ドミニク・クルーズDominick Cruz1985年3月9日 - )は、アメリカ合衆国男性総合格闘家カリフォルニア州サンディエゴ出身。アライアンスMMA所属。元UFC世界バンタム級王者。元WEC世界バンタム級王者。

ドミニク・クルーズ
米国慰問協会のイベントにて
(2017年)
本名 ドミニク・ロヘリオ・クルーズ
(Dominick Rojelio Cruz)[1]
生年月日 (1985-03-09) 1985年3月9日(39歳)[2]
出身地 カリフォルニア州サンディエゴ[2]
通称 ザ・ドミネーター
(The Dominator、支配者)
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 173 cm (5 ft 8 in)
体重 61 kg (134 lb)
階級 ライト級 (2005年 - 2006年)
フェザー級 (2006年 - 2008年)
バンタム級 (2008年 - )
リーチ 175 cm (69 in)
拠点 カリフォルニア州サンディエゴ
チーム アライアンスMMA
ランク ブラジリアン柔術 (青帯)
現役期間 2003年 -
総合格闘技記録
試合数28
勝利24
ノックアウト7
タップアウト1
判定16
敗戦4
ノックアウト2
タップアウト1
判定1
ウェブサイト https://dominickcruzmma.com/
総合格闘技記録 - SHERDOG
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WEC世界バンタム級王者時代 (2010年)

概要

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支配者を意味する「ザ・ドミネーター」(The Dominator)の異名を持つ。UFC世界バンタム級王者に2度輝いており、WECでも世界バンタム級王座を獲得するなど、バンタム級において偉大な実績を誇り、「バンタム級史上最も偉大な選手」[3][4][5][6]との呼び声も高い。

来歴

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母子家庭で兄弟と共にトレーラーハウスに住んでいた。幼い頃からレスリングを始め、19歳で母親にツーソンの家を追い出されたのを機にプロ格闘家を志した[7]。プロデビュー以後、コールセンターで働きながらローカル団体でキャリアを積んだ。

WEC初参戦となったWEC 26のWEC世界フェザー級タイトルマッチで王者ユライア・フェイバーに挑戦し、ギロチンチョークで1R一本負けを喫し王座獲得に失敗した。

2008年6月1日のWEC 34から階級を一つ下のバンタム級に下げてチャーリー・ヴァレンシアを3-0の判定で破ると、翌2009年1月25日のWEC 38でもイアン・マッコールに3-0の判定勝ちを収めた。

2009年8月9日のWEC 42ではキャリア無敗のジョセフ・ベナビデスを相手に3-0の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[8]

WEC世界王座獲得

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2010年3月6日、WEC 47のWEC世界バンタム級タイトルマッチで王者ブライアン・ボウルズに挑戦。優勢に試合を進める中、2R終了時にボウルズの右手の骨折でドクターストップがかかり、TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。

2010年8月18日、WEC 50ではWECバンタム級王座の初防衛戦でジョセフ・ベナビデスと再戦。5Rに渡る一進一退の攻防を戦い抜き、2-1(47-48、48-47、49-46)の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功した[9]

UFC世界王座認定

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2010年12月16日、WEC最終興行WEC 53で行なわれたWEC世界バンタム級タイトルマッチでスコット・ヨルゲンセンの挑戦を受け、3-0の5R判定勝ちを収め、2度目の王座防衛に成功すると同時に初代UFC世界バンタム級王座に認定された[10]

2010年12月23日、USAトゥデイのファイター・オブ・ザ・イヤーを受賞した[11]

2011年7月2日、UFC初参戦となったUFC 132のUFC世界バンタム級タイトルマッチで挑戦者ユライア・フェイバーと約4年ぶりに再戦。1Rと4Rにダウンを奪われるも、全体を通して有効打とテイクダウンの数で上回り、3-0の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した [12]

2011年10月1日、UFC Live: Cruz vs. JohnsonのUFC世界バンタム級タイトルマッチで、後にUFC世界フライ級王者となるデメトリアス・ジョンソンと対戦。1Rに右手を骨折するも、5Rに渡ってジョンソンを圧倒し3-0の5R判定勝ち。2度目の防衛に成功した。

