ジャボン・フランシス

ジャマイカの陸上競技選手 (1994-)

ジャボン・フランシス(Javon Francis、1994年12月14日 ‐ )は、ジャマイカキングストン出身の陸上競技選手。専門は短距離走400m。自己ベストはジャマイカ歴代5位タイの44秒50。2016年リオデジャネイロオリンピック男子4×400mリレーの銀メダリストである。

ジャボン・フランシス Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Javon Francis
愛称 ドンキーマン
国籍 ジャマイカの旗 ジャマイカ
競技 陸上競技短距離走
種目 400m
所属 ジャマイカの旗 Akanトラッククラブ
生年月日 (1994-12-14) 1994年12月14日(29歳)
出身地 ジャマイカの旗 キングストン[1]
身長 183cm[2]
体重 68kg
プロ転向 2014年
コーチ担当者 マイケル・クラーク
成績
オリンピック 400m:準決勝1組5着(2016年
4x400mR:2位(2016年
世界選手権 400m:準決勝3組4着(2015年
4x400mR:2位(2013年
自己ベスト
200m 20秒52(2018年)
400m 44秒50(2015年)
800m 1分54秒08(2017年)
400mハードル 54秒03(2012年)
獲得メダル
陸上競技
ジャマイカの旗 ジャマイカ
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 4x400mR
世界選手権
2013 モスクワ 4x400mR
世界リレー
2017 ナッソー 4x400mR
英連邦競技大会
2018 ゴールドコースト 400m
2018 ゴールドコースト 4x400mR
中米カリブジュニア選手権
2012 サンサルバドル 4x400mR
カリフタゲームズ(U20)
2013 ナッソー 4x400mR
2012 ハミルトン 4x400mR
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経歴

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小学生の時に陸上競技を始めたが、当初は100mに取り組んでいた[3]

2011年

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3-4月のチャンプス (en(10-19歳が対象のジャマイカの全国学校対抗陸上競技大会)・クラス2男子400m決勝で48秒83の2位に入った[4]

2012年

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3月のチャンプス・クラス1男子400m決勝を47秒58で制した[5]

7月の世界ジュニア選手権で世界大会デビューを果たした。男子400mは予選を46秒31、準決勝を46秒06と、両ラウンドを自己ベスト(当時)で突破するも(大会前の自己ベストは47秒16)、決勝は47秒57とタイムを落として9位に終わった[6]。2走を務めた男子4×400mリレーでは3分07秒31の5位に貢献した。

2013年

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3月のチャンプス・クラス1男子400m決勝を46秒21で制して連覇を達成した[7]。クラス1男子200m決勝では20秒82(+0.9)の3位に入った[8]

6月のジャマイカ選手権男子400m決勝においてジャマイカジュニア歴代2位(当時)の記録となる45秒24をマーク。1995年にダヴィアン・クラーク英語版がマークしたジャマイカジュニア記録(当時)に0秒03差と迫るタイムで2位に入り、モスクワ世界選手権代表の座を掴んだ[9][10]

8月のモスクワ世界選手権に出場し、18歳の若さでシニアの世界大会デビューを果たした。男子400mは予選を自己ベスト(当時45秒24)に迫る45秒37の組2着で突破するも、決勝は45秒62とタイムを落とし組5着(全体15位)で敗退した[11]。4走を務めた男子4×400mリレー決勝では5番手でバトンを受け取り、バックストレートで一気に加速して2位まで浮上すると、ホームストレートで3位のロシアに追い上げられたものの2分59秒88でフィニッシュ(ロシアと0秒02差)。決勝の選手の中で最速となる44秒05のラップを刻み、この種目では2003年パリ大会以来となる銀メダル獲得に貢献した[12]

2014年

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3月のチャンプス・クラス1男子400m決勝において45秒00の大会記録(当時)を樹立。2003年にウサイン・ボルトがマークした45秒35を11年ぶりに更新して3連覇を達成した[13]。しかし、その後のクラス1男子200m決勝で負傷したため(結果は24秒32の7位)、残りのシーズンを棒に振った(復帰レースは2015年2月)[14]

7月にプーマとプロ契約を結んだ[15]

2015年

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怪我のため昨年は出場できなかった5月の世界リレーに初出場を果たすと、男子4×400mリレーで4走を務め、予選は44秒01のラップを刻んでチームを5位から2位に引き上げた[16]。翌日の決勝では6番手でバトンを受け取り44秒00のラップを刻むも[17]、3分00秒23の4位に終わりメダルを逃した[18]

5月9日のジャマイカ国際招待男子400mにおいて自身初の44秒台となる44秒90をマークした[19]

