ショートブレッド: shortbread)は、スコットランドの伝統的な菓子である。

フィンガータイプのショートブレッド

"short"食感がサクサク、あるいはポロポロするという意味の形容詞である。"bread"は直訳すればパンを指すが、ジンジャーブレッドなどと同じく「焼き菓子」という意味でも解される[1]。12世紀にスコットランドで成立したと言われ、強いバターの風味に特徴がある[1]

概要

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シンプルな焼き菓子であり、基本的に小麦粉バター砂糖の3種類の材料を3:2:1の配合で混ぜて作られる[1]。他に塩や、米粉、コーンスターチを加えたり、チョコチップやクルミなどのフレーバーを混ぜ込むバリエーションレシピもある[2]。卵が加わると名前が「ビスケット」に変化するため、ショートブレッドに卵が入ることはない[1][2]。また、バターを小麦粉に混ぜ込む際に、指でばらばらと混ぜ合わせ、パン粉状にほぐすラビングイン(フランス製菓でいうサブラージュ)という手法を取る点がビスケットと大きく異る[1]。バターを大量に使うため、バターが流れ出さない程度に「白く焼き上げる」のが正しいとされる[2]

ショートブレッドの形状には特に決まりはない。クリスマスやお祝いの席などに供せられる大きな円形で、縁に襞状の飾りの入ったショートブレッドはペティ・コートテイル(petitcoat tail)と呼ばれており、16世紀にこの菓子を好んだメアリー女王が命名したという伝説がある[1]。最も多く流通しているショートブレッドは「フィンガー」(fingers)と呼ばれる長方形のもので、粉・バター・砂糖の順に混ぜてひとまとまりになってから手でさらに練り、平らな長方形に形作って冷蔵庫で冷やして固め、硬くなってから小さな長方形に切り分け、表面にフォークで窪みを作ってから、予熱をしておいたオーブンで焼き上げる。 既成品では、イギリス・スコットランドのウォーカー社(Walkers)の製品がある。 この種のひとくちサイズのショートブレッドには、円形や動物形など、型抜きで成形されているものもある[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 羽根則子『増補改訂 イギリス菓子図鑑:お菓子の由来と作り方』 誠文堂新光社 2020年 第2刷 ISBN 978-4-416-61971-1 pp.217-221,277.
  2. ^ a b c 牟田彩乃『英国菓子:知っておきたい100のこと』 産業編集センター 2021年 ISBN 978-4-86311-283-4 pp.69,

参考文献

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  • 『新英和中辞典』(研究社、1985年 第2刷)
  • 『らくらくおやつ応援団』(学習研究社、2006年)

関連項目

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