ジャスティンミラノ
ジャスティンミラノ(欧字名:Justin Milano、2021年4月9日 - )は、日本の競走馬[1]。2024年の皐月賞、共同通信杯の勝ち馬である。
ジャスティンミラノ | |||||||||
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第84回皐月賞優勝時(2024年4月14日) | |||||||||
欧字表記 | Justin Milano[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡[1] | ||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2021年4月9日(3歳)[1] | ||||||||
抹消日 | 2024年11月15日[2] | ||||||||
父 | キズナ[1] | ||||||||
母 | マーゴットディド[1] | ||||||||
母の父 | Exceed And Excel[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | ||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | 三木正浩[1] | ||||||||
調教師 | 友道康夫(栗東)[1] | ||||||||
調教助手 |
山田正和 藤本純 | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 4戦3勝[1] | ||||||||
獲得賞金 | 4億306万9000円[1] | ||||||||
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戦績
編集2歳(2023年)
編集2023年9月22日、栗東トレーニングセンターにてゲート試験を行い、合格する[4]。10月17日、ノーザンファームしがらきから友道康夫厩舎に帰厩した[5]。11月18日、東京競馬場第5レースの2歳新馬戦(芝2000m)で、鞍上トム・マーカンドにてデビュー。前団に付けてレースを進め、直線で後続を突き放し、新馬勝ちを収めた[6][7]。調教師の友道はこの勝利でJRA通算700勝を達成した[8]。
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新馬戦出走時
3歳(2024年)
編集共同通信杯
編集3歳シーズンは初の重賞挑戦となる共同通信杯(GIII)より始動。道中ではスローペースとなり、ジャンタルマンタルやエコロヴァルツ、ミスタージーティーなど有力馬の折り合いがつかない中、冷静に前方から2番手を追走。直線では鞍上の鞭に反応し加速。前方を走るパワーホールを交わし、重賞初制覇を飾った[9]。2月28日、陣営はイギリスダービーへの登録を発表したが[10]、出走は行わなかった。
皐月賞
編集次走には4月14日の皐月賞を選択[11]。競走の前週に調教パートナーであった藤岡康太が落馬事故により急死する中で出走を迎えた[12]。レースでは好スタートを切ると、馬群の中団を追走。最後の直線に入ると、先頭を走るジャンタルマンタルを差し切り、外をついて追ってきたコスモキュランダの追撃も抑えて勝ち時計1分57秒1のレコードタイムで勝利。GI初勝利を挙げた[13]。騎乗した戸崎圭太は「2週前、1週前と康太が攻め馬をつけてくれた馬。競馬場で馬の状態について事細かく教えてもらっていました。(勝利は)康太が後押ししてくれたとつくづく思います」と話し[14]、友道も涙ながらに「この勝利は彼のおかげです」と[15]、それぞれ藤岡への想いを語った。また、この勝利によってキズナ産駒は八大競走・クラシック競走初制覇を達成した[16]。
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皐月賞入線直後
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皐月賞口取り式
東京優駿
編集次走は優先出走権を獲得した東京優駿(日本ダービー)を選択[17]。単勝オッズは2.2倍の1番人気と、無敗の2冠への期待がかけられていた。レースではエコロヴァルツが先頭で引っ張る中、序盤から前目に付け追走。中盤は後方から上がってきたサンライズアースやコスモキュランダ等に包まれ馬群の中へ。最終直線に入ると馬群を抜け、先に抜け出したダノンデサイルを追ったものの交わせず2着となり[18]、無敗での2冠達成とはならなかった[19]。7月9日、菊花賞には向かわず、古馬との初対決となる天皇賞(秋)への直行を発表した[20]。
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東京優駿パドック
故障、そして電撃引退
