シュラークバル
クリケットが原形とされるドイツ式野球
シュラークバル(Schlagball)は、イギリスのクリケットが原形とされるドイツ式野球のこと。ドイツ語で「球を打つこと」という意味。1890年代にドイツで始まり、20世紀初めにドイツで流行した。第2次世界大戦後衰退したが、最近ではドイツで再び人気が出ている。現在、夏にドイツ北部の2島でトーナメント大会が開かれている。
日本においては、第1次世界大戦中にドイツ兵捕虜約1,000人を収容した徳島県鳴門市の板東俘虜収容所内で盛んだったが、1920年1月に最後のドイツ兵が帰還して以降ほとんど行われていない。
ルール
編集- 試合時間
- 30分~1時間程度。
- 人数
- 1チームにつき12人。
- ボール
- 革製で直径7センチ、重さ80グラム前後。通常は赤い色のボールを使う。
- バット
- 木製で太さ3センチ、長さ60~120センチ。
- 競技場
- 前方後方墳に似た形状をしている。打席は縦5m、横25m。走塁ゾーンは縦70m(50m、60mとするものもある)、横25mで左右のライン上35m地点に中間ポールがある。走者用ポールは打席から60m離れて2つあり、2つのポールの間隔は4m(2mとするものもある)。ホームランゾーンは台形を逆さにした形状をしており、下底は25mで上底に向けて140mのラインが引かれている。観客席はフィールドのラインから10m離れている。
- 打撃
- あらかじめ決められた順番に打席に入り、打者は自分でボールを投げ上げて片手か両手で打つ。
- 走塁・得点
- 打球がフィールド内に入ったら、打者は60m離れた走者用ポールに向かって走り、ポールを回ってホームに帰れば1点。ポールのところで止まってもよい。ボールを当てられないようにジグザグに走っても良い。ポールのそばに立っているときはアウトにならない。ホームランは1点(走者が1人いる場合は2点)。交代点(守備側が交代権を得る)、捕球点(守備側がじかにフライを捕る)などもある。
- 守備
- 12人はどこで守ってもよい。ただし、打撃や走塁を妨げてはならない。
- アウト
- ホームランゾーン以外でフライを捕球する(走塁ゾーンおよびホームランゾーンの外側で捕ってもアウト)。
- 走者にボールを当てる(走者の近くの人にボールを回してもよいが、ボールを持って走ってはならない)。
- 打球が走塁ゾーン及びホームランゾーンの外に落ちる。
- ゴロが中間ポールの内側で、走塁ゾーンの外に出る。
- 走者が走塁ゾーンの外に出る、他。
- 攻守交替
- 攻撃側が一人アウトになったとき。
- 前の守備側が交代に手間取っている間に、新しい守備側がフィールド内の相手の選手にボールをぶつける。
- その他
- 投手はおらず、グローブはない。
- 走者用ポールは打席から60m離れているが、打者が女性と14歳以下の子どもの場合、10m、20m短い50m、40mでもよい。
関連項目
編集外部リンク
編集- Schlagball dot com - ウェイバックマシン(2012年3月12日アーカイブ分)(ドイツ語)