まれ故郷の球団に所属する選手が少ないこともあり、2010年の時点で、ウォーカーはシーズン中に実家で親と同居しているたった2人のメジャーリーガーのうちの1人であった(もう1人は当時オークランド・アスレチックスタイソン・ロス[21]。しかし、2011年に母親の強い要望を受けて、遂に一人暮らしを始めた[20]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2009 PIT 17 40 36 5 7 1 0 0 8 0 1 0 0 0 4 0 0 11 1 .194 .275 .222 .497
2010 110 469 426 57 126 29 3 12 197 66 2 3 2 4 34 1 3 83 4 .296 .349 .462 .811
2011 159 662 596 76 163 36 4 12 243 83 9 6 0 8 54 5 4 112 15 .273 .334 .408 .742
2012 129 530 472 62 132 27 0 14 201 69 7 5 1 8 47 1 2 104 11 .280 .342 .426 .768
2013 133 551 478 62 120 24 4 16 200 53 1 2 5 3 50 4 15 85 14 .251 .339 .418 .757
2014 137 571 512 74 139 25 3 23 239 76 2 2 1 2 45 2 11 88 12 .271 .342 .467 .809
2015 151 603 543 69 146 32 3 16 232 71 4 1 0 8 44 5 8 110 9 .269 .328 .427 .756
2016 NYM 113 458 412 57 116 9 1 23 196 55 3 1 0 3 42 3 1 84 11 .282 .347 .476 .823
2017 73 299 265 40 70 13 2 10 117 36 0 1 1 2 27 1 4 47 4 .264 .339 .442 .780
MIL 38 149 120 19 32 8 0 4 52 13 0 1 0 0 28 1 1 30 5 .267 .409 .433 .843
'17計 111 448 385 59 102 21 2 14 169 49 0 2 1 2 55 2 5 77 9 .265 .362 .439 .801
2018 NYY 113 398 347 48 76 12 1 11 123 46 0 0 0 4 42 3 5 87 3 .219 .309 .354 .664
2019 MIA 115 381 337 37 88 19 1 8 133 38 3 0 0 1 42 1 1 77 8 .261 .344 .395 .738
2020 PHI 18 41 39 5 9 3 0 0 12 3 0 0 0 1 1 0 0 13 0 .231 .244 .308 .552
MLB:11年 1306 5152 4583 611 1224 238 22 149 1953 609 32 22 10 44 460 27 55 931 97 .267 .338 .426 .764

年度別守備成績

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内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B)




































2009 PIT - - 9 6 15 1 1 .955
2010 - 105 222 234 7 62 .985 6 4 10 1 0 .933
2011 - 159 333 442 6 108 .992 -
2012 - 125 234 361 9 76 .985 -
2013 - 132 256 397 7 88 .989 -
2014 - 135 251 374 5 87 .992 -
2015 - 146 236 418 7 103 .989 -
2016 NYM - 111 181 297 7 65 .986 -
2017 3 10 0 0 1 1.000 68 105 152 5 34 .981 2 1 2 0 0 1.000
MIL 14 67 6 1 6 .986 27 36 48 1 16 .988 2 2 3 0 0 1.000
'17計 17 77 6 1 7 .988 95 141 200 6 50 .983 4 3 5 0 0 1.000
2018 NYY 42 271 19 1 17 .997 32 36 65 2 13 .981 25 10 31 1 2 .976
2019 MIA 69 441 34 2 45 .996 1 0 0 0 0 ---- 26 16 21 1 2 .974
2020 PHI 3 19 1 0 3 1.000 9 5 8 0 1 1,000 2 1 4 0 0 1.000
MLB 131 808 60 4 72 .995 1050 1895 2796 56 653 .988 72 40 86 4 5 .969
外野守備


左翼(LF) 右翼(RF)
























2018 NYY 1 0 0 0 0 ---- 15 18 2 1 0 .952
2020 PHI 1 0 0 0 0 ---- -
MLB 2 0 0 0 0 ---- 15 18 2 1 0 .952
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別投手成績

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W
H
I
P
2020 PHI 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 3 0.2 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00 1.50
MLB:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 3 0.2 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00 1.50

表彰

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MLB

記録

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MiLB

背番号

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  • 19(2009年)
  • 18(2010年 - 2015年、2019年)
  • 20(2016年 - 2017年8月11日)
  • 15(2017年8月13日 - 同年終了)
  • 14(2018年)
  • 12(2020年)

脚注

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注釈

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  1. ^ 2017年9月12日にエリック・ハンホルドと発表されている[9]

出典

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  1. ^ Jonathan Hawthorne (2017年8月25日). “Explaining Crew Players Weekend nicknames” (英語). MLB.com. 2018年3月13日閲覧。
  2. ^ 「マイアミ・マーリンズ」『2015MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 75頁
  3. ^ 2004 Draft Results - Round #1. The Baseball Cube(英語). 2011年11月21日閲覧
  4. ^ MLB公式プロフィール参照。2020年9月14日閲覧。
  5. ^ Tom Singer (2014年1月17日). “Cases closed: Bucs finalize all arbitration-eligible deals” (英語). MLB.com. 2018年3月13日閲覧。
  6. ^ Tom Singer (2015年5月9日). “Bucs stun Cards with first 4-5-4 triple play” (英語). MLB.com. 2018年3月12日閲覧。
  7. ^ Anthony DiComo (2015年12月9日). “Mets acquire 2B Walker from Bucs” (英語). MLB.com. 2018年3月12日閲覧。
  8. ^ Hellickson, Walker accept offers; 8 decline” (英語). MLB.com (2016年11月14日). 2018年3月13日閲覧。
  9. ^ Adam McCalvy (2017年9月12日). “Brewers send pitcher to Mets to finish Walker deal” (英語). MLB.com. 2018年3月13日閲覧。
  10. ^ Anthony DiComo (2017年8月13日). “Mets deal Walker to Brewers” (英語). MLB.com. 2018年3月13日閲覧。
  11. ^ David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. 2017年12月27日閲覧。
  12. ^ Bryan Hoch (2018年3月12日). “Yankees sign infielder Walker to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2018年3月13日閲覧。
  13. ^ Joe Frisaro (2019年1月30日). “Marlins sign Neil Walker to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2019年2月9日閲覧。
  14. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  15. ^ Walker head list of Phillies' NRIs” (英語). MLB.com (2020年1月22日). 2020年1月23日閲覧。
  16. ^ Steve Adams (2020年9月11日). “Phillies Designate Neil Walker, Select Ronald Torreyes” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月12日閲覧。
  17. ^ Neil Walker Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月15日閲覧。
  18. ^ a b Neil Walker retires after 12 pro seasons” (英語). MLB.com. 2021年4月21日閲覧。
  19. ^ a b Neil Walker Statistics and History” (英語). The Baseball Reference.com. 2016年9月5日閲覧。
  20. ^ a b Tim Povtak (2011年2月16日). “Pirates' Walker making himself right at home” (英語). Pittsburgh Post-Gazette. PG Publishing Co., Inc.. 2015年12月10日閲覧。
  21. ^ Stu Woo (2010年7月6日). “Home Games: Big League Players Who Still Live With Mother” (英語). Wall Street Journal. 2015年12月10日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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