編集夏はノーザンファームしがらきへ放牧[21]。休養の後に帰厩し、9月15日から古馬との初対決となる天皇賞(秋)に向けて順調に調整を進めていた。しかし、10月11日に右前浅屈腱炎を発症している事が判明し、今後9か月以上の休養を要する見込みとJRAにより発表された。これにより北海道で再び放牧に出され、療養することとなっていたが[22]、11月14日、管理する友道より現役引退が発表された。友道は「競走成績は4戦3勝と立派なものですし、ダービーもいい競馬をしてくれた」「特に皐月賞で、あの位置から長くいい脚を使って差し切ったというのは、本当に心肺機能が高い馬だからこそ。精神的にも落ち着いた馬でした」「これからだと思っていたので残念ですが、フレッシュなうちに種馬になったので、その長所を子どもたちに伝えていってくれればと思います」とコメントした[23]。翌15日付でJRAの競走馬登録が抹消され、引退後は北海道沙流郡日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬として供用が決まった[24]。
競走成績
編集以下の内容は、netkeiba.com[25]およびJBISサーチ[26]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2023.11.18 | 東京 | 2歳新馬 | 芝2000m(良) | 14 | 7 | 11 | 3.5 (2人) | 1着 | 2:02.0(33.4) | -0.3 | T.マーカンド | 56 | (ヘデントール) | 500 | |
2024. 2.11 | 東京 | 共同通信杯 | GIII | 芝1800m(良) | 10 | 7 | 8 | 6.6 (4人) | 1着 | 1:48.0(32.6) | -0.2 | 戸崎圭太 | 57 | (ジャンタルマンタル) | 502 |
4.14 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 17 | 7 | 13 | 4.8 (2人) | 1着 | R1:57.1(34.7) | 0.0 | 戸崎圭太 | 57 | (コスモキュランダ) | 512 |
5.26 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 17 | 7 | 15 | 2.2 (1人) | 2着 | 2:24.7(33.9) | 0.4 | 戸崎圭太 | 57 | ダノンデサイル | 512 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
血統表
編集ジャスティンミラノの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系(ヘイロー系) |
[§ 2] | ||
父 キズナ 2010 青鹿毛 |
父の父 ディープインパクト2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
*ウインドインハーヘア | Alzao | |||
Burghclere | ||||
父の母 *キャットクイルCatequil 1990 鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird | ||
Terlingua | ||||
Pacific Princess | Damascus | |||
Fiji | ||||
母 *マーゴットディド Margot Did 2008 鹿毛 |
Exceed And Excel 2000 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | ||||
Patrona | Lomond | |||
Gladiolus | ||||
母の母 Special Dancer1997 鹿毛 |
Shareef Dancer | Northern Dancer | ||
Sweet Alliance | ||||
Caraniya | Darshaan | |||
Callianire | ||||
母系(F-No.) | マーゴットディド(IRE)系(FN:13-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 5×5・5・4 | [§ 4] | ||
出典 |
- 母のマーゴットディドは2011年のナンソープステークスの勝ち馬[29]。
- 半姉のMission Impassible(2015年生 父ガリレオ)は2018年仏G2サンドリンガム賞の勝ち馬。
- 半姉のMagic Attitude(2017年生 父ガリレオ)は2020年米G1ベルモントオークスの勝ち馬。
- そのほかの近親はフリゼット#トゥールジマ牝系を参照。
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ジャスティンミラノ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年2月11日閲覧。
