ニコラ・ジョエルフランス語:Nicolas Joel ないし Joël、1953年2月6日 - 2020年6月19日 )は、フランスオペラ座支配人、オペラ演出家。

パリ生まれ。1990年から2009年トゥールーズ市立劇場フランス語版の総支配人、2009年から2014年パリ・オペラ座の総支配人を務めた。フランス国外でもオペラの演出を手がけている。

経歴

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パリで学業を修め、1973年から1978年ストラスブールラン歌劇場フランス語版(ライン・オペラ)の支配人アシスタントを務めた。1976年バイロイト音楽祭百周年記念の「リング」公演では、演出家パトリス・シェローの助手を務めた。1979年、ライン・オペラとリヨン歌劇場ワーグナーニーベルングの指環」で演出家のキャリアをスタートした。1981年、サンフランシスコ歌劇場ではシャーリー・ヴァーレット英語版プラシド・ドミンゴ主演の サン=サーンスサムソンとデリラ 」を、シカゴ・リリック・オペラではルチアーノ・パヴァロッティ主演の ヴェルディアイーダ」を手がけた。

1984年、2度目となる「リング」をヴィースバーデン・ヘッセン州立劇場で演出し、同年にはウィーン国立歌劇場で「アイーダ」を手がけた。この後、サンフランシスコ歌劇場でヴェルディ「エルナーニ」とワーグナー「パルジファル」。コペンハーゲンデンマーク王立歌劇場でワーグナー「ローエングリン」。アムステルダムオランダ国立歌劇場英語版)とイェーテボリチャイコフスキーエフゲニー・オネーギン」、マスカーニカヴァレリア・ルスティカーナ」、レオンカヴァッロ道化師」。チューリッヒ歌劇場でヴェルディ「リゴレット」、「椿姫」、「運命の力」。エッセンでR・シュトラウス「サロメ」。ブレーメン劇場でムソルグスキーボリス・ゴドゥノフ」、ヴィンチェンツォ・ベッリーニカプレーティとモンテッキ」を、それぞれ演出家として手がけた。ローザンヌのプッチーニ「トスカ」はジョゼ・ヴァン・ダムのスカルピア役としてのデビュー公演となった。

1994年ミラノ・スカラ座プッチーニつばめ」でデビューした。ロンドンのロイヤル・オペラではグノーロメオとジュリエット」を、ブエノスアイレスコロン劇場ではビゼーカルメン」を演出した。1996年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場に、パヴァロッティを主役に起用したジョルダーノアンドレア・シェニエ」でデビューした。1998年パレルモ・マッシモ劇場の再開に際して「アイーダ」を手がけ、メトロポリタン歌劇場で「ランメルモールのルチア」を手がけた。1999年、スカラ座でマスネ「マノン」の新演出に起用された。

フランス国内での演出歴には次のものがある。ナンシーロレーヌ国立歌劇場フランス語版でのプッチーニ「トゥーランドット」、マスネ「タイス」。モンペリエ歌劇場フランス語版ポンキエッリラ・ジョコンダ」、ヴェルディ「シチリアの晩鐘」。パリ・オペラ座ドビュッシー選ばれし乙女」(カンタータ作品)、 パーセルディドとエネアス」(ジェシー・ノーマンが出演)。トゥールーズの グノーファウスト」、マルセル・ランドスキ「モンセギュール」(Montségur)の世界初演。ライン・オペラとリヨン歌劇場の「アンドレア・シェニエ」。1992年、パリ・オペラ座で「仮面舞踏会」の新演出、1994年、ニース歌劇場フランス語版のワーグナー「パルジファル」をそれぞれ手がけた。

1990年-2009年まで、トゥールーズ市立劇場の芸術監督を務めた。1996年、劇場のリニューアル再開に際しては、シャルパンティエルイーズ」とマスネウェルテル」を演出した。他にトゥールーズでの演出にはワーグナー「リング」、「ボリス・ゴドゥノフ」、「ルイーズ」、「ハムレット」がある。2004年10月、再度のリニューアルに際しては、 ヤナーチェクイェヌーファ」の新演出を手がけた。

2000年代に入ってからフランス国外での主な経歴としては、2004年にウィーン国立歌劇場のR・シュトラウス「ダフネ」、2008年にメトロポリタン歌劇場のプッチーニ「つばめ」とウィーン国立歌劇場の「ファウスト」を手がけた。

パリ・オペラ座

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2009年から、ジェラール・モルティエの後任としてパリ・オペラ座の支配人を務めた。

2011年の観客数が約80万人に達し、座席占有率は94.1%で、前年よりも1.7%上昇した。2012年10月、翌年度の予算への不満から次のシーズンに契約更新しないことを表明。契約満了の2014年8月まで1年を残して2013年9月、退任した。後任はステファーヌ・リスネル。

顕彰

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オペラの演出で「演劇・音楽批評賞」を2度受賞。1996年、 プーランクカルメル派修道女の対話」で「クラシック音楽の勝利」賞(Victoires de la musique classique)の「ベストオペラ演出」部門に選出。

レジオンドヌール勲章では、2004年、シュヴァリエ(騎士)。2014年、オフィシエ(将校)。

脚注

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参考文献

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  • Bertrand Dermoncourt; Jérémy Rousseau (2014). "Nicolas Joel ou les bonheurs manqués". Classica (in French) (164). pp. 56–65. ISSN 1287-4329.

外部リンク

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