セーラー服を脱がさないで
「セーラー服を脱がさないで」(セーラーふくをぬがさないで)は、おニャン子クラブのデビュー曲。1985年7月5日にキャニオン・レコード(現・ポニーキャニオン)から発売された[4]。
「セーラー服を脱がさないで」 | ||||
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おニャン子クラブ の シングル | ||||
初出アルバム『KICK OFF』 | ||||
B面 | 早すぎる世代 | |||
リリース | ||||
ジャンル | アイドル歌謡曲 | |||
レーベル | キャニオン・レコード | |||
チャート最高順位 | ||||
おニャン子クラブ シングル 年表 | ||||
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解説
編集おニャン子クラブが番組アシスタントグループとしてデビューしたフジテレビのバラエティ番組『夕やけニャンニャン』放送開始から3か月後に出されたものの、同じスタッフが関わっていた『オールナイトフジ』番組アシスタントグループのオールナイターズが歌手活動を中心にしたアイドル的な展開を成功させていたことから、それを基にしたおニャン子クラブもデビュー以前の企画当初から歌手活動は計画されていた[5]。作曲・編曲を担当した佐藤準は、以前から面識のあったプロデューサーの石田弘から、直接作曲の依頼があったと証言している。
おニャン子クラブのコンセプトが「女子高生の放課後」であったことから、曲のモチーフをセーラー服とすることに決定され[7]、そこから、秋元康により「セーラー服を脱がさないで」というアイデアと歌詞が提示された[5]。秋元は、過激な歌詞により普通であれば「セーラー服を脱がして」という好きな男子に身を捧げる女子の歌になるところを、それを逆に否定することで、女の子らしい初々しさや可愛さが出てくることを狙ったと語っている[8]。
おニャン子クラブはこの曲の発表時14人の編成となっていたが、4人のフロントボーカルを置き、残りのメンバーはコーラスとバックダンサーに廻った。フロントボーカルに選ばれたのは、新田恵利、中島美春、福永恵規、内海和子。内海和子だけはおニャン子クラブでデビューする前から芸能活動経験があり、平尾昌晃音楽教室に通うなど歌唱レッスンを受けていた経験を持ち合わせていたが、他の三人は未経験であった。当時、国生さゆり、河合その子、城之内早苗らがおニャン子クラブの一員となっていて、国生は『夕やけニャンニャン』のパイロット番組の美少女コーナーで優勝、河合は歌手志望で鍵盤楽器も演奏できる腕前、城之内は幼少のころから民謡を習っていてそれでプロにスカウトされたことなどアドバンテージがあったが、3人はすでにレコード会社はソニー所属であったため、キャニオンレコードでリリースされる本作ではコーラスに廻された。
発売日前日の1985年7月4日、当時のアイドルのイベント場所のメッカ、池袋サンシャインシティ・アルパ噴水広場にて、この曲の発表会&握手会を予定していたが、当初予想された500人を大幅に上回る4000人のファンが駆けつけた為、おニャン子メンバーが怖がってしまい、また現場の混乱をおそれてやむなく中止した[9]。当時のTVCMもこの曲を起用していた。
1986年に滝田洋二郎監督の映画『コミック雑誌なんかいらない!』の挿入歌として使用された。
1986年6月末現在でのシングル売上はレコード会社の公称で51万枚[10]。
2008年にテレビ朝日で放送された『仮面ライダーキバ』の過去編がおニャン子クラブの流行った1986年という設定であったためおニャン子関連の楽曲がよく流れ、その際にもこの曲が流れていた。
2013年にNHKの連続テレビ小説で放送された『あまちゃん』は時代設定の一部がおニャン子クラブの誕生した1985年となっており、そのためこのドラマの中ではこの曲も流れた。
歌詞について
編集1番に「エッチをしたいけど」という歌詞が登場するが、この曲が作詞された当時「エッチ」という語は直截的に性交を意味せず、性的ニュアンスは含むものの、具体的には何を指しているのかよく分からないあいまいな表現であった[注 1][注 2]。当時の「エッチ」という言葉が、「ヘンタイ」という意味とは別に「性行為」の意味として一般に普及することになった楽曲とも言える。アメリカ文学者の舌津智之は本曲について次のように評した。
セーラー服を脱いじゃってから
編集1985年11月21日には、フォーライフ・レコードからオールナイターズの歌唱による「セーラー服を脱いじゃってから」のシングル曲が発売されている。曲は「セーラー服を脱がさないで」と同一であるが、歌詞の内容を変更している。B面は藤江ちゃんとオールナイターズの「いい画面(え)撮ってね、藤江ちゃん!」。
日本航空CM