- ^ 「ジャスティンミラノの競走馬登録抹消」『日本中央競馬会』。2024年11月15日閲覧。
- ^ “競走馬情報 ジャスティンミラノ”. 日本中央競馬会. 2024年2月11日閲覧。
- ^ 「サラフィナの2021(カルデア)など、先週のゲート試験/栗東トレセンニュース」『netkeiba.com』2023年9月26日。2024年11月16日閲覧。
- ^ 「ミッキーゴージャスなど、先週の入厩情報/栗東トレセンニュース」『netkeiba.com』。2024年11月15日閲覧。
- ^ 「【2歳新馬】キズナ産駒のジャスティンミラノが完勝 マーカンド「強い馬ですね」」『東京スポーツ』2023年11月18日。2024年3月3日閲覧。
- ^ 「【東京5R新馬戦結果】キズナ産駒のジャスティンミラノがデビューV!」『netkeiba.com』2023年11月18日。2024年3月3日閲覧。
- ^ 「友道康夫調教師がJRA通算700勝を達成 東京5Rでジャスティンミラノが勝利」『スポーツ報知』2023年11月18日。2024年9月21日閲覧。
- ^ 「【共同通信杯結果】ジャスティンミラノが無傷2連勝! 2歳王者ジャンタルマンタルは2着」『netkeiba.com』2024年2月11日。2024年3月3日閲覧。
- ^ 「共同通信杯を制したジャスティンミラノが英ダービーに登録」『サンスポZBAT!』2024年2月28日。2024年3月3日閲覧。
- ^ 「ジャスティンミラノ2歳王者止めた!皐月賞直行、友道厩舎から今年もクラシック候補/共同通信杯」『日刊スポーツ』2024年2月12日。2024年4月14日閲覧。
- ^ 「皐月賞 ジャスティンミラノが優勝 落馬で死去の藤岡騎手が調教」『NHK NEWS WEB』2024年4月14日。
- ^ 「【皐月賞】ジャスティンミラノG1初制覇!レースレコードでの無傷3連勝で頂点へ」『スポーツニッポン』2024年4月14日。2024年4月14日閲覧。
- ^ 「【皐月賞】藤岡康騎手が調教つけたジャスティンミラノ無敗V「康太が後押ししてくれた」戸崎騎手」『日刊スポーツ』2024年4月14日。2024年4月14日閲覧。
- ^ 【皐月賞】「康太っ!康太っ!」ジャスティンミラノの友道師叫んだ「彼のおかげ」 日刊スポーツ、2024年4月15日、同日閲覧
- ^ 「【皐月賞】ジャスティンミラノが1分57秒1の驚愕レコードタイムで1冠目奪取」『サンスポZBAT!』2024年4月14日。2024年4月14日閲覧。
- ^ 「「1強」ジャスティンミラノ、史上6頭目の無敗2冠へ 26日に第91回日本ダービー」『産経新聞』2024年5月25日。2024年9月5日閲覧。
- ^ 「【日本ダービー】ジャスティンミラノは完全燃焼も初黒星2着 戸崎圭は自身3度目の2着に「申し訳ない」」『東京スポーツ』2024年5月26日。2024年9月5日閲覧。
- ^ 「【ダービー】ジャスティンミラノ2着で無敗2冠ならず「内から1頭来られて…申し訳ない」」『日刊スポーツ』2024年5月26日。2024年9月5日閲覧。
- ^ 「ジャスティンミラノは天皇賞・秋に直行 鞍上は戸崎圭 友道調教師「距離適性も考えて」【次走報】」『東京スポーツ』2024年7月9日。2024年9月21日閲覧。
- ^ 「ダービー2着ジャスティンミラノは放牧へ 友道師「レース後も全然問題ないです」/有力馬情報」『日刊スポーツ』2024年5月28日。2024年11月15日閲覧。
- ^ 「【注目馬動向】皐月賞馬ジャスティンミラノが右前浅屈腱炎 天皇賞・秋は回避 全治9か月以上」『スポーツ報知』2024年10月11日。2024年11月15日閲覧。
- ^ 「皐月賞馬ジャスティンミラノが引退、今後は種牡馬に 友道師「長所を子供たちに伝えていってくれれば」」『サンスポZBAT!』2024年11月14日。2024年11月15日閲覧。
- ^ 「皐月賞馬ジャスティンミラノが右前浅屈腱炎で引退 ブリーダーズSSで種牡馬入り/有力馬情報」『日刊スポーツ』2024年11月14日。2024年11月15日閲覧。
- ^ “ジャスティンミラノの競走成績”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2024年2月11日閲覧。
- ^ “ジャスティンミラノ 競走成績”. JBISサーチ. 2024年2月11日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ジャスティンミラノ”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年2月11日閲覧。
- ^ a b c “ジャスティンミラノの血統表|競走馬データ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2024年2月11日閲覧。
- ^ “マーゴットディド(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年2月11日閲覧。