チリグアバ(Chilean guava berry[1]またはStrawberry myrtle[1])は、チリ及びアルゼンチン南部の隣接地域が原産の低木である。現地では、スペイン語murtaと呼ばれ、アメリカ先住民マプチェ族は"Uñi"と呼ぶ。グアバと同じフトモモ科に分類される。

分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : rosid II / Malvidae
: フトモモ目 Myrtales
: フトモモ科 Myrtaceae
: Ugni
: U. molinae
学名
Ugni molinae
Turcz.
シノニム

[1]

  • Eugenia ugni Hook. & Arn.
  • Myrtus molinae Barnéoud ex Gay
  • Myrtus ugni Molina

果実は、ウグニベリーという名前で市販されることがある。ニュージーランドではニュージーランドクランベリー[2]オーストラリアではタジベリー[3]として商標化されているが、これらの国の在来種ではない。

概要

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高さ30-170cmの低木の常緑植物である。稀に高さは3mに達することもある。葉は対生で、長さ1-2cm、幅1-1.5cmの楕円形である。全体が光沢のある深緑色で、潰れるとスパイシーな香りを放つ。花は直径約直径1cmで垂れ下がり、白色または桃色の花弁4-5枚と多数の短い雄蕊からなる。果実は、直径約1cmと小さく、赤色、白色、または紫色の液果である。原産地であるバルディビアの温帯雨林では、果実は3月から5月の秋に熟す。

歴史

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種小名の由来となったフアン・イグナシオ・モリーナによって、1782年に初めて記載された。1844年にウィリアム・ロブによってイングランドに持ち込まれ、果実はヴィクトリアのお気に入りとなった[4]観賞植物としても育てられた。

1896年の少し前にロビンソン・クルーソー島に導入され、外来種としてコロニーを形成し、密集した灌木地となった[5]

 
調理のために果柄を除いた果実

果実は小規模に栽培されている。果実の料理への利用は、原産のチリと小規模な商業栽培が行われているニュージーランドに限られる。伝統的なリキュールであるムルタド英語版を作るのにもつかわれる。これは、アグアルディエンテ砂糖からなり、ボトルにチリグアバを詰めて風味付けしたものである。またジャムクーヘンを作るのに用いたり、ムルタ・コン・メンブリージョ英語版というデザートを作るのにも用いる[4]

出典

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  1. ^ a b c "Ugni molinae". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2018年1月2日閲覧
  2. ^ New Zealand Cranberry (Myrtus ugni)”. Venture Southland. 2024年2月25日閲覧。
  3. ^ M. Forbes-Smith (2006年). “TazziberryTM (Myrtus ugni) – Production protocols: A report for the Rural Industries Research and Development Corporation”. Australian Government Rural Industries Research and Development Corporation. 2024年2月25日閲覧。
  4. ^ a b Diacono, Mark (2010年12月13日). “How to grow and cook Chilean guava” (英語). the Guardian. 2021年6月3日閲覧。
  5. ^ Alarcón, Diego; López-Sepúlveda, Patricio; Fuentes, Glenda; Montoya, Hellen; Peñailillo, Patricio; Carrasco, Pedro (2019). “Parches invadidos por Ugni molinae en isla Robinson Crusoe: ¿Hay plantas nativas y endémicas capaces de vivir en ellos? [Ugni molinae invaded patches in Robinson Crusoe Island: Are there native and endemic plants able to live within them?]” (Spanish). Gayana. Botánica 76 (1): 126–131. doi:10.4067/S0717-66432019000100126. https://www.scielo.cl/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0717-66432019000100126&lng=es&nrm=iso&tlng=es. 

外部リンク

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