ダーラム発酵管(ダーラムはっこうかん、Durham fermentation tube、ダーラム管)は微生物学実験器具で、細菌のガス産生能を調べるための発酵管の一種である。

概要

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ダーラム発酵管は、細菌のガス産生能[1]の有無を調べる道具としてDurham (1898)が発表した発酵管[2]である。

厚生労働省 (2004) はダーラム発酵管を

綿栓またはシリコン栓をした小試験管 (150 x 12 mm) に一端を封じた小ガラス管 (50 x 6 mm) を開口部を下にして入れたもの

と定義する。

ダーラム発酵管に液体培地を入れ、高圧蒸気滅菌し、滅菌後急冷[3]して、小ガラス管内に気泡のない発酵管を選ぶ。 これに細菌を接種して培養し、培養後小ガラス管内に気泡があれば、接種した細菌はガス産生能があると判断される。

食品の大腸菌群検査等にも利用される。

脚注

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  1. ^ ガス産生能は細菌の化学性状のひとつであり、細菌の分類の目安となる指標である。
  2. ^ 発酵管には他にスミス管やキューネ管などがある。
  3. ^ 急冷すると小ガラス管内の気泡が消える。

参考文献

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