デレク・レーン・ホランドDerek Lane Holland, 1986年10月9日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州ニューアーク出身のプロ野球選手投手)。左投両打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はダッチ[1]

デレク・ホランド
Derek Holland
シカゴ・カブス時代
(2019年8月13日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オハイオ州ニューアーク
生年月日 (1986-10-09) 1986年10月9日(38歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 左投両打
ポジション 投手
プロ入り 2006年 MLBドラフト25巡目
初出場 2009年4月22日
年俸 $925,000 (2021年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2013年

経歴

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プロ入りとレンジャーズ時代

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アラバマ州ウォレス・ステート・コミュニティカレッジ英語版から、2006年ドラフト25巡目(全体748位)でテキサス・レンジャーズから指名され、1年後の5月20日に20万ドルの契約金で入団[2]

2009年4月22日のトロント・ブルージェイズ戦でメジャーデビュー。ルーキーイヤーで8勝を挙げたが、防御率6.13が示すように投球内容は不安定だった。同年オフには、菊池雄星との面談に出席するため、GM補佐と共に来日した[3]

2010年はAAA級オクラホマシティ・レッドホークスにいる期間が長く、メジャーでの登板は前年より減ったが、防御率は4.08と改善した。ポストシーズンではリリーフに回り、6試合に登板した。ニューヨーク・ヤンキースとのALCS第4戦では、4回裏一死満塁のピンチで登板して後続を断ち切り、3回2/3を無失点に抑えてレンジャーズの逆転勝利を呼び込んだ[4]

2011年はエースのC.J.ウィルソンと並んでチームトップの16勝を挙げ、レンジャーズのア・リーグ連覇に大きく貢献した。4完封はリーグ最多だった。

2012年はウィルソンが退団したために、エースの役目を期待された。開幕前の3月20日に5年2850万ドル(6年目と7年目のオプションも含めれば最大で7年4900万ドル)で契約延長を行った[5]。シーズンでは12勝を挙げたものの両リーグワースト5位の32被弾を喫するなど防御率4.67に終わった。

2013年開幕前の2月27日に第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表に選出された[6]

 
テキサス・レンジャーズ時代
(2014年8月30日)

2014年1月10日に左膝の軟骨損傷のため関節鏡下手術を受け、開幕に間に合わないことを球団が発表した[7]。3月3日に60日間の故障者リスト入りした[8]。この年は6試合の登板に留まり、うち5試合は先発登板だった。投げた試合では好投し、防御率1.46、WHIP1.05という好数値をマークした。

2015年は10試合全てに先発で登板したが、メジャーデビュー年以来となる自己ワースト2位の防御率4.91に終わった。だが、4勝のうち1つの勝ち星は完封勝利だった。

2016年は22試合に登板して、うち20試合に先発登板した。防御率4.95・7勝9敗・WHIP1.41という不安定なピッチングに終始し、3シーズンぶりとなる復活の二桁勝利とはならなかった。オフの11月7日にレンジャーズが球団オプションを破棄したため、FAとなった[9]

ホワイトソックス時代

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2016年12月14日にシカゴ・ホワイトソックスと600万ドルの1年契約を結んだ[10]

2017年は故障無く先発ローテーション投手として29試合(先発26試合)に登板したが、7勝14敗、防御率6.20と振るわず、9月5日に自由契約となった[11]

ジャイアンツ時代

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2018年2月9日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[12]。3月26日にジェフ・サマージャの離脱に伴い、メジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[13]。メジャー昇格後は36試合(先発30試合)に登板して5年ぶりに規定投球回に到達した。7勝9敗、防御率3.57と前年と比較するとある程度の成績の改善が見られた。オフの10月29日にFAとなったが、2019年1月14日にジャイアンツと700万ドル+2020年の球団側オプションで再契約を結んだ[14]

2019年7月21日にDFAとなった[15]

カブス時代

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2019年7月26日に金銭トレードで、シカゴ・カブスへ移籍した[16]。オフの10月31日にFAとなった[17]

パイレーツ時代

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2020年1月31日にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]。7月23日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[19]。オフの10月28日にFAとなった[20]

タイガース時代

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2021年1月26日にデトロイト・タイガースとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[21]。メジャーに昇格した場合は給与として92万5000ドルが支払われ、オプションとして最大15万ドルの出来高が含まれる。4月1日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[22]。この年は39試合(先発1試合)に登板して3勝2敗、防御率5.07、51奪三振を記録した。オフの11月3日にFAとなった[19]

投球スタイル

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2011年にデビッド・プライスに次ぐ平均球速94.97mphを記録した[23]、左腕としてはリーグ屈指のスピードを誇る速球派左腕である。しかし、フォーシームを投げる事はほとんどなく、1シーズン中に20球以上投げたのは2013年だけである。

