トヨタ・ブリザード
トヨタ自動車のバン型乗用車
ブリザード(BLIZZARD)とは、ダイハツ工業が製造、トヨタ自動車が販売していたクロスカントリータイプの四輪駆動車である。
概要
トヨタビスタ店の設立に伴いビスタ店専売車として登場した、ダイハツ・タフトのOEM[1]車である。従って、頑丈なはしごフレームに、4輪リーフリジッドサスペンションを組み合わせたシャシを備える、小型ながら本格的なクロスカントリーカーである。
ボディは、タフト同様ショートボディーのみで、同様に幌タイプ、バン、レジントップ(FRPトップ)の3タイプが用意されていたが、エンジンのみは2.2Lのトヨタ製のL型 直列4気筒SOHC渦流室式ディーゼルに変更されている。
1984年、タフトからラガーへのモデルチェンジを機に、ブリザードもラガーのOEMへと変更され、2代目となる。ただしラガーに設定されていたレジントップは設定されていない。エンジンは2.4Lの2L型ディーゼルへ変更され、後にターボも追加された。
初代 LD10型(1980年 - 1984年)
トヨタ・ブリザード(初代) LD10/10V | |
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概要 | |
別名 |
ダイハツ・タフト(初代) ダイハツ・ワイルドキャット |
製造国 | 日本(大阪府) |
販売期間 | 1980年4月 - 1984年5月 |
ボディ | |
乗車定員 |
2人 2/4人 |
ボディタイプ |
幌/メタルドア メタルドア/メタルトップ バン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
エンジン | L型 2.2L 直4 SOHC |
変速機 | 4速MT/5速MT |
前 |
前:リーフ式リジット 後:リーフ式リジット |
後 |
前:リーフ式リジット 後:リーフ式リジット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,025mm |
全長 | 3,485mm |
全幅 | 1,460mm |
全高 | 1,855 - 1,870mm |
車両重量 | 1,195 - 1,245kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 4909台[2] |
製造事業(委託)者 | ダイハツ工業 |
2代目 LD2#型(1984年 - 1990年)
トヨタ・ブリザード(2代目) LD20/20V/21G | |
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前期型 ソフトトップ (オセアニア仕様) | |
後期型 2.4ディーゼルターボワゴン | |
概要 | |
別名 |
ダイハツ・ラガー ダイハツ・ロッキー(初代) ダイハツ・タフト(2代目) ダイハツ・フェローザ(初代インドネシア仕様)ベルトーネ・フリークライマー |
製造国 | 日本(大阪府) |
販売期間 | 1984年5月-1990年4月 |
ボディ | |
乗車定員 |
2人 2/4人 5人 |
ボディタイプ |
幌/メタルドア メタルドア/レジントップ バン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
2L型 2.4L 直4 SOHC 2L-T型 2.4L 直4 SOHC |
変速機 | 5速MT |
前 |
前:リーフ式リジット 後:リーフ式リジット |
後 |
前:リーフ式リジット 後:リーフ式リジット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,205mm |
全長 | 3,655 - 3,770mm |
全幅 | 1,580mm |
全高 | 1,830 - 1,840mm |
車両重量 | 1,360 - 1,480kg |
その他 | |
販売期間中の新車登録台数の累計 | 6739台[3] |
製造事業(委託)者 | ダイハツ工業 |
系譜 | |
後継 |
該当なし (ビスタ店専売車種のため) |
- 1984年5月、フルモデルチェンジでダイハツ・ラガーのOEMとなる。ボディサイズも一回り以上拡大され、内外装共に乗用車感覚は一段と高まった。車種は4ナンバーのバンのみ。先代と異なりフロントディスクブレーキが全車標準装備され、冷房装置も吊り下げ式クーラーに替わってエアコンがオプション設定された。エンジンは2.4Lのトヨタ製2L型ディーゼルで、グロス83馬力。
- 1985年9月、新設のディーゼルターボワゴン、及び既存のバンにターボ車の追加。エンジンは2.4Lの2L-T型ネット85馬力。
- 1987年9月 マイナーチェンジ。ヘッドランプを規格型の丸形2灯から、規格型の角形2灯へ変更(上級グレードはハロゲン球換え式)。
- 1990年3月[4]、生産終了。以降は在庫対応分のみの販売となる。
- 1990年4月、販売終了。ダイハツ・ラガーはそのまま継続生産される。代わりに「ランドクルーザーワゴン」を「ランドクルーザープラド」へと改称、トヨタ店とトヨタビスタ店の2チャンネル扱いにする。よってコンパクトクロスカントリー車はトヨタのラインナップからは一時廃止される。
- その後、1994年にカローラ、セリカをベースとした乗用車タイプのエントリーSUVとして、RAV4(カローラ店及びトヨタオート店)が登場するが、サイズアップに伴いコンパクトSUVは再度ダイハツのOEM車となり、キャミ → ラッシュ(トヨペット店)→ライズへと続く。
車名の由来
関連項目
脚注
- ^ 供給元が製造事業者となる一般的なOEM供給と異なり、この場合は供給元のダイハツが供給先であるトヨタの製造工場としてトヨタの名義で車両を生産し、トヨタに納入する形をとっている。このため、ダイハツ方式ではなくトヨタ方式の型式付番がなされている。この方式によるOEMはトヨタとダイハツの間に多くの例が存在する(例・パッソ(2代目以前)/ブーン、bB(2代目)/クー等)。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第25号20ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第51号20ページより。
- ^ “ブリザード(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月14日). 2020年1月14日閲覧。