トランスジェンダー追悼の日
トランスジェンダー追悼の日(トランスジェンダーついとうのひ、英語: Transgender Day of Remembrance)は、毎年11月20日に行われる、アメリカ合衆国を中心にトランスジェンダー嫌悪を理由に殺害されたトランスジェンダーへの追悼日である[1]。世界子どもの日やアフリカ工業化の日と同日であるが、国際デーではない[2]。
トランスジェンダー追悼の日 | |
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2018年、トランスジェンダー・プライド・フラッグが掲揚されたイギリス外務省 | |
挙行者 | トランスジェンダーのコミュニティーとその支援者たち |
種類 | 追悼 |
日付 | 11月20日 |
関連祝日 | トランスジェンダー認知週間 |
アメリカ合衆国マサチューセッツ州でトランスジェンダーへの嫌悪を理由に、アフリカ系アメリカ人のリタ・ヘスターが惨殺された1998年11月28日の翌年同日に追悼を行ったことに由来する[1]。
トランスジェンダー・ヨーロッパは2015年より過去12年間に殺害されたトランスジェンダーや多様なジェンダーの人々の数を発表している[3]。2021年度のトランスジェンダー・ヨーロッパによるレポートによれば、2020年10月1日から2021年9月30日までに世界中で殺害されたトランスジェンダーやジェンダーダイバースの人たちが375人確認され、昨年度よりも7%増加した[4]。また殺害されたトランスジェンダーのうち96%がトランス女性またはトランスフェミニン(女性的なトランスジェンダー)で、殺害されたトランスジェンダーのうち職業が判明している人の58%がセックスワーカーだった[4]。トランスジェンダーへの憎悪犯罪は女性嫌悪、人種差別、外国人嫌悪、セックスワーカーへの差別が複雑に絡み合って生じていると同団体は指摘している[4]。
各国の取り組み
編集トランスジェンダー追悼の日に合わせて各国でさまざまな取り組みがみられる。
アメリカ
編集2020年にジョー・バイデン大統領は追悼のメッセージをSNSに投稿した[5]。2021年にはカマラ・ハリス副大統領と共に「今年これまでに少なくとも46人のトランスジェンダーのアメリカ人が致命的な暴力行為により殺害された」という声明を発表した[6]。
日本
編集2024年、日本の小説家や映画監督の有志たちがLGBTQ+への差別に反対する声明を発表した[7][8][9][10]。その記者会見の中で、発起人のひとりである東海林毅は「LGBTQ+に対して攻撃的で差別的な言説がSNSを中心に目立つようになってきた。特にトランスジェンダーに対する攻撃は酷い状況だ」と述べた[7]。
脚注
編集- ^ a b “MTPC: Transgender Day of Remembrance”. web.archive.org (2010年8月14日). 2022年1月18日閲覧。
- ^ “国際デー”. 国連広報センター. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “Trans Day of Remembrance Campaign”. Transgender Europe. 2023年8月28日閲覧。
- ^ a b c “TMM Update TDoR 2021”. Transgender Europe. 2023年8月28日閲覧。
- ^ “ジョー・バイデン大統領 • Instagram”. www.instagram.com. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “2021 marks the deadliest year yet for transgender people in the U.S., advocacy group says”. CBS News (November 20, 2021). 2024年11月21日閲覧。
- ^ a b “「排除に加担してはいけない」。小説家と映画監督の有志ら、LGBTQ+への差別反対の声明”. ハフポスト (2024年11月20日). 2024年11月21日閲覧。
- ^ “「性的少数者、笑ってもいい対象として扱っている」 映画監督や俳優、差別反対訴え”. 朝日新聞 (2024年11月21日). 2024年11月21日閲覧。
- ^ “LGBTQ+差別に反対 小説家51人が声明 攻撃的言動の増加で”. 毎日新聞 (2024年11月20日). 2024年11月21日閲覧。
- ^ “「マイノリティー差別に無関心ではいけない」映画監督97人・小説家51人が声明 「苛烈な言説に強い懸念」:東京新聞デジタル”. 東京新聞デジタル. 2024年11月25日閲覧。