セルビア陸軍
セルビア軍の陸軍部門
セルビア陸軍(セルビア語: Копнена војска Србије / Kopnena vojska Srbije)は、セルビア軍の陸軍である。セルビアの主権と領土の防衛、平和維持活動への参加、そして人道支援や災害救援を任務とする。 セルビア軍は、セルビア公国がオスマン帝国の自治公国となった1830年に設立され、1918年に、新たに誕生したユーゴスラビアに編入された。 現在のセルビア軍は、 セルビアが独立を回復した2006年から活動している。
セルビア陸軍 | |
---|---|
Копнена војска Србије Kopnena vojska Srbije | |
セルビア陸軍の紋章 | |
活動期間 |
1808年~現在 (2006から現在の組織) |
国籍 | セルビア |
兵科 | 陸軍 |
兵力 | 17,850[1] |
上級部隊 | セルビア軍 |
司令部 | アレクサンダル1世広場、 ニシュ |
記念日 | 11月16日 |
主な戦歴 |
セルビア蜂起 セルビア=トルコ戦争 (1876–1878) 露土戦争 (1877年-1878年) セルビア=ブルガリア戦争 バルカン戦争 第一次世界大戦 対ソ干渉戦争 第一次世界大戦 第二次世界大戦 ユーゴスラビア紛争 |
指揮 | |
参謀総長 |
中将 ミロサフ・シモヴィッチ |
上級曹長 |
一等准尉 ネナード・ステヴィチュ |
著名な司令官 |
ラドミール・プートニク陸軍元帥 ステーパ・ステパノヴィッチ陸軍元帥 ジヴォイン・ミシッチ陸軍元帥 ペーター・ボヨヴィッチ陸軍元帥 |
現在
編集セルビア軍は、セルビア軍の軍種のうち最大規模のものである。 約17,850の常備兵力を有し、加えて50,000の予備兵力を有する。[2] 2011年1月1日に徴兵制が停止し、職業軍人と志願兵のみで構成される。
第2、第3、第4旅団は、中央セルビアと、領有権未決のコソボを結ぶ行政区画境界線に沿った、地上安全地帯(Ground Safety Zone; GSZ)の防衛を担当する[注釈 1]。 地上安全地帯は、長さは384km、総面積は約1,920km2に及ぶ。 地上安全地帯には、20箇所以上のキャンプとセキュリティチェックポイントがある。[3]
編成と組織
編集2006年の再編以降、セルビア軍は6つの主要旅団により編成される。 各旅団は、10個大隊で編成される。内容は、1個司令部大隊、1個装甲大隊、2個機械化大隊、2個歩兵大隊、1個自走砲兵大隊、1個自走多連装ロケット砲兵大隊、1個防空砲兵大隊、 1個戦闘工兵大隊と1個兵站大隊である。
- 陸軍司令部 (ニシュ)
- 第1旅団 (ノヴィ・サド)
- 第10司令部大隊
- 第11歩兵大隊
- 第111歩兵大隊
- 第12自走砲兵大隊
- 第13自走多連装ロケット砲兵大隊
- 第14防空砲兵大隊
- 第15戦車大隊
- 第16機械化大隊
- 第17機械化大隊
- 第18戦闘工兵大隊
- 第19兵站大隊
- 第2旅団 (クラリェヴォ)
- 第20司令部大隊
- 第21歩兵大隊
- 第22歩兵大隊
- 第23自走砲兵大隊
- 第24自走多連装ロケット砲兵大隊
- 第25防空砲兵大隊
- 第26戦車大隊
- 第27機械化大隊
- 第28機械化大隊
- 第29兵站大隊
- 第210戦闘工兵大隊
- 第3旅団 (ニシュ)
- 第30司令部大隊
- 第31歩兵大隊
- 第32歩兵大隊
- 第33自走榴弾砲兵大隊
- 第34多連装ロケット砲兵大隊
- 第35防空砲兵大隊
- 第36戦車大隊
- 第37機械化大隊
- 第38機械化大隊
- 第39兵站大隊
- 第310戦闘工兵大隊
- 第4旅団 (ヴラニェ)
- 第40司令部大隊
- 第41歩兵大隊
- 第42歩兵大隊
- 第43自走榴弾砲兵大砲
- 第44自走多連装ロケット砲兵大隊
- 第45防空砲兵大隊
- 第46戦車大隊
- 第47機械化大隊
- 第48機械化大隊
- 第49兵站大隊
- 第410戦闘工兵大隊
- 混成砲兵旅団 (ニシュ)
- 司令部大隊
- 混合多連装ロケット砲兵大隊
- 第1榴弾砲兵大隊
- 第2榴弾砲兵大隊
- 第3榴弾砲兵大隊
- 第69兵站大隊
- 河川艦隊 (ノヴィ・サド)
- 司令部中隊
- 第1河川独立班
- 第2河川独立班
- 第1ポンツーン大隊
- 第2ポンツーン大隊
- 兵站中隊
装備
編集装甲戦闘車両
編集2018年末の時点で、セルビア軍は414輌の戦車を有していたが、ロシアからT-72戦車を30輌寄贈されることになっている。[6]
- M-84主力戦車(212輌)[7]
- T-72主力戦車(13輌+48輌)
- T-54 / T-55主力戦車(141輌)(保管中)。2010年にカンボジアに60輌、[8] 2015年に282輌(パキスタンと考えられる)、2017年にイラクに30輌寄付された。 [9] [10] [11] 2018年に29輌を武器輸出業者に販売した。 [12]
- BVP M-80歩兵戦闘車(542輌)[13]
- BOV M-86装甲兵員輸送車(52輌以上)軍警察が使用する。
- BTR-50装甲兵員輸送車(30輌)
- BRDM-2軽装甲車両(36輌)
- ハンヴィー軽装甲車両(40輌)[14]
- BOV M11軽装甲車両(12輌以上)
- ラザー装甲車多用途軍用車両(8輌以上)
- MT-LBu (32輌)
火砲
編集- D-30 榴弾砲(保管中) [13]
- M-46 カノン砲
- M84 ノーラ榴弾砲
- 2S1 グヴォズジーカ
- M-63 プラメン
- M-77 オガンジ
- M-87 オルカン
- ノーラ B-52
- LRSVM モラヴァ
対戦車兵器
編集- M79 オサ対戦車ミサイルランチャー[13]
- M80 ゾルジャ対戦車ミサイルランチャー
- 携帯式発射機(9P111)と9M14-2T マリュートカ対戦車ミサイルシステム [15]
- 9M14-2T マリュートカ対戦車ミサイルシステムを搭載したPOLO M-83
- 9K111 ファゴット対戦車ミサイルシステム
対空兵器
編集- ボフォース L/70機関砲。M85 ジラフにより誘導。 [13]
