デュークオブマーマレード

デュークオブマーマレード (Duke of Marmalade) はアイルランド生まれの競走馬である。

デュークオブマーマレード
2008ブリーダーズ・カップ・クラシック
(2008年10月25日)
欧字表記 Duke of Marmalade
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2004年3月12日
死没 2021年11月(17歳没)
Danehill
Love Me True
母の父 Kingmambo
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 Southern Bloodstock
馬主 Mrs. John Magnier&Michael Tabor
調教師 Aidan Patrick O'Brienアイルランド
競走成績
生涯成績 16戦6勝
獲得賞金 138万8453ポンド
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経歴

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2歳・3歳時代

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競走馬デビューは2歳時の6月で、その後2戦目で初勝利を挙げた。

3歳時は2000ギニーアイリッシュ2000ギニーではともにコックニーレベルの4着、セントジェームズパレスステークスでは、同じエイダン・オブライエン厩舎所属のエクセレントアートにわずかにクビ差敗れて2着だった。インターナショナルステークスオーソライズドの4着、秋はアイリッシュチャンピオンステークスディラントーマスに敗れての2着、クイーンエリザベス2世ステークスラモンティに敗れて3着となるなど強豪馬相手に善戦はするものの、G1で勝利することはできなかった。

古馬時代

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7ヶ月の休養を挟み古馬となっての初戦はガネー賞となり、前年度のラインラントポカルの勝ち馬で、次走で共和国大統領賞で優勝するサデックスに半馬身差で先着しG1競走初勝利を挙げた。続く、タタソールズゴールドカップも早めに抜け出すとフィンシャルベオを抑え込みG1を連勝。さらにプリンスオブウェールズステークスでは直線半ばで抜け出すと、あとは後続に4馬身差をつけて圧勝した。

ここまで10ハロン前後のG1で活躍してきた本馬だが、ここで距離が2ハロン近く伸びるキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走した。レースでは中団後方で待機し、最後の直線で先頭に立つも直後にペイパルブルに並ばれて叩きあいとなり、3番手以下を大きく引き離す。そして一旦はペイパルブルに交わされるも、ゴールまでしぶとく差し返し半馬身差でペイパルブルを下して優勝。これでG14連勝を達成した。また、鞍上のジョニー・ムルタ騎手、同馬を管理するオブライエン調教師ともに、前年のディラントーマスに続いて同レース2連覇となった。

続いてインターナショナルステークスに出走。この年のダービー馬ニューアプローチとの初顔合わせが話題を呼んだ。レースでは、フェニックスタワーを3/4馬身差しのいで5連勝でG1を5勝目。ダービー馬ニューアプローチは3着であった。その後、アイリッシュチャンピオンステークスに出走を予定していたが、馬場悪化を理由に出走を取り消した。

続いて凱旋門賞に出走。オブライエンは馬場状態によっては回避もある可能性を示唆していたが、結局出走した。レースでは、スムーズに馬群の外側を回すも直線で失速し7着と大敗。この年の連勝も途絶えた。続いてブリーダーズカップ・クラシックに出走、しかし見せ場なく9着と大敗し、その後引退、種牡馬入りした。

種牡馬時代以降

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2009年クールモアスタッドで種牡馬入り。優れた競走成績に加えて一族にエーピーインディレモンドロップキッドなどがいる良血に違わず、初年度種付け料は4万ユーロと高い期待を受けた。2012年に産駒がデビューするも、重賞勝ち馬を複数出すにとどまり、種付け料は2014年には1万ユーロに下落。その年の5月に南アフリカ共和国のドラケンシュタインスタッドにトレードされ、同年の南半球の種付けシーズンから供用されている[1]。南アフリカ共和国での初年度種付け料は10万ランド(当時の為替レートで約98万円)[2]。その後ヨーロッパに残した産駒がG1を勝っている。

2021年10月に繋養先である南アフリカのドラケンシュタインスタッドにより種牡馬を引退したと発表された。

2021年11月に死亡したと報じられた[3]

主な産駒

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競走成績

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出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2006.06.21 レパーズタウン 未勝利 芝6f 2着 J.ヘファーナン 1 1/2馬身 Chanting
2006.06.30 カラ 未勝利 芝7f 1着 K.ファロン クビ (Supposition)
2006.08.02 グッドウッド ヴィンテージS G3 芝7f 2着 M.キネーン クビ StrateGIc Prince
2007.05.05 ニューマーケット 2000ギニー G1 芝8f 4着 M.キネーン 2 1/4馬身 Cockney Rebel
2007.05.26 カラ 愛2000ギニー G1 芝8f 4着 J.ヘファーナン 2 1/4馬身 Cockney Rebel
2007.06.19 アスコット セントジェームズパレスS G1 芝8f 2着 M.キネーン クビ Excellent Art
2007.08.19 ヨーク 英国際S G1 芝10f88y 4着 M.キネーン 4馬身 Authorized
2007.09.08 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝10f 2着 J.ヘファーナン 1 1/2馬身 Dylan Thomas
2007.09.29 アスコット クイーンエリザベス2世S G1 芝8f 3着 M.キネーン 1馬身 Ramonti
2008.04.27 ロンシャン ガネー賞 G1 芝2100m 1着 J.ムルタ 1/2馬身 (Saddex)
2008.05.25 カラ タタソールズ金杯 G1 芝10f110y 1着 J.ムルタ 1 1/4馬身 (Finsceal Beo)
2008.06.18 アスコット プリンスオブウェールズS G1 芝10f 1着 J.ムルタ 4馬身 (Phoenix Tower)
2008.07.26 アスコット KGVI&QES G1 芝12f 1着 J.ムルタ 1/2馬身 (Papal Bull)
2008.08.23 ニューマーケット 英国際S G1 芝10f 1着 J.ムルタ 3/4馬身 (Phoenix Tower)
2008.10.05 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m 7着 J.ムルタ 3 3/4馬身 Zarkava
2008.10.25 サンタアニタ BCクラシック G1 AW10f 9着 J.ムルタ 5 3/4馬身 Raven's Pass

血統表

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デュークオブマーマレード血統ダンジグ系 / Northern Dancer 3x5=15.63%、Natalma・Buckpasser・Raise a Native 4x4=12.5%、Native Dancer 5.5x5.5=12.5% (血統表の出典)

*デインヒル
Danehill
1986 鹿毛
父の父
Danzig
1977 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Pas de Nom Admiral's Voyage
Petitioner
父の母
Razy Ana
1981 黒鹿毛
His Majesty Ribot
Flower Bowl
Spring Adieu Buckpasser
Natalma

Love Me True
1998 栗毛
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
母の母
Lassie's Lady
1981 鹿毛
Alydar Raise a Native
Sweet Tooth
Lassie Dear Buckpasser
Gay Missile F-No.3-l

脚注

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  1. ^ Duke Of Marmalade sold to stand in South Africa
  2. ^ South African fee set for Duke Of Marmalade
  3. ^ 種牡馬引退したばかりのデュークオブマーマレードが死去”. JRA-VAN ver.World. 2021年11月9日閲覧。
  4. ^ 1位入線後審議の結果2着降着の処分が下されたが、後日不服申立てにより処分が取り消され、1着となった。

外部リンク

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