ドラッグ オン ドラグーン シリーズ
「ドラッグ オン ドラグーン シリーズ」(英: DRAG-ON DRAGOON series)は、スクウェア・エニックスから発売されているアクションロールプレイングゲームのシリーズ作品。ここでは、本シリーズと世界観を共有する派生作品「ニーア シリーズ」(英: NieR series)についても説明する[1]。
ドラッグ オン ドラグーン シリーズ / ニーア シリーズ | |
---|---|
ジャンル | アクションロールプレイングゲーム |
開発元 |
キャビア アクセスゲームズ プラチナゲームズ トイロジック アプリボット |
発売元 | スクウェア・エニックス |
主な製作者 |
柴貴正 齊藤陽介 ヨコオタロウ 田浦貴久 岡部啓一 |
1作目 |
ドラッグオンドラグーン (2003年9月11日) |
最新作 |
ニーア リィンカーネーション (2021年2月18日) |
概要
編集「ドラッグ オン ドラグーン シリーズ」(以下「DODシリーズ」)は、2003年9月11日にスクウェア・エニックスから発売された『ドラッグオンドラグーン』(以下『DOD1』)を第1作目とし、『ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』(以下『DOD2』)、『ドラッグオンドラグーン3』(以下『DOD3』)の計3作が発売されている。この他に『DOD1』で描かれたエンディングのひとつ、通称「新宿エンド[2]」のその後を舞台とした作品『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』が2010年4月22日に発売され、以降『ニーア オートマタ』、『ニーア リィンカーネーション』などが連なる「ニーア シリーズ」(以下「NieRシリーズ」)となる。
『DOD1』、『DOD2』、そして派生作品である『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』までの3作はキャビア(2011年にAQインタラクティブの完全子会社となって消滅)が開発を担当し、それ以降の作品は開発会社こそ異なるが、それまで『DOD1』と『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』のディレクターを担当していたヨコオタロウや「NieRシリーズ」のプロデューサーである齊藤陽介など、主要スタッフの多くは引き続きシリーズに関わっている。なお、「DODシリーズ」および「NieRシリーズ」の商標はいずれもスクウェア・エニックスが権利者となっている[注 1]。
シリーズ一覧
編集2003 | ドラッグオンドラグーン |
---|---|
2004 | |
2005 | ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒 |
2006 | |
2007 | |
2008 | |
2009 | |
2010 | ニーア ゲシュタルト |
ニーア レプリカント | |
2011 | |
2012 | |
2013 | ドラッグオンドラグーン3 |
2014 | |
2015 | |
2016 | |
2017 | ニーア オートマタ |
2018 | |
2019 | |
2020 | |
2021 | ニーア リィンカーネーション |
ニーア レプリカント ver.1.22474487139... |
対応機種略称は以下の通り。
- PS2:PlayStation 2、PS3:PlayStation 3、PS4:PlayStation 4、Xbox 360:Xbox 360、Xbox One:Xbox One、PC:Steam、Switch:Nintendo Switch、iOS:iOS、Android:Android
ドラッグ オン ドラグーン シリーズ
編集- ドラッグオンドラグーン(2003年9月11日、PS2)開発元:キャビア
- ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒(2005年6月16日、PS2)開発元:キャビア
- ドラッグオンドラグーン3(2013年12月19日、PS3)開発元:アクセスゲームズ
ニーア シリーズ
編集- ニーア ゲシュタルト(2010年4月22日、PS3、Xbox 360[注 2])開発元:キャビア
- ニーア レプリカント(2010年4月22日、PS3[注 3])開発元:キャビア
- ニーア レプリカント ver.1.22474487139...(2021年4月22日、PS4、Xbox One、PC)開発元:トイロジック ※『ニーア レプリカント』のバージョンアップ版
- ニーア オートマタ(2017年2月23日、PS4、PC、Xbox One、Switch)開発元:プラチナゲームズ
- ニーア リィンカーネーション(2021年2月18日サービス開始[3]、2024年4月30日サービス終了予定、iOS、Android)開発元:アプリボット
ゲームシステムの特徴
編集いずれの作品も3Dのアクションロールプレイングゲームのシステムを基本とし、プレイヤーは主人公が装備する片手剣・両手剣・槍などの武器攻撃と魔法、または魔法に相当する攻撃を使用しながらフィールド上の敵と戦い、ストーリーを進める。 エンディングはマルチエンディング制が採られており、複数の結末が用意されている。各エンディングに進む条件を満たすためには周回プレイが必須であり、このほかに特定の行動を要求されるものもある。
