タナー・ロアーク

アメリカ合衆国のプロ野球選手

タナー・B・ロアークTanner B. Roark, 1986年10月5日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州ウィル郡ウィルミントン英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はT-Ro[1]

タナー・ロアーク
Tanner Roark
トロント・ブルージェイズ時代
(2020年7月29日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 イリノイ州ウィル郡ウィルミントン英語版
生年月日 (1986-10-05) 1986年10月5日(38歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2008年 MLBドラフト25巡目
初出場 2013年8月7日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2017年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017 野球

経歴

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プロ入りとレンジャーズ傘下時代

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2008年MLBドラフト25巡目(全体753位)でテキサス・レンジャーズから指名され、6月9日に入団した。

ナショナルズ時代

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2010年7月30日にクリスチャン・グーズマンとのトレードで、ライアン・タトゥスコと共にワシントン・ナショナルズへ移籍した[2]

2013年8月6日にメジャー初昇格を果たした[3]。8月7日のアトランタ・ブレーブス戦でメジャーデビュー。同点の5回表から2番手で登板し、2回を無失点に抑えた。9月7日のマイアミ・マーリンズ戦から先発に転向。6回を投げ無失点に抑え、先発転向後初勝利を挙げた。この年は14試合に登板し、7勝1敗だった(先発としては3勝)。

2014年は、5番手[4]として先発ローテーションに定着し、31試合に登板して防御率2.85・WHIP1.09 (リーグ8位) ・15勝10敗の成績を残した。

2015年マックス・シャーザーが加入した事で先発ローテーションが飽和状態となり、先発とリリーフの兼任で投げた。先発では12試合に、リリーフでは28試合に投げて防御率4.38・4勝7敗に終わった。被本塁打は、投球イニングが80.0イニング以上減少したにもかかわらず1本増加した。

2016年はフルシーズン先発ローテーションに復帰し、34試合中33試合に先発登板した。同年は好調を維持し、防御率2.83(ナショナルリーグ6位)、16勝(同5位タイ)10敗、210.0イニング(同4位、自身初の200.0イニング超)、172奪三振の成績を残した。ロサンゼルス・ドジャースとのNLDSでは1試合に先発したが、4.1イニングを7安打3四球2失点だった。サイ・ヤング賞の投票では1ポイントを獲得し、10位にランクインした[5]

2017年はシーズン開幕前の2月9日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表に選出された[6]。同大会では1次ラウンドでは1試合にリリーフ登板し、1.1回3失点だったが、決勝ラウンドでは準決勝の日本戦に先発し、4回2安打無失点と好投、勝利に貢献した[7]。3月22日の決勝プエルトリコ戦に勝利し、初優勝を果たした[8]

シーズンでは6月に6試合で1勝4敗、防御率8.31と不振に陥った。32試合の登板で2年連続二桁勝利となる13勝を挙げたが、防御率4.67、WHIP1.34と前年からは落ちる成績となった。

 
ワシントン・ナショナルズ時代
(2018年8月31日)

2018年は31試合に投げて防御率4.34だったが、5月には5試合で防御率3.18ながら0勝3敗に終わるなど勝ち運にも恵まれず、9勝15敗と二桁勝利を逃しナ・リーグ最多敗戦を記録した。

レッズ時代

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2018年12月12日にタナー・レイニーとのトレードで、シンシナティ・レッズへ移籍した。「タナー」という名前同士のトレードは史上初の珍事であった[9]

2019年はレッズでは21試合に登板して6勝7敗、防御率4.24だった。

アスレチックス時代

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2019年7月31日にジェイムソン・ハンナ英語版とのトレードで、オークランド・アスレチックスへ移籍した[10]。背番号は60。オフの10月31日にフリーエージェント(FA)となった[11]

ブルージェイズ時代

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2019年12月18日にトロント・ブルージェイズと2年総額2400万ドルの契約を結んだ[12]

2021年4月30日にテオスカー・ヘルナンデスの復帰に伴ってDFAとなり[13]、5月3日に自由契約となった[14]

ブレーブス傘下時代

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2021年5月10日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結んだ[15]。6月24日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[16]が、登板機会が無いまま27日に傘下のAAA級グウィネット・ストライパーズへ降格した。9月5日にFAとなった[17]

投球スタイル

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オーバースローから、最速96.4mph(約155km/h)・平均92mph(約148km/h)の速球(主にツーシーム、稀にフォーシーム)を中心に、平均85mph(約137km/h)のスライダー、平均77mph(約124km/h)のカーブ、平均83mph(約134km/h)のチェンジアップを使用する[18]