- M53/59 プラガ
- 9K31 ストレラ-1
- 9K35 ストレラ-10
- 9K38 イグラ
- 9K32 ストレラ-2
- 96K6 パーンツィリ-S1
- S-125M ネヴァーM
- 2K12M クープM
- ハーパス機動防空システム
小火器
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ http://www.pecat.co.rs/2015/03/miroslav-lazanski-doktrina-ministra-gasica/
- ^ “2018 Serbia Military Strength”. globalfirepower.com. July 30, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。May 5, 2018閲覧。
- ^ “NATO for suspension of security zone in Kosovo”. Blic Online (January 20, 2009). February 16, 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月21日閲覧。
- ^ “Plan of the Serbian Army participation in peace operations approved”. International Radio Serbia (December 24, 2012). January 2, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。December 31, 2012閲覧。
- ^ “Army improves Serbia's global reputation”. B92 (December 20, 2012). January 2, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。December 31, 2012閲覧。
- ^ Srna (December 2, 2017). “Srbija od Rusije dobija 30 tenkova” (セルビア語). Nezavisne novine. 8 May 2019閲覧。
- ^ sisteme. “Војска Србије | Наоружање Копнене војске | Оклопно-борбена средства | Тенк М84”. www.vs.rs. 2012年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。19 March 2018閲覧。
- ^ “SIPRI Arms Transfers Database | SIPRI”. www.sipri.org. 2018年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。19 March 2018閲覧。
- ^ “SRBIJA RASPRODAJE NAORUŽANJE: Vojska nudi 480 tenkova, 220 oklopnih vozila, 200 haubica...” (セルビア語). kurir.rs. オリジナルの2018年3月19日時点におけるアーカイブ。 19 March 2018閲覧。
- ^ Beta. “Vojska Srbije prodaje 480 tenkova, oklopnih vozila i drugo naoružanje” (セルビア語). Politika Online. オリジナルの2018年3月20日時点におけるアーカイブ。 19 March 2018閲覧。
- ^ Lazanski, Miroslav. “Tenkovi na poklon” (セルビア語). Politika Online. オリジナルの2018年1月28日時点におけるアーカイブ。 27 January 2018閲覧。
- ^ Tašković. “Srbija prodala 29 starih tenkova IZVOZNIKU ORUŽJA” (セルビア語). Blic.rs. 8 May 2019閲覧。
- ^ a b c d e “Armaments – armaments names in this reference are links with detailed explanation read them to clarify technical and other details”. Serbian Armed Forces. 2014年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。10 April 2019閲覧。
- ^ “Course for operating off-road vehicles Hummer”. Serbian Armed Forces (February 7, 2013). January 16, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。May 11, 2013閲覧。
- ^ “Војска Србије – Наоружање Копнене војске – Противоклопна средства – Противоклопна вођена ракета МАЉУТКА”. January 16, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。December 23, 2014閲覧。
- ^ “New modular 6.5/7.62 mm rifle in the armament of the Serbian Armed Forces”. セルビア国防省 (2020年8月4日). 2024年10月24日閲覧。
関連項目
編集- セルビア軍参謀本部の直属部隊。