主人公が装備できる武器にはキャラクターとは別にレベルが設定されており、敵を倒して経験値を貯める・または必要な素材を用意するなどをして強化していくと、性能の向上と共に外見が変化する。またレベルの上昇に伴いそれぞれの武器に用意された武器の由来や過去の持ち主のエピソードなどを記した「武器物語(ウェポンストーリー)」と呼ばれる読み物が解放されていく。ウェポンストーリーの要素はヨコオが原作・クリエイティブディレクターを担当するスマートフォン向けゲームアプリ『シノアリス』にも引き継がれている。
このほかに『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』を除く全ての作品にシューティングゲームパートが存在し、同パートが無い『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』においても、弾幕系シューティングを思わせる敵の攻撃が存在する。この攻撃はファンやメディアの間では「イクラ弾[4]」または「イクラ弾幕[5]」と形容され、「NieRシリーズ」の特徴となっている。実装のきっかけはシューティングゲーム好きを公言しているヨコオの「シューティングゲームを作りたい」という思いで[2][6]、『ニーア オートマタ』での実装時は開発のプラチナゲームズ内部から反対の声が上がったものの、ヨコオが強引に押し通したと語っている[4]。
ドラッグ オン ドラグーン シリーズのみの特徴
編集- ワールドマップの要素は存在せず、ステージクリア・ミッションクリア形式で物語が解放されていく。『DOD1』と『DOD3』にはチャプターセレクト機能があり、クリア済みのステージはいつでも自由にプレイすることができる。
- 主人公を操作して戦う地上戦と、ドラゴンに騎乗して戦う空中戦がある。『DOD1』ではステージに応じて「地上戦のみ」「地上戦と低空戦を切り替えながら戦う」「空中戦のみ」のいずれかのスタイルが適用される。『DOD3』では地上戦とドラゴンに騎乗する場面がステージごとで明確に分けられており、任意での乗り降りはできない。
- 物語の進行に伴いドラゴンが成長し、外見が変化する。
ニーア シリーズのみの特徴
編集- ステージクリア制ではなく、広大なフィールドを自由に移動・探索し、プレイヤーが各地でクエストをクリアすることで物語が進んでいく。
- カメラは基本的にプレイヤーキャラクターの頭上後方からの視点で進行するが、トップビューやサイドビューに固定される場面がある。
- ノベルゲームの体裁で進行する場面がある。
設定
編集「DODシリーズ」は西暦856年にイベリア半島で「大災厄」が起きたことによって分岐した平行世界のいずれかを舞台とし、暦には西暦が用いられている。各作品は前作ないし次作で描かれたいずれかのエンディングの要素を有しているが、単一のエンディングから直接物語や設定が繋がることはない。
「NieRシリーズ」は西暦2003年の東京・新宿に「謎の巨人」と「赤き竜」が現れたことがきっかけで不治の病が蔓延した世界が始まりとなる。『ゲシュタルト』と『レプリカント』で主人公と肉親の関係がそれぞれ父娘・兄妹という違いがあるが、これは世界の分岐が異なっているのではなく、作中の舞台となっている年代が異なっているため[7] 。
時系列
編集大災厄 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
DOD ウタヒメファイブ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
DOD3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
A分岐 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
DOD 死ニ至ル赤 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
DOD1 | DOD1.3 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
Eエンド | |||||||||||||||||||||||||||||||||
DOD2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ゲシュタルト計画 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ニーア ゲシュタルト | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ニーア レプリカント | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Dエンド | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヨルハ計画 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
