ニューヨーク市の観光
ニューヨーク市の観光(ニューヨークし の かんこう)では、ニューヨーク市の観光について解説する。ニューヨーク市には、国内外から毎年約4700万人の観光客が訪れる[1]。
ニューヨーク市の観光の主な目的は、エンパイア・ステート・ビルディング、エリス島、ブロードウェイ・シアター・プロダクションズ、メトロポリタン美術館などのミュージアム、セントラル・パーク、ワシントン・スクエア・パーク、ロックフェラーセンター、タイムズスクエア、ブロンクス動物園、サウス・ストリート港、ニューヨーク植物園、5番街やマディソン・アベニューでのショッピング、トライベッカ映画祭などのイベント、セントラルパーク内にあるサマーステージやデラコート・シアターでのフリー・パフォーマンスなど。自由の女神像は、アメリカ国内でも主要な観光スポットの1つだ。ジャクソン・ハイツやフラッシング、ブライトン・ビーチなどは、ショッピングスポットとなっている[2]。
ニューヨーク市には、28,000エーカー(110k㎡)以上の公園や、14マイル(22㎞)以上の公共ビーチが存在する[3][4]。フレデリック・ロー・オルムステッドとカルヴァート・ヴォークスにより設計されたセントラルパークは、アメリカで最も訪問者の多い都市公園である[5]。また、同じオルムステッドとヴォークスによって設計されたブルックリンのプロスペクト・パークには、90エーカー(36ヘクタール)の牧草地が広がる[6]。クイーンズのフラッシング・メドウズ=コロナ・パークは、市内で3番目に大きな公園で、1939年、及び1964年の万国博覧会の会場だった。
街頭市や、グリニッジ・ヴィレッジのハロウィーン・パレード、ニューヨーク・マラソンなどの路上イベントにも、観光客の注目を集めている。
産業
編集NYC & カンパニーによれば、2005年のニューヨーク市への外国人観光客が多い国は、イギリス(116万9千人)、カナダ(81万5千人)、ドイツ(40万1千人)、日本(29万9千人)、イタリア(29万2千人)、フランス(26万8千人)、アイルランド(25万3千人)、オーストラリア(23万5千人)、スペイン(20万5千人)、ギリシャ(14万8千人)、オランダ(14万7千人)である[7]。
ニューヨーク市には、主な行楽シーズンが存在しない。感謝祭、クリスマス、新年とその周辺を例外とし、観光客の数は1年中ほとんど同じである。また、ニューヨーク市のホテル利用率は、国内で最も高い。世界金融危機の中でも比較的高いままだった。
ジョージ・フェルティッタ率いるNYC & カンパニーの観光事務所は、アルゼンチン、イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ロシア、スペイン、スウェーデン、日本、朝鮮、中国の14カ国にオフィスを持つ[8]。NYC & カンパニーは、ニューヨーク市の観光統計の公式な情報源である。外国人観光客については、包括的な統計を出し、観光業への影響も調査している。さらに、メンバー・ホテル、博物館、アトラクション、劇場、ストア、レストラン、待ち合わせ場所、サービスプロバイダーなどについての14の公式ガイドブックを出版している。
観光ガイドが付き添う、ダブルデッカーのツアーバスやボートでは、マンハッタンやその周辺の観光スポット、数カ所を訪れられる。また、1カ所を訪問するのには、タクシーが役立っている。また、市内では、自転車のレンタルも行っている。歩いて観光することは、繁華街などを移動するのに最適な手段である。
多くの観光客が、自由の女神やエリス島など、歴史的な名所を訪れている。他にも、1931年に完成したエンパイア・ステート・ビルディング、ロケッツの本拠であるラジオシティ・ミュージックホール、様々なブロードウェイのショー、第二次世界大戦の空母があるイントレピッド海上航空宇宙博物館、セントラルパークのような美しい公園もある。また、一部税が課せられないニューヨークでは、買い物客も多い。マンハッタン島を船で一周して水上から眺めるサークルラインもある。
ワールド・トレード・センターもアメリカ同時多発テロ以前は、重要な観光地であった。このテロ事件は、ニューヨーク市の観光に大きな打撃を与えた。完全に観光客数が戻るまで、2年もの歳月がかかった。それまでは、国内観光客が中心だった[9]。
ニューヨーク市の観光客の統計
年 | 全ての 観光客数 (百万人) |
国内 観光客数 |
国際 観光客数 |
全ての 観光客の 使用した金額 (10億USドル) |
---|---|---|---|---|
1991 | 29.1 | 23.6 | 5.5 | 10.1 |
