タイロス1号(TIROS-1)はアメリカ航空宇宙局が打ち上げた人工衛星。世界初の気象衛星でもある。打ち上げは1960年4月1日ケープカナベラル空軍基地より行われた[3]。運用にはアメリカ国防総省も協力している。

TIROS-1
TIROS-1の内部図
任務種別気象衛星
運用者NASA[1]
ハーバード命名1960 β 2
COSPAR ID1960-002B
SATCAT №29
任務期間75 days (90 days planned)
特性
宇宙機種別TIROS
製造者RCA Astro
打ち上げ時重量122.5キログラム (270 lb)
任務開始
打ち上げ日1 April 1960, 11:40:09 (1960-04-01UTC11:40:09Z) GMT
ロケットThor DM 18-Able II
打上げ場所ケープカナベラル空軍基地のSLC-17発射場
任務終了
最終通信15 June 1960 (1960-06-16)
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
離心率0.00401
近点高度693キロメートル (431 mi)
遠点高度750キロメートル (470 mi)
傾斜角48.40°
軌道周期99.16 minutes[2]
元期1 Apr 1960 11:45:00
搭載機器
広角と狭角の2台のスロースキャンテレビカメラ

地平線センサー

太陽角センサー
タイロス

気象観測を目的とした人工衛星としては初めてのものであり、可視光ビデオカメラが搭載されていた。104度の広角と12度の望遠カメラを搭載している。撮影画像は磁気記録装置に記録され、地上に電送された。衛星本体の形状は円筒形であり、底部にカメラを装備していた。重量は122kg。電力は太陽電池による供給である。軌道は近地点693km、遠地点750km、周期99分、軌道傾斜角48.4度である。

タイロス1号は78日間の運用により、22,952枚の映像を撮影し、ヴァンガード2号により可能性が示されていた衛星軌道からの気象観測が実現できることを示した。

設計

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タイロス1号は高度435.5マイル (700.9 km)から468.28マイル (753.62 km)の円軌道上から気象のテレビジョン画像を取得する技術を試験する目的で設計された[3]。運用は78日間だけだったが(予定よりも15日短かった)宇宙から大気の状態を観測する事を実証し22,952枚の画像を地球へ送った[4]

タイロス1号は全高19インチ (0.48 m)で直径42インチ (1.1 m)[3]で2台のテレビカメラを搭載していて重量は270ポンド (120 kg)で2台の磁気テープ記録機によって通信できない領域で撮影した画像を保管する能力を備えていた。電力は搭載されたバッテリーに9200枚の太陽電池で充電して供給された。

現在Navitarとして知られるElgeet Optical社の光学機器がタイロス1号に搭載された。Elgeet Navitarは8mm F1.5の超広角レンズで10秒枚にスロースキャンカメラで宇宙から空を撮影した。カメラとレンズの組み合わせの重量はわずか4.5ポンドだった。広角レンズによりカメラは高度750マイルの宇宙空間からでも鮮明な画像を得る事が出来た。タイロス1号と地上試験のために設計されたタイロス2号の試作機はスミソニアン航空宇宙博物館のタイロスのモザイクの前に吊り下げられている。(試作機はElgeet Navitarレンズが衛星の底の部分から突出している。)

脚注

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  1. ^ TIROS”. NASA Science. December 8, 2013閲覧。
  2. ^ TIROS 1”. NASA Space Science Data Coordinated Archive. 14 November 2020閲覧。
  3. ^ a b c “U.S. Launches Camera Weather Satellite”. The Fresno Bee (AP and UPI): pp. 1a, 4a. (April 1, 1960) 
  4. ^ Small Satellites: 1960-1969 Archived 2009年7月6日, at the Wayback Machine. from the Surrey Satellite Technology Ltd website

外部リンク

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