テンプルトン賞(英字:Templeton Prize)とは、米国の投資家ジョン・テンプルトンによって1972年に創設された賞。とりわけ宗教間の対話・交流に貢献のあった存命の宗教者思想家・運動家等に贈られるもので、宗教分野のノーベル賞とも呼ばれる[1]。賞金はノーベル賞を常に上回るように設定され、2013年は110万ポンドであった。2013年時点で、個人を対象にした単年度の賞としては過去40年間世界最高額を維持している[2]

歴史

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1972年、篤志家のジョン・テンプルトンによって「宗教における進歩のためのテンプルトン賞」として創設され、2003年から2008年までは「スピリチュアルな実在に関する研究と発見の進展のためのテンプルトン賞」と称していた。1987年以降はジョン・テンプルトン財団[3]が主催している[1]

受賞者

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マザー・テレサヴァイツゼッカーダライ・ラマ14世など、多くの著名人が受賞している。

受賞者 備考
1973年 マザー・テレサ[1] 神の愛の宣教者会創立者、1979年ノーベル平和賞受賞
1974年 ブラザー・ロジェ テゼ共同体創立者
1975年 サルヴパッリー・ラーダークリシュナン インド第二代大統領哲学者
1976年 レオ・ジョセフ・スーネンス ローマカトリック教会枢機卿
1977年 キアラ・ルビック英語版 フォコラーレ運動創始者
1978年 トーマス・トーランス スコットランド国教会総会議長
1979年 庭野日敬[1] 立正佼成会開祖
1980年 ラルフ・ウェンデル・ブルホエ英語版 ジゴン英語版(宗教と科学の雑誌)創業者
1981年 シシリー・ソンダース ホスピス運動の創始者
1982年 ビリー・グラハム 牧師・伝道師
1983年 アレクサンドル・ソルジェニーツィン 作家
1984年 マイケル・ブルドー 牧師、ケストン研究所英語版創設者
1985年 アリスター・ハーディ 海洋生物学者、宗教経験研究センター英語版創設者
1986年 ジェームズ・I.・マッコード英語版 プリンストン神学校校長
1987年 スタンレー・ジャキ英語版 ベネディクト会司祭、物理学者、科学哲学
1988年 イナムラ・カーン英語版 世界イスラム教徒議会創設者
1989年 カール・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカー 物理学者・哲学者
1989年 ジョージ・マクラウド英語版 牧師、アイオナコミュニティ英語版創設者
1990年 ババ・アムテ ハンセン病患者のためのコミュニティを組織したインドのソーシャルワーカー
1990年 チャールズ・バーチ英語版 シドニー大学名誉教授、個体群生態学者、神学者
1991年 イマヌエル・ジャコボヴィッツ英語版 イギリスチーフ・ラビ英語版(1966年 — 1991年)
1992年 韓景職 牧師
1993年 チャールズ・コルソン 作家
1994年 マイケル・ノヴァク英語版 カトリック哲学者、ジャーナリスト、小説家、外交官
1995年 ポール・デイヴィス英語版 理論物理学者、作家
1996年 ビル・ブライト 伝道者キャンパス・クルセード・フォー・クライスト創設者
1997年 パンデュラン・シャーストリ・アタヴァレー英語版 ヒンドゥー教改革運動、スワディヤヤ運動英語版創設者
1998年 ジークムント・スタンバーグ英語版 博愛主義者、「三信仰フォーラム」創設者
1999年 イアン・バーバー英語版 宗教学者、カールトン・カレッジ名誉教授
2000年 フリーマン・ダイソン 物理学者
2001年 アーサー・ピーコック英語版 牧師、神学者、生化学者
2002年 ジョン・ポーキングホーン英語版 牧師、理論物理学者、神学者、作家、聖公会司祭
2003年 ホームズ・ロルストン三世英語版 哲学者、環境倫理学者
2004年 ジョージ・エリス 宇宙論者、クエーカー
2005年 チャールズ・タウンズ 物理学者
2006年 ジョン・D・バロウ 宇宙論者、数理物理学
2007年 チャールズ・テイラー 政治哲学者
2008年 ミハウ・ヘラー英語版 物理学者・哲学者
2009年 ベルナール・デスパーニア英語版 物理学者・哲学者
2010年 フランシスコ・J・アヤラ 生物学者
2011年 マーティン・リース 理論天体物理学者
2012年 ダライ・ラマ14世 チベットの精神的指導者
2013年 デズモンド・ムピロ・ツツ 南アフリカの平和運動家、1984年ノーベル平和賞受賞
2014年 トマーシュ・ハリーク英語版 チェコのカトリック司祭・哲学者、プラハ・カレル大学教授
2015年 ジャン・バニエ[4] カトリック思想家、ラルシュ共同体信仰と光英語版の創立者
2016年 ジョナサン・サックス英語版 イギリスのラビ、哲学者
2017年 アルバン・プランティンガ英語版 アメリカの哲学者
2018年 アブドゥッラー2世 ヨルダン国王
2019年 マルセロ・グライサー英語版 理論物理学者
2020年 フランシス・コリンズ[5] 米国立衛生研究所所長、バイオロゴス創設者
2021年 ジェーン・グドール 霊長類学者
2022年 フランク・ウィルチェック 物理学者
2023年 エドナ・アダン・イスマイル 人権活動家
2024年 Pumla Gobodo-Madikizela 臨床心理学者

脚注

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外部リンク

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