テレスト (衛星)
テレスト[5][6] (Saturn XIII Telesto) は、土星の第13衛星である。テティスとほぼ同じ軌道を公転しており、テティスのラグランジュ点に存在するトロヤ衛星の一つである。
テレスト Telesto | |
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仮符号・別名 | 仮符号 S/1980 S 13 別名 Saturn XIII |
分類 | 土星の衛星 |
発見 | |
発見日 | 1980年4月8日 |
発見者 | B・A・スミス H・J・レイツェマ S・M・ラーソン J・W・ファウンテン[1] |
軌道要素と性質 | |
軌道長半径 (a) | 294,720 km[2] |
離心率 (e) | 0.000[2] |
公転周期 (P) | 1.8878 日[2] (45時間18分26秒) |
軌道傾斜角 (i) | 1.180°[2] |
近日点引数 (ω) | 119.135°[2] |
昇交点黄経 (Ω) | 229.182°[2] |
平均近点角 (M) | 260.157°[2] |
土星の衛星 | |
物理的性質 | |
三軸径 | 32.6 × 23.6 × 20.0 km[3] |
平均半径 | 12.4 ± 0.4 km[3] |
質量 | 4.0×1015 kg[4] |
平均密度 | 0.5 g/cm3[4] |
自転周期 | 同期回転 |
アルベド(反射能) | 1.0[4] (幾何アルベド) |
赤道傾斜角 | 0 |
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発見と命名
編集1980年4月8日に、ブラッドフォード・A・スミス、H・J・レイツェマ、S・M・ラーソンおよび J・W・ファウンテンによる地上からの観測によって発見された[7]。観測には 1.5 メートル反射望遠鏡が用いられた。発見報告は4月10日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/1980 S 13 という仮符号が与えられた[7]。その後しばらくの間に渡って数回検出されており、その度に S/1980 S 24[8]、S/1980 S 33[9]、S/1981 S 1[10] と別々の仮符号が与えられた。これらが全て同一の天体であることが報告されたのは1981年5月18日になってからである[10]。その後1983年9月30日に、ギリシア神話のティーターンの一人で、オーケアノスとテーテュースの娘テレストにちなんで正式に命名され、Saturn XIII という確定番号が与えられた[11]。
トロヤ衛星
編集テレストはテティスと同一軌道上にあり、テティスの前方にあるラグランジュ点 (L4) に存在している。このような衛星はトロヤ衛星と呼ばれる。カリプソも同じくテティスのラグランジュ点に存在しており、こちらはテティスの後方のラグランジュ点 (L5) に位置している。なお、テレストがテティスと同じ軌道にあり力学的に安定なラグランジュ点に存在することは、1981年に明らかにされた[12]。この状態は軌道力学の観点から言うと、テティスとテレストが 1:1 の平均運動共鳴を起こしていることを意味している[13]。
観測
編集2005年10月11日、土星探査機カッシーニはテレストに1万4500Kmまで接近し、画像を撮影した。画像から、テレストはいくつかのクレーターを除いて非常に滑らかな表面に覆われていることが判明した。
出典
編集- ^ NASA (2017年12月5日). “In Depth | Telesto – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局. 2018年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月1日閲覧。
- ^ a b Thomas, P. C. (2010-07). “Sizes, shapes, and derived properties of the saturnian satellites after the Cassini nominal mission”. Icarus 208 (1): 395–401. Bibcode: 2010Icar..208..395T. doi:10.1016/j.icarus.2010.01.025 .
- ^ a b c Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月1日閲覧。
- ^ 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、276頁。ISBN 4-254-15017-2。
- ^ “太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月9日閲覧。
- ^ a b Brian G. Marsden (1980年4月10日). “IAUC 3466: Prob. Occn BY 1978 P 1; Sats OF SATURN; STEPANYAN'S STAR”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月1日閲覧。
- ^ Brian G. Marsden (1980年6月6日). “IAUC 3484: Sats OF SATURN; SN IN MCG -3-34-61; SS 433”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月1日閲覧。
- ^ Brian G. Marsden (1981年4月16日). “IAUC 3593: Sats OF SATURN; PKS 0735+178 AND 3C 371”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月1日閲覧。
- ^ a b Brian G. Marsden (1981年5月18日). “IAUC 3605: 1981 JD; NEPTUNE APPULSE; Sats OF SATURN”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月1日閲覧。
- ^ Brian G. Marsden (1983年9月30日). “IAUC 3872: GX 1+4; Sats OF JUPITER AND SATURN”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月1日閲覧。
- ^ Seidelmann, P. K.; Harrington, R. S.; Pascu, D.; Baum, W. A.; Currie, D. G.; Westphal, J. A.; Danielson, G. E. (1981). “Saturn satellite observations and orbits from the 1980 ring plane crossing”. Icarus 47 (2): 282. Bibcode: 1981Icar...47..282S. doi:10.1016/0019-1035(81)90172-X.
- ^ “暦Wiki/共鳴 - 国立天文台暦計算室”. 暦計算室. 国立天文台. 2018年12月1日閲覧。