6月13日のJAAA All Comers Meet男子400mにおいてジャマイカ歴代3位(当時)の記録となる44秒50をマーク。ジャーメイン・ゴンザレスが持つジャマイカ記録(当時)に0秒10差と迫った[19]。同月28日にはジャマイカ選手権男子400m決勝を44秒70で制し、シニアの全国タイトルを初めて獲得した[20]。しかし、このレースで股関節を負傷し、3-4週間トレーニングをすることができなかった[21]

8月の北京世界選手権に出場すると、ジャマイカチャンピオンとして臨んだ男子400mは予選を44秒83の組2着で突破。2大会連続で進んだ準決勝は予選のタイムを縮める44秒77をマークするも組4着(全体12位)で敗退した[22]。4走を務めた男子4×400mリレー決勝では5-6番手でバトンを受け取ると、2年前の再現とばかりにバックストレートで一気に加速して1位に躍り出た。しかし、ホームストレートでアメリカとトリニダード・トバゴに抜かれると、最後はイギリスとの銅メダル争いに0秒004差で敗れ(2分58秒51の同タイム着差あり)、出場選手の中で最速となる43秒52のラップを刻んだもののメダルを逃した[23]

2016年

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7月のジャマイカ選手権(リオデジャネイロオリンピック代表選考会)男子400m決勝を44秒95で制し、連覇を達成するとともにオリンピック代表の座を掴んだ[24]

8月のリオデジャネイロオリンピックに出場すると、男子400m予選を45秒88の組3着で突破し、オリンピック初出場ながら準決勝まで進出した。しかし、この種目でジャマイカ勢12年ぶりの決勝進出がかかった準決勝は、同組に2012年ロンドン大会のメダリスト3人とラショーン・メリットが混在し、更に1レーンからのスタートという厳しい条件の下、44秒96の組5着(全体12位)で敗退した[25]。4走を務めた男子4×400mリレーは予選1組目に登場すると、4着までが3分を切るというオリンピック史上初のハイレベルな組を1着(2分58秒29)で突破[26]。迎えた決勝では3-4番手でバトンを受け取ると、残り150mから加速。バハマとボツワナを抜いて2分58秒16の2位でフィニッシュし(ラップは43秒78)、この種目では2000年シドニー大会以来となる銀メダル獲得に貢献した[27]。閉会式ではジャマイカ選手団の旗手を務めた[28]

2017年

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ロンドン世界選手権ジャマイカ代表の座と大会3連覇がかかった6月のジャマイカ選手権男子400mだったが、4月の世界リレーで痛めたハムストリングスの影響で欠場した[29]

人物

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主な愛称はドンキーマン(Donkey Man[3]。ウサイン・ボルトの記録を破ったことからベイビーボルト(Baby Bolt)とも呼ばれた[30]

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
200m 20秒52 (NWI) 2018年1月27日   キングストン
400m 44秒50 2015年6月13日   キングストン ジャマイカ歴代5位タイ
800m 1分54秒08 2017年1月21日   キングストン
400mH 54秒03 2012年3月28日   キングストン
室内
400m 45秒97 2018年2月9日   ラボック

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2012 カリフタゲームズ (en (U20)   ハミルトン 400m 8位 53秒29
4x400mR 3位 3分12秒48 (1走)
中米カリブジュニア選手権 (en   サンサルバドル 4x400mR 優勝 3分08秒94 (2走)
世界ジュニア選手権   バルセロナ 400m 9位 47秒57 準決勝46秒06:自己ベスト
4x400mR 5位 3分07秒31 (2走)
2013 カリフタゲームズ (en (U20)   ナッソー 400m 2位 46秒00
400mH 7位 1分04秒53
4x400mR 優勝 3分05秒68 (4走) 大会記録
世界選手権   モスクワ 400m 準決勝 45秒62
4x400mR 2位 2分59秒88 (4走)
2015 世界リレー (en   ナッソー 4x400mR 4位 3分00秒23 (4走)
世界選手権   北京 400m 準決勝 44秒77
4x400mR 4位 2分58秒51 (4走)
2016 オリンピック   リオデジャネイロ 400m 準決勝 44秒96
4x400mR 2位 2分58秒16 (4走)
2017 世界リレー (en   ナッソー 4x400mR 予選 3分03秒52 (2走) 決勝進出[注 1]
2018 世界室内選手権   バーミンガム 400m 準決勝 46秒73
英連邦競技大会 (en   ゴールドコースト 400m 3位 45秒11
4x400mR 3位 3分01秒97 (4走)

脚注

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注釈

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  1. ^ 予選のみ出場。決勝のジャマイカは3分02秒86で銅メダル獲得。

