シロモジ(白文字[4]学名: Lindera triloba)は、クスノキ科クロモジ属落葉低木。山地に生える。種名クロモジに対して付けられた。

シロモジ
シロモジ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クロモジ属 Lindera
: シロモジ L. triloba
学名
Lindera triloba (Sieb. et Zucc.) Blume (1851)[1][2]
シノニム
和名
シロモジ

特徴

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日本の本州中部地方以西)、四国九州にかけて、温帯から暖帯の低山に分布する[4]。日本固有種であり、襲速紀要素に該当する。

落葉広葉樹低木[4]。幹は往々に根本で束になって生じ、高さ5メートル (m) になる[5]樹皮は灰褐色から茶褐色で、滑らかであるが皮目が多い[5]。一年枝は緑色を帯びない[5]

雌雄異株は黄緑色で、春にが出るのと同じ頃、葉脇から出た散形花序に咲く。ここまではクロモジに似るが、枝は淡褐色で、葉は3中裂から5中裂で葉脈が3脈みられる。また果実液果で、直径1.3センチメートル (cm) ほどの球形で、に緑黄色に熟す[5]

葉は三裂から五裂だが、裂けない場合もある。裂け目の底に、ポケット状の隙間がある[4]。いずれにしても洋紙質、黄緑で表面は無毛、脈沿いに毛がある。秋には紅葉し、ふつう黄色くなるが、時に橙色から淡い赤色を帯びることもある[4]

冬芽は枝先に仮頂芽が、側芽は互生し、葉芽は紡錘形で、花芽は短い柄がある球形で葉芽の基部に横から下向きにつく[5]

利用

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この木は強靭で、などに利用された。また熟した果実種子を絞るとがとれ、絞り出された油は行燈などの燃料として使われていた。なお、クロモジほどでないが、枝葉に特有の芳香があり、水蒸気蒸留で精油が抽出される[6]。 また、黄葉がきれいで、園芸・庭木用の苗木が販売されている。

種の保全状況評価

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日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[7]

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera triloba (Siebold et Zucc.) Blume シロモジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月17日閲覧。
  2. ^ 日本の野生植物 (1996)、119頁
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Parabenzoin trilobum (Siebold et Zucc.) Nakai シロモジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月17日閲覧。
  4. ^ a b c d e 林将之 2008, p. 25.
  5. ^ a b c d e 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 234
  6. ^ Yabuuchi et al. (2023). “Virtual screening of antimicrobial plant extracts by machine-learning classification of chemical compounds in semantic space” (英語). PLOS ONE 18: e0285716. doi:10.1371/journal.pone.0285716. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0285716. 
  7. ^ 日本のレッドデータ検索システム「シロモジ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年11月14日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  8. ^ しまねレッドデータブック(シロモジ)”. 島根県 (2004年3月). 2012年11月14日閲覧。

参考文献

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  • 佐竹義輔、亘理俊次、原寛、冨成忠夫(共編)『日本の野生植物』 大木I、平凡社、1996年6月。ISBN 4582535046 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、234頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月27日。ISBN 978-4-8299-0187-8 

外部リンク

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