ジャック・ペラン

フランスの俳優、映画監督 (1941 - 2022)

ジャック・ペランJacques Perrin1941年7月13日 - 2022年4月21日[1])は、フランス俳優映画製作者。フランス、イタリアで活躍する、端正な顔立ちと繊細な演技で知られる俳優である。映画製作者としても高い評価を得た。

ジャック・ペラン
Jacques Perrin
Jacques Perrin
2009年
本名 Jacques André Simonet
別名義 Jacques Simonet
生年月日 (1941-07-13) 1941年7月13日
没年月日 (2022-04-21) 2022年4月21日(80歳没)
出生地 フランスの旗 フランス パリ
国籍 フランスの旗 フランス
職業 俳優、映画製作者
ジャンル 映画
活動期間 1957-
著名な家族 マチュー・シモネ (息子)
マクサンス・ペラン (息子)
ランスロ・ペラン (息子)
クリストフ・バラティエ (甥)
主な作品
Z』(1969年)
タタール人の砂漠』(1976年)
受賞
ヴェネツィア国際映画祭
男優賞
1966年Un Uomo a metà』『La Busca
セザール賞
プロデューサー賞
第22回『ミクロコスモス
その他の賞
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略歴

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パリ出身。本名はジャック・アンドレ・シモネ(Jacques André Simonet)。ペランは母方の姓である。祖父はコメディ・フランセーズの演出家、父は同劇団の舞台美術家アレクサンドル・シモネ、母は舞台女優。

パリフランス国立高等演劇学校コンセルヴァトワール)で演技を学び優等で卒業。1957年、本名のジャック・シモネ名義で映画デビューしたのち、1960年にイタリアの映画監督ヴァレリオ・ズルリーニの『鞄を持った女』に出演、注目を浴びる。同じズルリーニ監督の『家族日誌』でマルチェロ・マストロヤンニの弟を演じ、世界的に知られた存在になる(マストロヤンニとは1990年に『みんな元気』で再び共演したが、その際は親子の役だった)。

1966年には『半人前の男』と『ラ・ブスカ』の2作品でヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞(2作品とも日本では未公開)。ジャック・ドゥミ監督の『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)や、ボリス・ヴィアン原作の『うたかたの日々』(1968年)にも出演、確かな演技力と美青年ぶりからアイドル的人気を博す。

27歳の時に映画スタジオを立ち上げ、初プロデュース作品となるコスタ=ガヴラス監督の『Z』で1969年アカデミー外国語映画賞を受賞。その後も積極的に映画製作を行い、『戒厳令』『ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー』など政治的な作品の製作を手掛けた。その傍ら、ズルリーニ監督の遺作となった『タタール人の砂漠』、アラン・ドロン共演の『復讐のビッグガン』、『サロメの季節』などに出演するが、儚げな雰囲気と幼さの残る風貌のためか、青年から大人の男に脱しきれないという感が拭えなかった。しかし、1989年の『ニュー・シネマ・パラダイス』で、成長したトト役を演じ、あらためて存在感を示した。

1995年には、映画誕生100周年を記念した『リュミエールの子供たち』を製作。ドキュメンタリー手法を用いた作品も発表し、1996年には『ミクロコスモス』でセザール賞プロデューサー賞を受賞、2002年には『WATARIDORI』でアカデミー賞ドキュメンタリー長編部門にノミネートされた。

近年は、プロデューサーとしての活躍が多いが、映画出演とともに、80年代半ばからはテレビドラマにも出演しているほか、パリで多くの舞台にも立った。

2022年4月21日、パリで80歳で死去したことが家族によって伝えられた。死因は公表されていない。[2] 4月29日にアンヴァリッドホテルで営まれた葬儀にはコスタ=ガヴラス、アンソニー・ドロン、フロランス・パルリブリジット・マクロン、海洋学者のフランソワ・サラノらが参列、遺灰は海に撒かれた[3]

2022年3月公開の“Goliath”が最後の出演作となった。

私生活

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私生活では三児の父で、長男のマチュー・シモネは写真家で俳優、脚本も書き、監督作品もある。次男のマクサンス・ペランはフランス映画『コーラス』に、三男のランスロ・ペランは『オーシャンズ』に出演している。