編集2006年9月から放送された日本航空の「先得割引」のCMで、客室乗務員役の相武紗季がこの楽曲の替え歌「先得割引をのがさないで」を、三谷幸喜と共に振り付けをしながら歌っている[12]。この歌はJAL国内線のハートフルキャンペーン(2006年 - 2007年)の当選者向けの景品として、直筆サイン入りCD(ロングバージョン)が200枚作られた[13]。なお、初期のメンバーであった三上千晶はデビューから2年でグループを脱退し、その後は日本航空に勤めた。それを理由に日本航空CM制作会社はその頃のCMに三上をCMに出演させる考えもあったという逸話がある。
収録曲
編集参加ミュージシャン
編集収録作品
編集- KICK OFF
- PANIC THE WORLD (#1)
- スーパーベスト (#1)
- NON-STOP おニャン子 (#1)
- 家宝 (#1)
- おニャン子クラブ ベスト (#1)
- おニャン子クラブA面コレクション Vol.1 (#1)
- おニャン子クラブB面コレクション Vol.1 (#2)
- MYこれ!クション おニャン子クラブBEST (#1)
- 「おニャン子クラブ」SINGLESコンプリート
- 夢カタログ+シングルコレクション
- おニャン子クラブ大全集 for HiQualityCD 上・下巻 限定CD-BOX
カバー
編集- 浜田翔子(2007年、アルバム『はましょー☆あるばむ〜お手当てしましょーこ〜』収録)
- カバーソング・ドールズ(2007年、アルバム『Cover Song Dolls』収録)
- AKB48 (2010年、TV番組『ショーバト!』にて)
- vip店長(アルバム『no』収録)
- LONG VACATION feat 松野有里巳 宮前真樹 今井佐知子(2012年、アルバム『LONG VACATION 20th Anniversary Collection vol.4』収録)
- SEXY-J(2015年、シングル『セーラー服を脱がさないで』収録)[14]
脚注
編集注釈
編集- ^ 「エッチ」参照。また、当時の見坊, 豪紀『三省堂国語辞典 第三版』三省堂書店、1989年。ISBN 4-385-13165-1。 と現在の見坊, 豪紀『三省堂国語辞典 第七版』三省堂書店、2014年。ISBN 978-4-385-13926-5。における「エッチ」の語釈を比較すると、性交の意が加えられている。
- ^ 『現代用語の基礎知識』(自由国民社)1986年版においては、『エッチする』は「エッチなことをする。おさわりする。」とあり、『エッチ』は「わいせつな。好色的な。下品な。」とあり、直截的に性交を意味していない。
出典
編集- ^ オリコンランキング情報サービス you大樹
- ^ ザ・ベストテン~甦る!80'sポップスHITヒストリー~ 2004, p. 134.
- ^ オリコン年鑑'86 1986, p. 334.
- ^ オリコン年鑑'86 1986, p. 186.
- ^ a b おニャン子クラブと永遠のグループアイドル 2003, p. 8-9.
- ^ 川瀬・吉田・梶田・田渕 2016, p. 132.
- ^ おニャン子白書 1987, p. 68.
- ^ 天才 秋元塾 1986, p. 12.
- ^ おニャン子白書 1987, p. 170.
- ^ 「おニャン子旋風 不況レコード界の“救世主”」『朝日新聞』1986年7月17日付東京夕刊、15頁。
- ^ おニャン子クラブと永遠のグループアイドル 2003, p. 84-85.
- ^ 紗季スマイルで“新生JAL”をPR(2ページ目)、All About旅行、更新日:2006年10月2日。
- ^ https://press.jal.co.jp/ja/release/200611/000336.html JALグループ、国内線「JALハートフルキャンペーン」を展開!]、JAL企業サイト、2006年11月13日。
- ^ セクシーJ 『セーラー服を脱がさないで【通常盤】 』 | SPACE SHOWER MUSIC
参考文献
編集- 『おニャン子白書』フジテレビ出版、1987年8月24日。ISBN 4-594-00169-6。C0076。
- 『オリコン年鑑'86 ―歌謡音楽のすべて』オリジナルコンフィデンス、1986年5月1日。ISBN 4-87131-017-5。C0002。
- 『キミもなれるぞ!おニャン子成金 天才 秋元塾』フジテレビ出版、1986年3月10日。ISBN 4-89353-077-1。C1076。
- 川瀬康雄、吉田格、梶田昌史、田渕浩久『ニッポンの編曲家』DU BOOKS、2016年4月1日。ISBN 978-4-907583-79-8。C0073。
- 『別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン~甦る!80'sポップスHITヒストリー~』角川書店〈カドカワムック〉、2004年12月20日。ISBN 4-04-894453-3。C9476。
- 『別冊宝島907 音楽誌が書かないJポップ批評31 おニャン子クラブと永遠のグループアイドル』宝島社〈別冊宝島〉、2003年11月28日。ISBN 4-7966-3691-9。C9473。