2011年12月、ユライア・フェイバーと共にリアリティ番組「The Ultimate Fighter: Live」のシーズン15でコーチ役に選ばれ、2012年7月7日のUFC 148でコーチ対決としてフェイバーとラバーマッチを行う予定であったが、5月7日クルーズが練習中に膝の前十字靭帯を負傷し、欠場した。

2012年11月11日、フェニックス・インターナショナル・レースウェイとスポンサー契約を結んだ[13]

2012年12月3日、移植した靭帯が拒否反応を起こし再び手術を受けた[14]

世界王座剥奪

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2014年2月1日のUFC 169でUFC世界バンタム級暫定王者ヘナン・バラオンと王座統一戦を行う予定だったが、足の付け根の負傷により欠場。UFC世界バンタム級王座を剥奪された。

2014年9月27日、約3年ぶりの復帰戦となったUFC 178でバンタム級ランキング5位の水垣偉弥と対戦。開始早々テイクダウンを奪い、パウンドで僅か61秒のKO勝ち[15]。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2014年12月、以前負傷した膝とは違うもう一方の膝の前十字靭帯を負傷した事を発表した。

世界王座再獲得から陥落

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2016年1月17日、1年4か月ぶりの復帰戦となったUFC Fight Night: Dillashaw vs. CruzのUFC世界バンタム級タイトルマッチで王者TJ・ディラショーに挑戦。ハイレベルな攻防を繰り広げ、2-1(48-47、46-49、49-46)の5R判定勝ち。王座再獲得に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。試合後、多くのメディアがこの勝利を「MMA史上最大のカムバック」と称賛した[16]

2016年6月4日、UFC 199のUFC世界バンタム級タイトルマッチでバンタム級ランキング2位の挑戦者ユライア・フェイバーとラバーマッチを行い、終始フェイバーを圧倒して3-0の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功し、フェイバーとの通算戦績を2勝1敗とした。

2016年12月30日、UFC 207のUFC世界バンタム級タイトルマッチでバンタム級ランキング5位の挑戦者コーディ・ガーブラントと対戦。手数と有効打ではガーブラントを上回ったものの、3Rと4Rにパンチでダウンを奪われ、0-3(46-48、47-48、46-48)の5R判定負け。2度目の防衛に失敗し、王座から陥落した。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2017年11月8日、ジミー・リベラと対戦が決定したが腕を骨折して欠場した[17]

2018年12月11日、ジョン・リネカーと対戦が決定したが右肩の靭帯を負傷して欠場した[18]

2020年5月9日、約3年半ぶりの復帰戦となったUFC 249のUFC世界バンタム級タイトルマッチで王者ヘンリー・セフードに挑戦し、2R終盤に右膝蹴りでダウンを奪われパウンドでTKO負け。王座獲得に失敗し、自身初の連敗を喫した。

2021年3月6日、UFC 259ケイシー・ケニーと対戦し、2-1の判定勝ち。約4年7か月ぶりの勝利となった。

2021年12月11日、UFC 269でバンタム級ランキング8位のペドロ・ムニョスと対戦。1Rに左ジャブと左フックでダウンを奪われるも、2Rと3Rに手数と有効打で上回って3-0の判定勝ち[19]。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2022年8月13日、UFC on ESPN: Vera vs. Cruzでバンタム級ランキング5位のマルロン・ヴェラと対戦。スタンドの攻防で優勢に試合を進めたものの、4Rに左ハイキックでKO負け[20]

ファイトスタイル

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構えをオーソドックスサウスポーに頻繁にスイッチしながら、豊富な運動量でサイドの動きと出入りの激しい独特のフットワークに、ヘッドムーブなどのフェイントを組み合わせ、突如としてステップインして多彩な角度からスピードに乗った打撃を当て、コンビネーションを巧みに上下に打ち分ける。さらには打撃の展開から相手の意表を突いて組み付きテイクダウンを奪うことも得意とする[21]

