シュワスマン・ワハマン第1彗星
シュワスマン・ワハマン第1彗星(‐すいせい、シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星。英語: 29P/Schwassmann-Wachmann、Schwassmann-Wachmann 1、略称:SW1)は1927年11月15日にアルノルト・シュヴァスマンとアルノ・ヴァハマンがドイツのハンブルク天文台で発見した彗星である[1]。発見されたときは13等でアウトバースト(急激な増光)の最中であった。1931年には発見より前の1902年3月4日に撮影された画像に12等で写ったシュワスマン・ワハマン第1彗星が発見された[1]。核は直径60.4 ± 7.4 kmと推定されている[4]。
シュワスマン・ワハマン第1彗星 29P/Schwassmann-Wachmann | |
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仮符号・別名 | 1902 E1, 1908 IV 1927 V1, 1925 II, 1927i 1941 VI 1957 IV 1974 II 1989 XV シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星、SW1 |
分類 | 周期彗星、ケンタウルス族の天体 |
発見 | |
発見日 | 1927年11月15日[1] |
発見者 | アルノルト・シュヴァスマン アルノ・ヴァハマン[1] |
軌道要素と性質 元期:TDB 2456073.5(2012年5月26.0日) | |
軌道長半径 (a) | 5.9991 au[2] |
近日点距離 (q) | 5.7365 au[2] |
遠日点距離 (Q) | 6.2618 au[2] |
離心率 (e) | 0.0438[2] |
公転周期 (P) | 14.69 年[2] |
軌道傾斜角 (i) | [2] | 9.378 °
近日点引数 (ω) | [2] | 50.539 °
昇交点黄経 (Ω) | 312.560 °[2] |
平均近点角 (M) | 191.640 °[2] |
前回近日点通過 | 2019年3月7日[3] |
次回近日点通過 | 2035年2月13日[3] |
最小交差距離 | 4.741 au(地球)[2] 0.744 au(木星)[2] |
ティスラン・パラメータ (T jup) | 2.984[2] |
物理的性質 | |
直径 | 60.4 km[2] |
絶対等級 (H) | 8.6(核+コマ)[2] |
アルベド(反射能) | 0.033[2] |
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アウトバースト
編集この彗星は通常は16等であり、1 - 5等ほど光度が大きくなるアウトバーストを起こす点で特異的である。アウトバーストは年に7.3回の頻度で起こる[5]。2021年1月14日にも16.6等から15.0等へのアウトバーストが観測され、年に7.3回という頻度にも合った結果であった[6]。
アウトバーストは2010年から2014年の間では平均で57日に1回起こっており、シュワスマン・ワハマン第1彗星の核には氷の火山があり、自転周期も57日と遅い可能性がある[7]。
ケンタウルス族
編集シュワスマン・ワハマン第1彗星は、木星軌道の少し外側で、円軌道に近い楕円軌道を描いている。これはケンタウルス族の小惑星に特徴的な軌道である。ケンタウルス族の天体は、近年エッジワース・カイパーベルトから侵入してきた天体である。ケンタウルス族の他の天体である2020 MK4は軌道が類似し、シュワスマン・ワハマン第1彗星に接近してコマを通過した可能性がある[8]。
ギャラリー
編集脚注
編集- ^ a b c d Kronk, Gary W.. “29P/Schwassmann-Wachmann 1”. cometography.com. 2022年1月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “29P/Schwassmann-Wachmann 1”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory. 2022年1月18日閲覧。
- ^ a b “29P/Schwassmann-Wachmann”. 木下一男 (2017年10月12日). 2022年1月19日閲覧。
- ^ Schambeau, Charles A.; Fernández, Yanga R.; Lisse, Carey M.; Samarasinha, Nalin; Woodney, Laura M. (2015). “A new analysis of Spitzer observations of Comet 29P/Schwassmann-Wachmann 1”. Icarus 260: 60-72. arXiv:1506.07037. Bibcode: 2015Icar..260...60S. doi:10.1016/j.icarus.2015.06.038.
- ^ King, Bob (2021年9月29日). “Catch one of the most active small bodies in the solar system during a rare superoutburst.”. Sky and Telescope. 2022年1月19日閲覧。
- ^ “Outburst of comet 29P/Schwassmann-Wachmann 1”. The Astronomer's Telegram (2021年1月15日). 2022年1月19日閲覧。
- ^ Miles, Richard (2016). “Discrete sources of cryovolcanism on the nucleus of Comet 29P/Schwassmann-Wachmann and their origin”. Icarus 272: 387-413. Bibcode: 2016Icar..272..387M. doi:10.1016/j.icarus.2015.11.011.
- ^ de la Fuente Marcos, C.; de la Fuente Marcos, R.; Licandro, J. et al. (2021). “The active centaur 2020 MK4”. Astronomy & Astrophysics 649 (A85): 15 pp. arXiv:2104.01668. Bibcode: 2021A&A...649A..85D. doi:10.1051/0004-6361/202039117.
外部リンク
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