基本的には、投球の約6割がシンカーというシンカーボーラーで、それにスライダーカーブチェンジアップを織り交ぜる。2013年からは通常のカーブをやめ、ナックルカーブを投げている。ちなみに、2014年時点のフォーシームの平均球速は92.2mph程度まで落ち込んでいる。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2009 TEX 33 21 1 1 0 8 13 0 3 .381 611 138.1 160 26 47 0 4 107 3 3 98 94 6.12 1.50
2010 14 10 0 0 0 3 4 0 1 .429 253 57.1 55 6 24 0 4 54 0 1 30 26 4.08 1.38
2011 32 32 4 4 0 16 5 0 0 .762 843 198.0 201 22 67 1 6 162 2 1 97 87 3.95 1.35
2012 29 27 0 0 0 12 7 0 0 .632 730 175.1 162 32 52 0 3 145 1 0 100 91 4.67 1.22
2013 33 33 2 2 0 10 9 0 0 .526 894 213.0 210 20 64 0 3 189 9 1 90 81 3.42 1.29
2014 6 5 0 0 0 2 0 0 0 1.000 145 37.0 34 0 5 1 0 25 1 0 8 6 1.46 1.05
2015 10 10 1 1 1 4 3 0 0 .571 245 58.2 59 11 17 2 5 41 1 0 32 32 4.91 1.30
2016 22 20 0 0 0 7 9 0 0 .438 461 107.1 116 15 35 2 2 67 2 0 62 59 4.95 1.41
2017 CWS 29 26 0 0 0 7 14 0 0 .333 626 135.0 156 31 75 2 8 104 7 0 106 93 6.20 1.71
2018 SF 36 30 0 0 0 7 9 0 0 .438 727 171.1 154 19 67 6 4 169 2 1 74 68 3.57 1.29
2019 31 7 1 0 0 2 4 0 0 .333 308 68.2 68 17 35 2 4 71 0 0 49 45 5.90 1.50
CHC 20 1 0 0 0 0 1 0 2 .000 68 15.2 14 3 10 0 0 11 1 0 12 12 6.89 1.53
'19計 51 8 1 0 0 2 5 0 2 .286 376 84.1 82 20 45 2 4 82 1 0 61 57 6.08 1.51
2020 PIT 12 5 0 0 0 1 3 0 0 .250 179 40.2 42 12 15 0 3 45 2 1 33 31 6.86 1.40
2021 DET 39 1 0 0 0 3 2 0 4 .600 225 49.2 58 6 20 1 1 51 2 0 29 28 5.07 1.57
MLB:13年 346 228 9 8 1 82 83 0 10 .497 6315 1466.0 1489 220 533 17 47 1241 33 8 820 753 4.62 1.38
  • 2021年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手(P)












2009 TEX 33 5 13 5 2 .783
2010 14 3 9 1 0 .923
2011 32 7 31 3 2 .927
2012 29 9 28 2 1 .949
2013 33 3 17 2 0 .909
2014 6 1 2 1 0 .750
2015 10 1 8 1 1 .900
2016 22 3 8 2 0 .846
2017 CWS 29 5 16 3 1 .875
2018 SF 36 9 15 2 0 .923
2019 31 4 14 0 0 1.000
CHC 20 2 2 1 0 .800
'19計 51 6 16 1 0 .957
2020 PIT 12 2 3 2 0 .714
2021 DET 39 3 4 1 0 .875
MLB 346 57 170 26 7 .897
  • 2021年度シーズン終了時

背番号

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  • 45(2009年 - 2020年)
  • 49(2021年)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Sox Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月30日閲覧
  2. ^ Sickels, John(2008-08-27). Where Did This Guy Come From? Derek Holland. Minor League Ball(英語). 2011年10月3日閲覧
  3. ^ 雄星取りへレンジャーズが8勝左腕を同席. nikkansports.com. 2011年10月3日閲覧
  4. ^ Bengie Molina's 3-run shot leads homer-happy Rangers to 3-1 ALCS lead. ESPN.com(英語). 2011年10月3日閲覧
  5. ^ Rangers To Extend Derek Holland
  6. ^ Team USA final roster for WBC announced[リンク切れ] USABaseball.com (2013年2月22日) 2015年3月27日閲覧
  7. ^ Derek Holland undergoes left knee surgery” (英語). MLB.com (January 10, 2014). January 11, 2014閲覧。
  8. ^ Rangers receive INF Andy Parrino on waiver claim from Oakland A's; place LHP Dderek Holland on 60-day disabled list” (英語). MLB.com (March 3, 2014). March 4, 2014閲覧。
  9. ^ Rangers decline 2017 contract option for LHP Derek Holland” (英語). MLB.com (November 7, 2016). November 16, 2016閲覧。
  10. ^ Scott Merkin (December 14, 2016). “White Sox strike 1-year deal with Holland” (英語). MLB.com. December 19, 2016閲覧。
  11. ^ Scott Merkin (2017年9月6日). “White Sox reinstate Moncada from DL” (英語). MLB.com. 2017年9月7日閲覧。
  12. ^ Steve Adams (2018年2月9日). “Giants Sign Derek Holland To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2018年3月21日閲覧。
  13. ^ Michael Wagaman (2018年3月27日). “Holland added to Opening Day roster” (英語). MLB.com. 2018年3月31日閲覧。
  14. ^ Maria Guardado (2019年1月14日). “Giants seal 1-year deal to bring back Holland” (英語). MLB.com. 2019年1月16日閲覧。
  15. ^ Chris Haft (2019年7月21日). “Holland designated for assignment by Giants” (英語). MLB.com. 2019年7月22日閲覧。
  16. ^ Jordan Bastian (2019年7月26日). “Cubs acquire lefty Holland for bullpen matchups” (英語). MLB.com. 2019年7月27日閲覧。
  17. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2020年2月1日閲覧。
  18. ^ Steve Adams (2020年1月31日). “Pirates Sign Charlie Tilson, Andrew Susac” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年2月1日閲覧。
  19. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2022年2月13日閲覧。
  20. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月16日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月20日閲覧。
  21. ^ Tigers To Sign Derek Holland” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年3月10日閲覧。
  22. ^ Tigers Designate Christin Stewart For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年4月4日閲覧。
  23. ^ http://www.fangraphs.com/leaders.aspx?pos=all&stats=pit&lg=all&qual=y&type=4&season=2011&month=0&season1=2011&ind=0&team=0&players=0

関連項目

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外部リンク

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