人物・エピソード

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戦績

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総合格闘技 戦績
28 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
24 7 1 16 0 0 0
4 2 1 1 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
× マルロン・ヴェラ 4R 2:17 KO(左ハイキック) UFC on ESPN 41: Vera vs. Cruz 2022年8月13日
ペドロ・ムニョス 5分3R終了 判定3-0 UFC 269: Oliveira vs. Poirier 2021年12月11日
ケイシー・ケニー 5分3R終了 判定2-1 UFC 259: Błachowicz vs. Adesanya 2021年3月6日
× ヘンリー・セフード 2R 4:58 TKO(右膝蹴り→パウンド) UFC 249: Ferguson vs. Gaethje
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2020年5月9日
× コーディ・ガーブラント 5分5R終了 判定0-3 UFC 207: Nunes vs. Rousey
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2016年12月30日
ユライア・フェイバー 5分5R終了 判定3-0 UFC 199: Rockhold vs. Bisping 2
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2016年6月4日
TJ・ディラショー 5分5R終了 判定2-1 UFC Fight Night: Dillashaw vs. Cruz
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2016年1月17日
水垣偉弥 1R 1:01 KO(パウンド) UFC 178: Johnson vs. Cariaso 2014年9月27日
デメトリアス・ジョンソン 5分5R終了 判定3-0 UFC Live: Cruz vs. Johnson
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2011年10月1日
ユライア・フェイバー 5分5R終了 判定3-0 UFC 132: Cruz vs. Faber
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2011年7月2日
スコット・ヨルゲンセン 5分5R終了 判定3-0 WEC 53: Henderson vs. Pettis
【WEC世界バンタム級タイトルマッチ】
2010年12月16日
ジョセフ・ベナビデス 5分5R終了 判定2-1 WEC 50: Cruz vs. Benavidez 2
【WEC世界バンタム級タイトルマッチ】
2010年8月18日
ブライアン・ボウルズ 2R終了時 TKO(ドクターストップ) WEC 47: Bowles vs. Cruz
【WEC世界バンタム級タイトルマッチ】
2010年3月6日
ジョセフ・ベナビデス 5分3R終了 判定3-0 WEC 42: Torres vs. Bowles 2009年8月9日
イヴァン・ロペス 3R 3:24 負傷判定3-0 WEC 40: Torres vs. Mizugaki 2009年4月5日
イアン・マッコール 5分3R終了 判定3-0 WEC 38: Varner vs. Cerrone 2009年1月25日
チャーリー・ヴァレンシア 5分3R終了 判定3-0 WEC 34: Faber vs. Pulver 2008年6月1日
ケネス・エイムズ 1R KO(パンチ連打) Total Combat 27 2008年3月22日
× ユライア・フェイバー 1R 1:38 ギロチンチョーク WEC 26: Condit vs. Alessio
【WEC世界フェザー級タイトルマッチ】
2007年3月24日
シャド・スミス 5分3R終了 判定3-0 Total Combat 18: Nightmare
【TCフェザー級王座決定戦】
2006年11月4日
フアン・ミランダ 1R 4:00 チョークスリーパー Total Combat 16: Annihilation
【TCライト級王座決定戦】
2006年9月9日
デイブ・イスキエルド 5分3R終了 判定2-1 Total Combat 15 2006年7月15日
マイケル・バーニー 1R 2:45 TKO(パンチ連打) Rage in the Cage 79: The Rage Returns 2006年2月24日
ニック・ヘドリック 3分3R終了 判定3-0 Rage in the Cage 75: Friday Night Fights 2005年9月30日
ジョシュ・ドナヒュー 2R 1:09 TKO(パンチ連打) Rage in the Cage 74: In Your Face 2005年9月10日
トム・シュウェイジャー 1R 0:56 TKO(パンチ連打) Rage in the Cage 73: Arizona vs. Nevada 2005年8月6日
ロスコ・マクレラン 2R 1:26 TKO(パンチ連打) Rage in the Cage 70 2005年6月11日
エディ・カストロ 3分3R終了 判定2-1 Rage in the Cage 67: Back to the Dodge 2005年1月29日

