シンジュガヤ
シンジュガヤ Scleria levis Retz. (1876) はカヤツリグサ科の植物の一つ。果実が丸くて白い事でこの名がある。直立する桿に数枚の葉をつけ、先端に穂を出す。
シンジュガヤ | ||||||||||||||||||||||||
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花序
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Scleria levis Retz., 1876 | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
シンジュガヤ |
特徴
編集全体に硬質な多年生の草本[1]。地下茎はよく発達し、太く短い横走茎を出す。根茎には暗赤色の鱗片がある[2]。地上に伸びる茎は地下茎から間を開けて直立し、高さ70-100cmに達する。茎は緑色で断面が明瞭な三角形で鋭い稜があり、下向きに著しくざらつく。直立茎には節が多く、節ごとに葉を出す。葉は基部では鞘のみが発達し、上のものでは葉がよく発達し、長いものは花序より長く伸びる。葉にはほぼ3脈が発達し、縁はざらつく。鞘にはよく発達した翼が出る。
花期は7-10月。花序は茎の先端に出て円錐花序をなす。苞は葉状、小苞は針状[2]。一部は二番目の節からも出て、分花序は長さ10-15cmになる。小穂には雄小穂と雌小穂の区別があり、いずれも鱗片が暗赤褐色を帯びる。小穂は多数の鱗片からなり、個々の鱗片は長さ4mm、狭卵形から卵形で先端は尖る。
雄小穂には雄しべ3本が、雌小穂にはめしべ1つが含まれる。柱頭は3裂する。果実は球形で径2.5mm、熟すると白くて光沢があり、表面に格子紋はないが、細かい毛が格子紋の形に出る。痩果の基盤は三角形で先端が尖る。
分布と生育環境
編集本州では伊豆半島以西、三宅島と小笠原諸島、四国、九州と南西諸島に分布する。国外では台湾、中国南部、インド、マレーシア、マリアナ諸島、オーストラリア、ミクロネシア、メラネシアに分布する。
日当たりのよい湿った草地に生育する。
類似種など
編集オオシンジュガヤは全体によく似ていてやや大柄。鞘に翼がない事ではっきりと区別できる。コシンジュガヤは遙かに華奢な植物で、根茎も発達しない。
人間との関係
編集特に利害はない。
ただし、分布北限地域では希少種として保護されている例もある。環境省のレッドデータでは指定がないが、三重県、兵庫県、愛媛県、福岡県では絶滅危惧I類に指定されている。また大阪府では絶滅したとされる。
出典
編集参考文献
編集- 星野卓二・正木智美・西本眞理子、『日本カヤツリグサ科植物図譜』、(2011)、平凡社
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本I 単子葉植物』,(1982),平凡社
- 牧野富太郎、『牧野 新日本植物圖鑑』、(1961)、図鑑の北隆館
- 野生生物調査協会 & Envision環境保全事務所、「日本のレッドデータ検索システム」:[1] :2014年4月20日閲覧