ニュー・クリティシズム
ニュー・クリティシズム(New Criticism)は、20世紀の英米で行われた文学批評の方法。作品を社会的、歴史的文脈から切り離し、また作者の伝記的事実と結びつけることをせず、純粋に作品そのものに即して論じようとした。
経緯
編集1920年代から、英国のT・E・ヒューム、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、ウィリアム・エンプソン、I・A・リチャーズらが、米国ではアレン・テイト、ジョン・クロウ・ランサム、クリアンス・ブルックスらが提唱し、米国ではアレン・テイトらの『Fugitives』(逃亡者)『ケニヨン・レビュー』などの機関誌が刊行された。日本では「新批評」とされることもある。
当初は形而上派詩を対象とし、イメジャリー(作品によってイメージが喚起される作用)や象徴を論じていたが、1940年代から小説作品にも適用されるようになった。1950年代に本流は廃れたが[1]、作者と作品を切り離す、伝記批評への批判などの点で、ロラン・バルトの「作者の死」やテクスト論に影響を与えている。