舞台 ヨルハ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ニーア オートマタ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Eエンド | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ニーア リィンカーネーション | |||||||||||||||||||||||||||||||||
関連作品
編集書籍
編集- どらっぐおんどらぐーん ウタヒメファイブ:『DOD3』の前日譚を記した漫画作品。『月刊ビッグガンガン』にて2013年Vol.05から2015年Vol.01まで連載、全16話。
- ドラッグオンドラグーン 死ニ至ル赤:『DOD3』のA分岐の後日談を記した漫画作品。『ヤングガンガン』にて2013年6号から2014年16号まで連載、全21話。
- ドラッグオンドラグーン1.3:『死ニ至ル赤』のさらに後日談で、『DOD3』のA分岐から繋がった場合の『DOD1』の話をまとめた小説作品。
- ドラッグオンドラグーン3 設定資料集+ザ・コンプリートガイド:資料集の中に「DODシリーズ」と『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』の時系列が書かれている。
- NieR:Automata Strategy Guide ニーア オートマタ 攻略設定資料集 ≪第243次降下作戦指令書≫:資料集の中に「NieRシリーズ」の年表が書かれている。
その他
編集- 舞台 ヨルハ:ヨコオタロウが脚本を手掛ける演劇シリーズ。音楽は岡部啓一。『ニーア オートマタ』の前日譚が描かれている。
- NieR:Automata Ver1.1a:『ニーア オートマタ』のテレビアニメ化作品。2023年1月より放送。
- SINoALICE -シノアリス-:ヨコオタロウが原作およびクリエイティブディレクターを手掛けるスマートフォンゲームアプリ。音楽は岡部啓一。『DOD3』や「NieRシリーズ」とのコラボレーションを行っている。
主要スタッフ
編集- ヨコオタロウ:ほぼ全ての作品でディレクターを務める。『DOD2』では映像編集、『ニーア リィンカーネーション』ではクリエイティブ・ディレクターを担当。キャビア退職以降は各開発会社に外部ディレクターとして参加し、一時的に共同制作を行っている。株式会社ブッコロ代表。
- 柴貴正:「DODシリーズ」プロデューサー。スクウェア・エニックス第7ビジネス・ディビジョン(旧・第弐プロデューサー統括部)ディビジョン・エグゼクティブ。
- 齊藤陽介:「NieRシリーズ」プロデューサー。スクウェア・エニックス取締役執行役員。
- 岡部啓一:「NieRシリーズ」と『DOD3』で音楽を担当。MONACA代表。
- 田浦貴久:『ニーア オートマタ』シニアゲームデザイナー。『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』ではアクション部分を監修。プラチナゲームズ所属。
脚注
編集注釈
編集- ^ 特許情報プラットフォームより。「Drag-on Dragoon」登録番号:第4719130号(「DRAG-ON DRAGOON」登録番号:第5587150号)、「NieR Replicant」登録番号:第5301815号、「NieR Automata」登録番号:第5838531号(「NieR:Automata」登録番号:第5838532号)
- ^ 日本国外ではPS3でも発売。
- ^ 日本国内のみ。日本国外では末発売。
出典
編集- ^ “『ニーア リィンカーネーション』以前の「ニーア」「ドラッグオンドラグーン」シリーズを振り返り!―「知らなくてもいいの?」…そんな声にまるっとお答え!”. インサイド. 2023年2月6日閲覧。
- ^ a b “「ジャンルという概念を打ち破りたかった」――裏話もたっぷり聞けた「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」ロングインタビュー”. 4Gamer.net (2010年7月10日). 2020年12月28日閲覧。
- ^ “「NieR: Automata」,世界累計出荷・ダウンロード販売本数が500万本突破”. 4Gamer.net (2020年12月24日). 2020年12月24日閲覧。
- ^ a b “【E3 2016】「NieR」らしさはイクラ弾?PS4「NieR:Automata」のバトルアクションの秘密を開発チームの3人に訊く”. Gamer (2016年6月18日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』のイクラ弾幕をイメージしたブレスレットが予約開始”. ファミ通.com (2017年9月14日). 2020年12月25日閲覧。
- ^ “『NieR:Automata』×『PSO2』コラボ記念! ヨコオタロウと木村裕也が語るコラボ実現までの道のり”. 電撃オンライン (2020年12月27日). 2018年3月6日閲覧。
- ^ ファミ通.com (2020年11月11日). “どうしてこうなった!? ディレクター、横尾太郎氏が語る『NieR』の秘密”. 2020年11月11日閲覧。