1995 | 28.5 | 23.1 | 5.4 | 11.7 |
1998 | 33.1 | 27.1 | 6.0 | 14.7 |
1999 | 36.4 | 29.8 | 6.6 | 15.6 |
2000 | 36.2 | 29.4 | 6.8 | 17.0 |
2001 | 35.2 | 29.5 | 5.7 | 15.1 |
2002 | 35.3 | 30.2 | 5.1 | 14.1 |
2003 | 37.8 | 33.0 | 4.8 | 18.5 |
2004 | 39.9 | 33.8 | 6.2 | 21.1 |
2005 | 42.6 | 35.8 | 6.8 | 22.8 |
2006 | 43.8 | 36.5 | 7.3 | 24.71 |
2007 | 46.0 | 37.1 | 8.8 | 28.85 |
2008 | 47.0 | 37.5 | 9.5 | 32.1 |
2009 | 45.6 | 37.0 | 8.6 | 28.2 |
2010 | 48.7 | 39.0 | 9.7 | 31.0 |
ツアー
編集ニューヨーク市には、豊富な音楽の文化と歴史がある。そのため、多数のジャズ、ゴスペル、ロックンロール、リズム・アンド・ブルースなどのツアーに参加することが可能である。音楽ツアーでは、ハーレムやイースト・ヴィレッジが人気である。
世界でも有数の料理が集まるニューヨークでは、フード・ツアーもある。料理は、移民の影響を多く受けており、多様である。ユダヤ人やイタリアの移民は、ベーグルやチーズケーキ、ニューヨークスタイルピザを生み出し、有名となった[10]。また、アメリカでも有数の高級レストランもあり、観光客は、食べ物の面からニューヨークの文化を知ることができる[11][12]。
さらに、観光客は、スポーツが目的の場合も多い。ヤンキー・スタジアムやシティ・フィールド、マディソン・スクエア・ガーデンなどでは多くのイベントが開催され、ニューヨーク・シティ・マラソンのような路上でのイベントもある。
出典
編集- ^ “NYC Statistics”. NYC & Company. 2008年12月31日閲覧。
- ^ “Statue of Liberty”. New York Magazine. 2006年6月20日閲覧。
- ^ “Mayor Giuliani Announces Amount of Parkland in New York City has Passed 28,000-エーカー (110 km2) Mark”. New York City Mayor's Office (February 3, 1999). 2007年6月6日閲覧。
- ^ “Beaches”. New York City Department of Parks & Recreation. 2007年6月6日閲覧。
- ^ “City Park Facts”. The Trust for Public Land, Center for City Park Excellence (June 2006). 2006年7月19日閲覧。
- ^ “General Information”. Prospect Park Alliance. 2003年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月6日閲覧。
- ^ NYC & Company. “NYC Statistics” 2006年8月3日閲覧。
- ^ NYC & Company. “NYC & Company Offices Worldwide”. 2007年3月25日閲覧。
- ^ New York Daily News, Sept 17 2003[リンク切れ] Patriotic boost for city tourism
- ^ Bleyer, Jennifer (May 14, 2006). “Kebabs on the Night Shift”. The New York Times 2006年7月19日閲覧。
- ^ Collins, Glenn (November 3, 2005). “Michelin Takes on the City, Giving Some a Bad Taste”. The New York Times 2006年7月19日閲覧。
- ^ New York Food Tours, http://foodtoursofny.com/index.html; Rum and Blackbird Tasting Tours, http://www.rumandblackbird.com/