タチフウロ
タチフウロ(立風露、学名: Geranium krameri)は、フウロソウ科フウロソウ属の多年草[3][4][5][6]。
タチフウロ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Geranium krameri Franch. et Sav. (1878)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
タチフウロ(立風露)[3][4] |
特徴
編集茎は高さ60-80cmになり、直立して分枝する。茎や葉柄に開出するか下向きの粗い毛が生える。根出葉は花期にも少数が残存し、葉柄は長く30cmになる。茎葉は対生、ときに互生し、葉身は腎形から円形で、掌状に5-7中裂または深裂し、裂片は菱形から長楕円形で、さらに1-2回3出状に細かく切れ込み、先端はとがる。葉の表面と裏面の葉脈上に長毛が生え、葉柄は長さ15cmになる。托葉はやや草質となり、褐色、狭三角形で長さ4mmになり、2個が基部で離生する[3][4][5][6]。
花期は7-9月。花は淡紅紫色で径2.5-3cm、茎先または枝先に2個ずつつき、花序柄と花柄に開出毛か下向きの毛が密生する。萼片は5個あり、縦に3-5脈があり、先端は芒状にとがり、外面の脈上に伏毛が生える。花弁は5個あり、やや平らに開き、淡紅紫色に濃紅色の脈が目立ち、花弁基部には白毛が密生する。雄蕊は10個、雌蕊は1個で長さ約8mm、花柱合生部の先端の花柱分枝は長さ5-6mm。花が終わると花柄はやや下向きに下がり、細長い蒴果を上向きにつけ、細毛が生える。染色体数は2n=28[3][4][5][6]。
分布と生育環境
編集日本では、本州の東北地方南部から中部地方、四国、九州に分布し、山地の草地や林縁に生育する[3][4][5][6]。世界では、朝鮮半島、中国大陸東北部、ロシア沿海地方に分布する[6]。
名前の由来
編集和名タチフウロは、「立風露」の意で、茎が直立することによる[3]。「タチフウロ」は古くからある名前で、1856年(安政3年)に出版された飯沼慾斎の『草木図説』前編20巻中第12巻に記載されており、「タチフウロノ名アレ𪜈(トモ).全草直立スルニアラズ.他種ニ比スレバ茎長大ニ𬼀(シテ)ソノ擡起一二尺ニ及ブ」とある[7]。
種の保全状況評価
編集国(環境省)のレッドデータブック、レッドリストの選定はない[9]。
都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[9][10]。
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利用
編集本種と、同属のイチゲフウロ Geranium sibiricum、コフウロ G. tripartitum、イヨフウロ G. shikokianum などは、日本の代表的な民間薬の一つであり、古くから下痢止めとして煎じて飲まれている同属のゲンノショウコ 「現の証拠」 G. thunbergii 同様の目的で使用される[11]。
ギャラリー
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花弁は5個あり、やや平らに開き、淡紅紫色に濃紅色の脈が目立ち、花弁基部には白毛が密生する。
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花柄に開出毛か下向きの毛が密生する。萼片は5個あり、縦に3-5脈があり、先端は芒状にとがり、外面の脈上に伏毛が生える。
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茎に開出するか下向きの粗い毛が生える。左の直立する茎は別植物のもの。
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茎葉の葉身は腎形から円形で、掌状に5-7中裂または深裂し、さらに1-2回3出状に細かく切れ込み、先端はとがる。
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花が終わると花柄はやや下向きに下がり、細長い蒴果を上向きにつけ、細毛が生える。
下位分類
編集脚注
編集- ^ タチフウロ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ タチフウロ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.748
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.298
- ^ a b c d 『原色日本植物図鑑・草本編II』p.89
- ^ a b c d e f 門田裕一 (2016)「フウロソウ科」『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.251-252
- ^ 飯沼慾斎 草木図説前編20巻(12)、タチフウロ、国立国会図書館デジタルコレクション-2023年11月4日閲覧
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1498
- ^ a b タチフウロ、日本のレッドデータ検索システム、2023年11月4日閲覧
- ^ タチフウロ、レッドデータブックおおいた2022、~大分県の絶滅のおそれのある野生生物~、2023年11月4日閲覧
- ^ 門田裕一 (2016)「フウロソウ科」『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.249-251
- ^ a b フシゲタチフウロ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 清水建美 (1982)「フウロソウ科」『日本の野生植物 草本II離弁花類』pp.217-218
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1482, 1507
参考文献
編集- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本II離弁花類』、1982年、平凡社
- 北村四郎・村田源著『原色日本植物図鑑・草本編II(改訂版)』、1984年、保育社
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 日本のレッドデータ検索システム
- タチフウロ、レッドデータブックおおいた2022、~大分県の絶滅のおそれのある野生生物~