姉は女優のエヴァ・シモネ。音楽家で映画監督のクリストフ・バラティエはエヴァの息子で、ジャックの甥にあたる。

主な出演作品

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1960 真実
La vérité
ジェローム
1961 童貞物語
Les nymphettes
フェリペ
鞄を持った女
La ragazza con la valigia
ロレンツォ
1962 家族日誌
Cronaca Familiare
ロレンツォ
1963 堕落
La Corruzione
ステファノ
1964 恋のなぎさ
La Calda Vita
フレディ
1965 七人目に賭ける男
Compartment Tueurs
ダニエル
1966 ラ・ブスカ
La Busca
マヌエル ヴェネチア国際映画祭男優賞 受賞(『半人前の男』と共に)
半人前の男
Un Uomo a metà
ミシェル ヴェネチア国際映画祭男優賞 受賞(『ラ・ブスカ』と共に)
1967 ロシュフォールの恋人たち
Les Demoiselles de Rochefort
マクサンス
奇襲戦隊
Un homme de trop
Kerk
未青年
La Grand Dadais
Alain Quesnard
1968 うたかたの日々
L'Écume des jours
コリン
ふたりだけの夜明け
Vivre la nuit
フェリペ
1969 Z
Z
ジャーナリスト 製作・出演
1970 ロバと王女
Peau d'ane
王子
1972 戒厳令
État de siège
電話オペレーター 製作・出演
1976 タタール人の砂漠
Il Deserto dei Tartari
Drogo 製作・出演
1980 レッド・ベレー/史上最強の傭兵部隊
La légion saute sur Kolwezi
1981 蒼い本能
La disubbidienza
ダリオ
1982 戦争と名誉
L'honneur d'un capitaine
カロン
1984 サロメの季節
L'Année des Méduses
ヴィク
1985 復讐のビッグガン
Parole de flic
ステファン・ライネル警部
1988 カレン族独立戦争/巨象の密林
Médecins des homes: Les Karens
ジュリアン テレビシリーズ
フォース・オブ・ラブ
Médecins des homes: Mer de Chine: Le pays pour mémoire
ジュリアン テレビシリーズ
監督・出演
ニュー・シネマ・パラダイス
Nuovo cinema Paradiso
サルヴァトーレ
1990 ファイナルゾーン
Fuga dal paradiso
Eliseo
1992 タッチ&ダイ/プルトニウム239追跡指令!
Touch and Die
Steuben テレビ映画
フライト・オブ・ジ・イノセント
La Corsa dell'innocente
Davide Rienzi
1993 プロヴァンスの秘密
Le Château des oliviers
Pierre Séverin 連続テレビドラマ、NHK衛星第2テレビジョンで放映
2000 少女首狩事件
Scènes de crimes
Commissaire divisionnaire
2001 ジェヴォーダンの獣
Le Pacte des loups
Thomas Agé
2004 コーラス
Les Choristes
ピエール・モランジュ 製作・出演
2005 美しき運命の傷痕
L'enfer
フレデリック
2007 ロンギヌスの槍を追え!
La lance de la destinée
デヴィッド・レヴィ テレビ・ミニシリーズ
2008 HOLD UP!
Hold-up à l'italienne
ヴィクター テレビ映画
2018 家なき子 希望の歌声
Rémi sans famille
壮年期レミ

日本劇場公開日 2020年11月20日[4]

製作

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公開年 邦題
原題
担当 備考
1995 リュミエールの子供たち
Les enfants de Lumière
製作 ドキュメンタリー
1996 ミクロコスモス
Microcosmos: Le peuple de l'herbe
製作 ドキュメンタリー
セザール賞プロデューサー賞 受賞
1999 キャラバン
Himalaya - l'enfance d'un chef
製作 ドキュメンタリー
2001 WATARIDORI
Le Peuple Migrateur
製作・総監督・ナレーション ドキュメンタリー
2008 幸せはシャンソニア劇場から
Faubourg 36
製作
2009 オーシャンズ
Océans
監督・製作 ドキュメンタリー
セザール賞ドキュメンタリー賞 受賞
2016 シーズンズ2万年の地球旅行
Océans
監督・製作 ドキュメンタリー

参照

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  1. ^ È morto l'attore francese Jacques Perrin, noto soprattutto per il suo ruolo in “Nuovo Cinema Paradiso””. Il Post (2022年4月21日). 2022年4月21日閲覧。
  2. ^ Mort de Jacques Perrin, comédien et chevalier blanc de la production indépendante”. "Le Monde" (21 April 2022). 13 January 2023閲覧。
  3. ^ Jacques Perrin savait que les risques sont faits pour être pris”. "Paris Match" (21 April 2022). 13 January 2023閲覧。
  4. ^ 家なき子 希望の歌声(日本公式サイト)

外部リンク

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