シンデレラの悪魔
『シンデレラの悪魔』(シンデレラのあくま)は、赤川次郎による日本の推理小説。「悪魔シリーズ」の第9作目。『サスペリアミステリー』(秋田書店)にて2007年11月号から2009年9月号まで連載されていた。
あらすじ
編集試験休みと休日を利用して米どころの温泉地へ来ていた由利子・香子・旭子の3人は、香子の知り合いの芸能プロダクション社長・八木原と遭遇し、スカウトしたばかりだという大人びた少女・三枝千秋と知り合う。千秋は上京して1か月で期待の新人としてパーティーで紹介され、映画での主演デビューが発表されるが、千秋の先輩アイドルが車で人身事故を起こしたり、ドラマの撮影中に事故死するなど、災難が相次ぐ。更に千秋の出生に関わる秘密が絡み、香子が解決に乗り出す。
登場人物
編集- 矢吹 由利子(やぶき ゆりこ)
- 花園学園高校2年生。姐御肌。
- 桑田 旭子(くわた あきこ)
- 花園学園高校2年生。役者を目指している。
- 弘野 香子(ひろの きょうこ)
- 花園学園高校2年生。資産家令嬢。
- 矢吹 真由子(やぶき まゆこ)
- 花園学園中学2年生。由利子の妹。
〈Sプロ〉
編集- 三枝 千秋(さえぐさ ちあき)
- どこか暗い光をたたえた目が大人びて見える高校1年生。学校をサボって喫茶店にいたところを八木原にスカウトされる。私生児である事実が、田舎では受け入れられず、学校でも問題児扱いされていた。
- 八木原 稔(やぎはら みのる)
- 芸能プロダクション〈Sプロ〉社長。千秋を見出す。
- 納谷 しおり(なや しおり)
- Sプロ所属のアイドル。アキの代役で主演に抜擢されたテレビドラマの撮影中に、石段から落ちて死亡する。
- 西尾(にしお)
- Sプロ専務。
- 木又(きまた)
- 八木原の秘書。
- 久松 アキ(ひさまつ あき)
- Sプロ所属のアイドル。18歳。免許取り立てで事故を起こし、連続ドラマの主演を降板させられるが、同乗していた男の名を明かさない。
- 手塚(てづか)
- 納谷しおりのマネージャー。しおりの死後はアキのマネージャーになる。
- 朝倉(あさくら)
- アキのマネージャー。仕事を全うしなかったため解雇される。
- 浅井 マチ子(あさい まちこ)
- 千秋のマネージャー。
水柳流
編集- 水柳 志楽(みずやなぎ しらく)
- 日本舞踊〈水柳流〉の家元。40歳。香子の師匠。千秋の実父。
- 水柳 美鈴(みずやなぎ みすず)
- 志楽の妻。40歳。邦楽の名のある家元の娘で、プライドが高く、芸能人を見下す。
- 水柳 真一(みずやなぎ しんいち)
- 志楽の息子。中学3年生。ロックに夢中で髪を金髪に染めている。千秋のファンになり、踊りの稽古を再開する。
- 水柳 沙世(みずやなぎ さよ)
- 志楽の娘。花園学園中学1年生。幼い頃に怪我をし、左足を引きずっているため、母親から人前で踊ることを禁じられているが、踊りへの情熱は持っている。
その他
編集- 三枝 素代(さえぐさ もとよ)
- 千秋の母親。温泉旅館で仲居として働くシングルマザー。後に、仕事を辞め東京へ。
- 谷口 芳哉(たにぐち よしや)
- 24歳。人気俳優。
- 広瀬 忠夫(ひろせ ただお)
- 谷口の所属事務所の社長。
- 安原(やすはら)
- しおり及びアキの主演テレビドラマのディレクター。
- 勝谷(かつや)
- 30代の刑事。しおりの事件担当。
- 河合 伸代(かわい のぶよ)
- 水柳流の弟子。資産家の未亡人で、自宅に大きな稽古場を設けている。美鈴と仲が良い。
出典
編集- 赤川次郎 『シンデレラの悪魔』