ツマグロキチョウ
ツマグロキチョウ(褄黒黄蝶、学名:Eurema laeta Boisduval, 1836)は、アゲハチョウ上科シロチョウ科キチョウ属に分類されるチョウの一種。
ツマグロキチョウ | |||||||||||||||||||||||||||
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キツネノマゴを吸蜜するツマグロキチョウ
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Eurema laeta Boisduval, 1836[2] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ツマグロキチョウ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Spotless Grass Yellow | |||||||||||||||||||||||||||
亜種 | |||||||||||||||||||||||||||
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特徴
編集東アジアの温暖な地域と熱帯に分布するチョウである。近縁種キチョウとほぼ同じ生活史を持ち、翅の模様もかなり似ているため、かつては混同されていた。形態としては、キチョウと同じく夏型は翅の外縁が黒くなるが、前翅の先端がとがる点でキチョウと異なる[3]。また、後翅裏に薄い灰色の斜めラインが入る点で見分けが付く[3]。
成虫は羽化した個体が5月より活動し、年3-4回発生を繰り返しながら11月ごろまで見られ、そのまま成虫で越冬し翌年産卵する[4]。
食草はマメ科のカワラケツメイ[4]。キチョウがマメ科植物の多くを食べるのに対し、本種はカワラケツメイのみを食草とする。越冬態は成虫[4]。河川敷などの湿った草地に生息している[5][6]。
分布
編集東アジア、東南アジア、南アジア、ニューギニア島、オーストラリア北部(ヨーク岬半島)に分布する[4]。ただし、熱帯雨林地域には分布しない。
日本では宮城県以南の本州、四国、九州、屋久島に分布する[4]。ほか奄美群島から八重山諸島[4]にかけても記録があるが土着ではない。
種の保全状況評価
編集河川改修やニュータウン開発などによって帰化植物が増え、カワラケツメイが生息場所を失うのに比例してこのチョウも絶滅の危機に瀕しつつある[5][7][8][9][6][10][11][12][13][14][15][16][17][18]。 カワラケツメイのお茶を特産品として栽培し始めた山口県の地域では、数が大幅に増えた[19] 日本では亜種E. l. bethesebaが環境庁(現在の環境省)によりレッドリストの絶滅危惧II類に指定されていたが、2012年に絶滅危惧IB類へカテゴリー変更された[1][20]。以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[21]。
関連画像
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “植物絶滅危惧種情報”. 生物多様性情報システム (2012年8月28日). 2013年5月13日閲覧。
- ^ “Eurema laeta (Boisduval, 1836)” (英語). ITIS (Catalogue of Life). 2013年5月15日閲覧。
- ^ a b 猪又敏男 (2006)、22-23頁
- ^ a b c d e f 猪又敏男 (2006)、127頁
- ^ a b c “埼玉県レッドデータブック2008動物編” (PDF). 埼玉県. pp. 134 (2008年). 2013年5月13日閲覧。
- ^ a b c “岐阜県レッドデータブック(初版)・ツマグロキチョウ”. 岐阜県 (2002年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “千葉県レッドデータブック動物編(2011年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 344 (2011年). 2013年5月13日閲覧。
- ^ a b “香川県レッドデータブック・ツマグロキチョウ”. 香川県 (2004年3月). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “レッドデータブックやまぐち・ツマグロキチョウ”. 山口県 (2002年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “しまねレッドデータブック・ツマグロキチョウ”. 島根県 (2002年3月). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “愛媛県レッドデータブック・ツマグロキチョウ”. 愛媛県 (2003年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・ツマグロキチョウ”. 福岡県 (2011年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “レッドデータブックおおいた” (PDF). 大分県. pp. 401 (2000年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “京都府レッドデータブック・ツマグロキチョウ”. 京都府 (2002年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “レッドデータブックとっとり (動物)” (PDF). 鳥取県. pp. 114 (2002年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “ながさきの希少な野生動生物” (PDF). 長崎県. pp. 501 (2011年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ a b “レッドデータブックとちぎ・ツマグロキチョウ”. 栃木県 (2011年). 2013年5月15日閲覧。
- ^ a b “岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 206 (2009年). 2013年5月14日閲覧。
- ^ 野平照雄 (2009年1月). “したたかな蝶、ツマグロキチョウ” (PDF). 岐阜県. 2013年5月15日閲覧。
- ^ “各分類群の明らかになった点について” (PDF). 環境省. pp. 3-4. 2013年5月15日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム「ツマグロキチョウ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年5月13日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ “福井県レッドデータブック(動物編)・ツマグロキチョウ”. 福井県 (2002年). 2013年5月13日閲覧。
- ^ “三重県レッドデータブック2005・ツマグロキチョウ”. 三重県 (2005年). 2013年5月14日閲覧。
参考文献
編集- 牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6。
- 日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2。
- 猪又敏男(編・解説)、松本克臣(写真)『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年6月。ISBN 4-635-06062-4。
関連項目
編集外部リンク
編集- ツマグロキチョウ at the Wayback Machine (archived 2010年5月22日) - インターネット自然研究所(環境省)
- ツマグロキチョウ - 蝶の図鑑 (www.j-nature.jp)