ニムラブス (Nimravus) はニムラブス科に属する偽剣歯虎の絶滅漸新世北アメリカに33.3Maから26.3Maのおよそ700万年間にわたって生息していた。真の剣歯虎と近縁ではないが、平行進化により似たような形態に進化した。化石は合衆国西部のオレゴン、南カリフォルニア、ネブラスカで発見されている。

ニムラブス
生息年代: 33.3–26.3 Ma
N. brachyops 頭骨
地質時代
漸新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 食肉目 Carnivora
亜目 : ネコ亜目 Feliformia
: ニムラブス科 Nimravidae
: ニムラブス Nimravus
学名
Nimravus
Cope1879
  • N. brachyops Cope, 1879(模式種)
  • N. intermedius Filhol, 1872

記載

編集

体長はおよそ1.2 m 。そのすらっとした体型のために、現生のカラカルに似た姿をしていたが、背中はもっと長く、部分的にしかを引き込めないイヌのような足を持っていた。獲物を追いかけるのではなく、現生ネコ類と同じく待ち伏せをして鳥類や小型哺乳類などを狩猟していたと考えられている。ニムラブスは、ホプロフォネウスのような他の偽剣歯虎類と競合していた[1]

 
右犬歯が他個体の上腕骨を貫いているN. brachyops の頭骨

病理学

編集

北アメリカで発見された、あるニムラブス頭骨には前頭部に貫通孔があり、その孔はエウスミルス (Eusmilus) の剣状犬歯の大きさと完全に一致した。そのニムラブス個体は襲撃後も生き延びたらしく、傷には治癒の跡が見られた。ネブラスカ産の別のニムラブス化石が古生物学者 Loren Toohey によって1959年に記載されたが[2]、その化石はニムラブス頭骨の剣歯が別のニムラブス個体の上腕骨に突き刺さっており、死に至った種内闘争の発生を暗示している[3]

 
ニムラブス(左端)と他の Turtle Cove 累層産動物の復元図

出典

編集
  1. ^ Palmer, D., ed (1999). The Marshall Illustrated Encyclopedia of Dinosaurs and Prehistoric Animals. London: Marshall Editions. p. 222. ISBN 1-84028-152-9 
  2. ^ Toohey, Loren (1959). “The species of Nimravus (Carnivora, Felidae)“. Bulletin of the AMNH. volume 118, article 2
  3. ^ The Dakota Badlands Used to Host Sabertoothed Pseudo-Cat Battles

外部リンク

編集