ジャドゥゴダ
ジャドゥゴダ(英語:Jadugora,Jadugoda)は、インドのジャールカンド州東スィンブーム県の都市である。ジャムシェードプルの南東約30kmに位置している。ジャドゥゴダ、ジャドゴダ、ジャドゴラ等と表記される。
ジャドゥゴダ জাদুগড়া Jadugora | |
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座標 : 北緯22度39分0秒 東経86度22分0秒 / 北緯22.65000度 東経86.36667度 | |
行政 | |
国 | インド |
州 | ジャールカンド州 |
県 | 東スィンブーム県 |
市 | ジャドゥゴダ |
人口 | |
人口 | (2001年現在) |
市域 | 19003人 |
その他 | |
等時帯 | インド標準時 (UTC+5:30) |
インド・ウラン公社 (UCIL) は、1960年代から近郊のウラン鉱床の開発を始め、現在ジャドゥゴダ鉱山 (Jadugoda)、Bhatin、Narwapahar鉱山などの鉱山で採掘をしている。これらのインドウラン鉱山に付設の精錬工場とともに、同国の原子力発電を支え、核兵器開発の基礎を与えてきた。新たにTummalapalle鉱山(アーンドラ・プラデーシュ州カダパ)が開発された。
放射能被害問題
編集ジャールカンド反放射能同盟 (Jharkhandhi Organization Anti Radiation ; JOAR) の調査によれば、鉱滓池から1kmの範囲内に7つの村があり、そこでは47%の女性が月経不順に悩み、18%の女性は5年以内に流産あるいは死産を経験した、女性の3分の1は不妊であり、住民の間には皮膚病やがん、先天的異常などが多発している、という。そして闘争の結果、州保健局による健康診断がなされるようになり、診断を受けた鉱滓池近くの住民712人のうち32人が放射線による疾病の疑いをもたれた[1]。
ジャールカンド州出身の映像作家シュリプラカッシュは、当地の放射能被害を取材し、3年半かけてドキュメンタリー映画『ブッダの嘆き』"Buddha Weeps in Jadugoda" を製作、1999年公開された[2]。映画は、鉱山付近に巨大な鉱滓池が作られ、その内外で生活せざるを得ない先住民たちにさまざまな疾病が生じていること、特に子どもの先天的障碍は深刻であることを伝えている。
脚注
編集- ^ 小出裕章「苦難の先住民 インド・ジャドゥゴダ・ウラン鉱山」(2002年2月14日記)
- ^ 2000年3月、日本の第8回EARTH VISION 地球環境映像祭で大賞を受賞。同年8月13日、NHK BS1で「ブッダの嘆き~ウラン公害に立ち向かう先住民」として放映された
外部リンク
編集- ブッダの嘆き基金(ジャドゥゴダ核被害者を支援する会)
- 森住卓 「インド東部ジャドゴダ・ウラン鉱山の村 『それでも、ブッダは微笑むのか?』 核に苦しむ先住民」
- 「ジャドゥゴダ調査旅行メモ」京都大学原子炉実験所 小出裕章 『ノーニュークス・アジアフォーラム通信』No.62(03年6月20日発行)
- 小出裕章「ウランを利用することで生じる被曝 インド・ジャドゥゴダウラン鉱山の汚染を中心にして」第94回原子力安全問題ゼミ 2003/8/26(PDF)
- 「インド・ジャドゥゴダの住民たち」京都大学原子炉実験所 小出 裕章 2003年10月8日記 (PDF)
- 小出裕章「インド、ジャドゥゴダ・ウラン鉱山の放射能汚染と課題」『原子力資料情報室通信』No.353号 2003/11/1 (PDF)
- 「インド・ジャドゥゴダ ウランが染みる村」 週刊朝日 2012年6月8日号