出典

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  1. ^ プロフィール”. 2018年英連邦競技大会公式サイト (2018年4月11日). 2018年4月11日閲覧。
  2. ^ プロフィール”. リオデジャネイロオリンピック公式サイト. 2016年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月7日閲覧。
  3. ^ a b Javon Francis, Jamaica's Next Big Running Star”. NPR(www.npr.org/) (2014年5月13日). 2017年3月6日閲覧。
  4. ^ JC, Holmwood triumph!”. Jamaica Observer (2011年4月3日). 2017年3月6日閲覧。
  5. ^ Calabar boys deliver ‘Champs’ for 100th year”. Jamaica Observer (2012年4月1日). 2017年3月6日閲覧。
  6. ^ 2 Jamaicans for women’s 400m finals”. Jamaica Observer (2012年7月12日). 2017年3月6日閲覧。
  7. ^ Holmwood stun 'Edwin'”. Jamaica Gleaner (2013年3月17日). 2017年3月6日閲覧。
  8. ^ Best Ever! - 30 records shattered at Boys', Girls' Champs”. Jamaica Observer (2013年3月17日). 2017年3月8日閲覧。
  9. ^ A moment to savour”. Jamaica Gleaner (2013年10月31日). 2017年3月6日閲覧。
  10. ^ Javon Francis books ticket to Moscow”. Jamaica Gleaner (2013年6月24日). 2017年3月6日閲覧。
  11. ^ 第14回世界選手権男子400m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2013年8月12日). 2017年3月6日閲覧。
  12. ^ Javon Francis’ stupendous run speaks volumes to 400m revival”. Jamaica Observer (2013年8月19日). 2017年3月6日閲覧。
  13. ^ Javon Francis wins 400m, smashes Bolt's record”. Jamaica Observer (2014年3月29日). 2017年3月6日閲覧。
  14. ^ No Bolt, Javon Francis makes winning return at Camperdown Classic”. Jamaica Observer (2015年2月14日). 2017年3月6日閲覧。
  15. ^ PUMA signs Francis”. Jamaica Observer (2014年7月2日). 2017年3月6日閲覧。
  16. ^ 2015年世界リレー男子4×400mリレー予選レース分析”. 国際陸上競技連盟 (2015年5月2日). 2017年3月6日閲覧。
  17. ^ 2015年世界リレー男子4×400mリレー決勝レース分析”. 国際陸上競技連盟 (2015年5月3日). 2017年3月6日閲覧。
  18. ^ Two gold, one silver as Jamaica finish World Relays in style”. Jamaica Observer (2015年5月4日). 2017年3月6日閲覧。
  19. ^ a b Francis aiming for Beijing”. Jamaica Gleaner (2015年6月19日). 2017年3月6日閲覧。
  20. ^ Javon Francis claims first national senior title in 44.70s”. Jamaica Observer (2015年6月28日). 2017年3月6日閲覧。
  21. ^ Fitter and Faster - Francis ready for 2016”. Jamaica Gleaner (2016年1月30日). 2017年3月7日閲覧。
  22. ^ 第15回世界選手権男子400m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月24日). 2017年3月7日閲覧。
  23. ^ Report: men's 4x400m final – IAAF World Championships, Beijing 2015”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月30日). 2017年3月7日閲覧。
  24. ^ Blake completes sprint double on dramatic final day of Jamaican Championships”. 国際陸上競技連盟 (2016年7月4日). 2017年3月7日閲覧。
  25. ^ 第31回オリンピック男子400m決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月13日). 2017年3月7日閲覧。
  26. ^ Report: men's 4x400m heats – Rio 2016 Olympic Games”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月19日). 2017年3月7日閲覧。
  27. ^ Men’s quarter-milers elated to break relay medal drought”. Jamaica Observer (2016年8月21日). 2017年3月7日閲覧。
  28. ^ Javon Francis: A Calabar lion in the games of the XXXI Olympiad Rio de Janeiro, Brazil 2016”. カラバー高校公式サイト (2016年). 2017年3月7日閲覧。
  29. ^ No date set for Francis' return from injury”. RJR News Online (2017年6月21日). 2017年6月26日閲覧。
  30. ^ BIOGRAPHICAL SUMMARIES(P.12参照) (PDF, 3.5 MB) 国際陸上競技連盟 2017年03月07日閲覧

外部リンク

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オリンピック
先代
開会式 / ウサイン・ボルト
(男子陸上競技選手)
閉会式 / ハンズル・パーチメント
(男子陸上競技選手)
2012 ロンドン
ジャマイカ選手団の旗手
閉会式*)

2016 リオデジャネイロ
次代
未定
2020 東京

開会式シェリー=アン・フレーザー=プライス(女子陸上競技選手)