ナディン・ゴーディマー
南アフリカの作家、政治活動家
ナディン・ゴーディマー(Nadine Gordimer、1923年11月20日 - 2014年7月13日)は、南アフリカの作家、政治活動家。1991年にノーベル文学賞を受賞した[1]。ウォーレ・ショインカ、ナギーブ・マフフーズに次いでアフリカ大陸出身者として3人目、アフリカ人女性としては初の受賞者となった。
Nadine Gordimer ナディン・ゴーディマー | |
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ナディン・ゴーディマー(2010) | |
誕生 |
1923年11月20日 南アフリカ連邦 ヨハネスブルグ |
死没 |
2014年7月13日(90歳没) 南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ |
職業 | 小説家 |
代表作 | 『保護管理人』 |
主な受賞歴 |
ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞(1971) ブッカー賞(1974) ネリー・ザックス賞(1985) ノーベル文学賞(1991) |
デビュー作 | 『The Lying Days』 |
ウィキポータル 文学 |
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略歴
編集父はリトアニアからのユダヤ系移民、母はイギリス系のユダヤ人。9歳から創作活動をはじめる。一時期はイヴリン・ウォーの『スクープ』を読んでジャーナリストを志望したこともある。11歳以降は学校に通わず、20歳になって初めてジョハネスバーグのヴィットヴァテルスラント大学に1年間、聴講生として通った[1]。この間、16歳で短篇が雑誌に掲載され、本格的に作家活動をはじめる。
1949年、短編集『顔と顔を合わせて』で本格的なデビューを果たす[1]。最初の長編小説は『いつわりの日々』(1953年)であり、その後、12作の長編小説、200以上の短編作品を発表した[1]。『保護管理人』(1974年)で、ブッカー賞を受賞[1]。
作品
編集アパルトヘイトの欺瞞を淡々とした筆致でユーモラスに告白する作風で知られる。特に短編小説集『フライデーの足跡(Friday's Footprint)』(1960年)はイギリスやアメリカで高く評価されている[3]。また、アパルトヘイトに対するリアリズム文学として芸術性が高いと言う評価もなされている[4]。
主な著作
編集小説
編集- The Lying Days (1953)
- A World of Strangers (1958)
- Occasion for Loving (1963)
- The Late Bourgeois World (1966) ブルジョワ世界の終わりに 福島富士男訳 スリーエーネットワーク 1994.10 アフリカ文学叢書
- A Guest of Honour (1970)
- The Conservationist (1974)
- Burger's Daughter (1979) バーガーの娘 福島富士男訳 みすず書房 1996.7.
- July's People (1981)
- A Sport of Nature (1987)
- My Son's Story (1990) マイ・サンズ・ストーリー 赤岩隆訳 スリーエーネットワーク 1997.12 アフリカ文学叢書
- Jump: And Other Stories (1991) ゴーディマ短篇小説集JUMP ヤンソン柳沢由実子訳 岩波書店 1994.9.
- None to Accompany Me (1994) この道を行く人なしに 福島富士男訳 みすず書房 2001.2.
- The House Gun (1998)
- The Pickup (2001)
- Get a Life (2005)
- No Time Like the Present (2012)
- 戦士の抱擁 土屋哲訳 晶文社 1985.11.
その他
編集- 現代アフリカの文学 土屋哲訳 1975 岩波新書
- ナディン・ゴーディマは語るアフリカは誰のものか 高野フミ監訳.1993.6. 岩波ブックレット
- The Essential Gesture: Writing, Politics and Places (1988) いつか月曜日に、きっと スティーヴン・クリングマン編 福島富士男訳 みすず書房 2005.4.
参考文献・脚注
編集参考文献
編集- 山崎勉著 著、鈴木泰二編 編『グランド現代百科事典 13 コスーササレ』学習研究社(原著1983-6-1)。
- 丸谷才一著、伊藤整、河盛好蔵、高津春繁、佐藤朔、高橋義孝、手塚富雄、中野好夫、中村光夫、西川正身、吉川幸次郎編集 著、佐藤亮一発行 編『新潮 世界文学小辞典』(初版第2刷)新潮社(原著1971-3-10)。
脚注
編集- ^ a b c d e “ナディン・ゴーディマ”. みすず書房. 2022年6月15日閲覧。
- ^ N.ゴーディマ氏死去=ノーベル賞受賞の南ア女性作家 時事通信 2014年7月14日閲覧
- ^ 新潮 世界文学小辞典 1971, p. 321.
- ^ グランド現代百科事 1983, p. 84.