獲得タイトル

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  • Total Combatライト級王座(2006年)
  • Total Combatフェザー級王座(2006年)
  • 第5代WEC世界バンタム級王座(2010年)
  • 初代UFC世界バンタム級王座(2010年)
  • 第4代UFC世界バンタム級王座(2016年)

表彰

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  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(4回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • WEC ファイト・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • SHERDOG カムバック・オブ・ザ・イヤー(2014年)
  • USAトゥデイ ファイター・オブ・ザ・イヤー(2010年)

脚注

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  1. ^ MIXED MARTIAL ARTS SHOW RESULTS DATE: December 11th, 2021 LOCATION: T Mobile Arena, Las Vegas boxing.nv.gov 2021年12月11日
  2. ^ a b ドミニク・クルーズ UFC公式サイト
  3. ^ Ten greatest bantamweight fighters in MMA history: Dominick Cruz tops the all-time list CBS 2020年4月27日
  4. ^ All-Time Bantamweight Fight Matrix 2021年5月2日
  5. ^ The 5 Greatest Fighters of All-Time in Each Weight Division Bleacher Report 2012年4月29日
  6. ^ All Time Greatest Bantamweights in MMA History TAPOLOGY
  7. ^ UFC登竜門TUF 激烈!ライト級究極戦士 WOWOWオンライン 2012年7月15日閲覧
  8. ^ WEC 42 bonuses: Cruz, Benavidez, Bowles and Yahya earn $10K "fight night" awards MMAjunkie 2009年8月10日
  9. ^ 【WEC50】ノンストップの25分間、接戦はクルーズが制す MMAPLANET 2010年8月19日
  10. ^ 【WEC53】クルーズが初代UFCバンタム級王座を戴冠 MMAPLANET 2010年12月17日
  11. ^ USA TODAY 2010 MMA Awards: New faces appearn USAトゥデイ 2010年12月23日
  12. ^ 【UFC132】ドミニクが激戦制し、涙の王座防衛 MMAPLANET 2011年7月3日
  13. ^ PIR TO SPONSOR UFC FIGHTER DOMINICK CRUZ PIR公式サイト 2012年11月11日
  14. ^ UFC champ Dominick Cruz's return pushed back by second ACL surgeryMMAjunkie 2012年12月3日
  15. ^ クルーズ、欠場の跡を感じさせず61秒で完勝 UFC公式サイト 2014年9月27日
  16. ^ UFC Fight Night 81 Results: Dominick Cruz Regains Title with Split Decision Over TJ Dillashaw yahoo!sports 2016年1月18日
  17. ^ Dominick Cruz injured, out of UFC 219 fight vs. Jimmie RiveraBloody Elbow 2017年11月9日
  18. ^ Dominick Cruz to have shoulder surgery, be sidelined for a yearESPN 2018年12月16日
  19. ^ Dominick Cruz defeats Pedro Munhoz at UFC 269 Empire Sports Media 2021年12月11日
  20. ^ UFC San Diego video: Marlon Vera starches Dominick Cruz with kick to the kisser Bloody Elbow 2022年8月13日
  21. ^ 【UFC132】最先端MMAドミニク、ユライアの攻略方法は? MMAPLANET 2011年6月29日
  22. ^ Dominick Cruz: 'If Muhammad Ali can do it, I can do it' MMA Fighting 2014年12月10日
  23. ^ UFC on ESPN 24 commentary team, broadcast plans set: Two former champs to call fights MMA Junkie 2021年5月5日
  24. ^ ユライア・フェイバー:引退試合後、ドミニク・クルーズと和解 mmatrans 2016年12月18日

関連項目

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外部リンク

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前王者
ブライアン・ボウルズ
第5代WEC世界バンタム級王者

2010年3月6日 - 2010年12月16日

次王者
王座廃止
前王者
王座新設
初代UFC世界バンタム級王者

2010年12月16日 - 2014年1月6日

空位
次タイトル獲得者
ヘナン・バラオン
前王者
TJ・ディラショー
第4代UFC世界バンタム級王者

2016年1月17日 - 2016年12月30日

次王者
コーディ・ガーブラント