打者の手元で動くツーシームを多投して、打者をゴロに打ち取る、グラウンドボールピッチャーである。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2013 WSH 14 5 0 0 0 7 1 0 1 .875 204 53.2 38 1 11 0 0 40 0 0 11 9 1.51 0.91
2014 31 31 1 1 0 15 10 0 0 .600 798 198.2 178 16 39 1 6 138 0 0 64 63 2.85 1.09
2015 40 12 0 0 0 4 7 1 4 .364 467 111.0 119 17 26 3 5 70 0 0 55 54 4.38 1.31
2016 34 33 0 0 0 16 10 0 1 .615 855 210.0 173 17 73 4 13 172 6 1 72 66 2.83 1.17
2017 32 30 0 0 0 13 11 0 0 .542 776 181.1 178 23 64 5 6 166 3 1 105 94 4.67 1.34
2018 31 30 0 0 0 9 15 0 0 .375 760 180.1 181 24 50 3 10 146 5 0 90 87 4.34 1.28
2019 CIN 21 21 0 0 0 6 7 0 0 .462 484 110.1 119 14 38 1 9 108 0 0 55 52 4.24 1.42
OAK 10 10 0 0 0 4 3 0 0 .571 238 55.0 61 14 13 0 4 50 3 0 29 28 4.58 1.35
'19計 31 31 0 0 0 10 10 0 0 .500 722 165.1 180 28 51 1 13 158 3 0 84 80 4.35 1.40
2020 TOR 11 11 0 0 0 2 3 0 0 .400 220 47.2 60 14 23 0 2 41 2 0 39 36 6.80 1.74
MLB:8年 224 183 1 1 0 76 67 1 6 .531 4802 1148.0 1107 140 337 17 55 931 19 2 520 489 3.83 1.26
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手(P)












2013 WSH 14 6 7 1 2 .929
2014 31 9 25 2 5 .944
2015 40 9 15 0 3 1.000
2016 34 9 36 1 5 .978
2017 32 11 19 1 4 .968
2018 31 7 24 0 0 1.000
2019 CIN 21 10 8 2 1 .900
OAK 10 1 4 0 0 1.000
'19計 31 11 12 2 1 .920
2020 TOR 11 3 2 0 0 1.000
MLB:7年 224 65 140 7 20 .967
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

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  • 59(2013年)
  • 57(2014年 - 2018年)
  • 35(2019年 - 同年7月30日)
  • 60(2019年8月4日 - 同年終了)
  • 14(2020年 - 2021年)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Explaining Nats Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月22日閲覧
  2. ^ Rangers get Guzman from Nats ESPN Chicago
  3. ^ Nationals call up Roark, send Cedeno to Triple-A MLB.com
  4. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、262頁頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  5. ^ 2016 Awards Voting - NL Cy Young Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年11月26日閲覧。
  6. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  7. ^ 所属球団から球数制限も 米国ロアーク4回0封「USAコールに励まされた」 スポニチアネックス (2017年3月23日) 2017年3月23日閲覧
  8. ^ American Beauty: USA dominates PR in final World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  9. ^ MLB史上初の珍トレード成立 ナショナルズとレッズの間で「タナー」が交換に Full-Count (2018年12月13日) 2019年1月15日閲覧
  10. ^ アスレチックス、レッズから先発右腕ロアーク獲得日刊スポーツ 2019年8月1日掲載
  11. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月19日閲覧。
  12. ^ Roark ready to 'kick some butt' with Blue Jays” (英語). MLB.com (2019年12月18日). 2019年12月19日閲覧。
  13. ^ Keegan Matheson (2021年5月1日). “Teoscar returns from COVID IL; Roark DFA” (英語). MLB.com. 2021年5月2日閲覧。
  14. ^ MLB公式プロフィール参照。2021年5月4日閲覧。
  15. ^ Anthony Franco (2021年5月10日). “Braves To Sign Tanner Roark To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年5月21日閲覧。
  16. ^ Steve Adams (2021年6月24日). “Braves Select Jesse Chavez, Tanner Roark” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年6月25日閲覧。
  17. ^ Darragh McDonald (2021年9月5日). “Tanner Roark Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年9月8日閲覧。
  18. ^ FanGraphs - PITCHf/x

関連項目

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外部リンク

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