ナルトレキソン: Naltrexone)は、レビア: ReVia)やビビトロル: Vivitrol)などの商標名で販売されている医薬品であり、アルコール依存オピオイド使用障害の管理に用いられ、物質使用障害に伴う渇望多幸感を軽減する[1]。その他の嗜癖にも効果があることが知られており、適応外使用されることがある[2]。オピオイド依存症で数日間の断薬が行われていない人にはナルトレキソンを投与するべきではない[1]。 投与法は経口または筋肉内注射である[1]。効果は30分以内に現れる[1]。オピオイド欲求が減少するまでに数週間かかる場合がある[1]

ナルトレキソン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
発音 [ˌnælˈtrɛksn]
販売名 ReVia, Vivitrol, others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a685041
ライセンス US Daily Med:リンク
胎児危険度分類
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能5–40%
血漿タンパク結合21%
代謝Liver
半減期ナルトレキソン:4時間
6β-ナルトレキソール英語版:13時間
排泄尿
データベースID
CAS番号
16590-41-3
ATCコード N07BB04 (WHO)
PubChem CID: 5360515
IUPHAR/BPS英語版 1639
DrugBank DB00704
ChemSpider 4514524
UNII 5S6W795CQM
KEGG D05113
ChEBI CHEBI:7465
ChEMBL CHEMBL19019
別名 EN-1639A; UM-792; N-Cyclopropyl-methylnoroxymorphone; N-Cyclopropylmethyl-14-hydroxydihydro-morphinone; 17-(Cyclopropylmethyl)-4,5α-epoxy-3,14-dihydroxymorphinan-6-one
化学的データ
化学式C20H23NO4
分子量341.41 g·mol−1
物理的データ
融点169 °C (336 °F)
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副作用には、不眠症不安吐き気頭痛などがあげられる[1]。まだオピオイドを服用している人は、オピオイド離脱英語版を起こす可能性がある[1]肝不全の人への使用は推奨されない[1]妊娠中の人への使用による安全性は不明である[1][3]。ナルトレキソンはオピオイド拮抗薬英語版であり、その作用機序はオピオイドの作用を阻害することによる[1]

ナルトレキソンが初めて作られたのは1965年であり、米国で医薬品として使用が認められたのは1984年である[1][4]。1994年にはAUD治療薬として米食料医薬品局(FDA)に承認されている[5]。2019年の米国での卸売り価格は、錠剤の場合は1日分約0.08米ドルである[6]。徐放性注射の場合にかかる費用は、1か月分約1,267米ドル(1日分約41米ドル)である[6]。 ナルトレキソンは、ナルトレキソン・ブプロピオンとして肥満の治療にも用いられる[7]WHO必須医薬品モデル・リストに掲載されている[8]。2021年には、米国で254番目に処方される薬となり、100万回以上の処方があった[9][10]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k Naltrexone Monograph for Professionals - Drugs.com”. Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 9 November 2017時点のオリジナルよりアーカイブ9 November 2017閲覧。
  2. ^ “Naltrexone: A Pan-Addiction Treatment?”. CNS Drugs 30 (8): 719–733. (August 2016). doi:10.1007/s40263-016-0373-0. PMID 27401883. 
  3. ^ “Methadone, Buprenorphine, and Naltrexone for the Treatment of Opioid Use Disorder in Pregnant Women”. Pharmacotherapy 37 (7): 824–839. (July 2017). doi:10.1002/phar.1958. PMID 28543191. 
  4. ^ Sadock, Benjamin J.; Sadock, Virginia A.; Sussman, Norman (2012) (英語). Kaplan & Sadock's Pocket Handbook of Psychiatric Drug Treatment. Lippincott Williams & Wilkins. p. 265. ISBN 9781451154467. オリジナルの2017-12-05時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171205042100/https://books.google.ca/books?id=qp-H3UruKvIC&pg=PT265 
  5. ^ 「飲まずにいられない呪縛から解き放つ禁酒薬に普及の壁」『ニューズウィーク日本版』2024年8月6日号、CCCメディアハウス、2024年7月30日、56頁。 
  6. ^ a b NADAC as of 2019-07-17 | Data.Medicaid.gov” (英語). Centers for Medicare and Medicaid Services. 2019年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。16 July 2019閲覧。
  7. ^ “Naltrexone/bupropion for obesity”. Drug and Therapeutics Bulletin 55 (11): 126–129. (November 2017). doi:10.1136/dtb.2017.11.0550. PMID 29117992. 
  8. ^ The selection and use of essential medicines 2023: web annex A: World Health Organization model list of essential medicines: 23rd list. Geneva: WHO. (2023). hdl:10665/371090. WHO/MHP/HPS/EML/2023.02 
  9. ^ The Top 300 of 2021”. ClinCalc. 15 January 2024時点のオリジナルよりアーカイブ14 January 2024閲覧。
  10. ^ Naltrexone - Drug Usage Statistics”. ClinCalc. 14 January 2024閲覧。